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「レトロCM魔改造」が好きすぎる。

※この記事は2021年9月10日にpixiv FANBOXに投稿した文章の移植記事です。

少し気が早いのですが、1年も残り1クォーターです。
皆さん今年はどんな年でしたか。

私のこの1年は「レトロCM魔改造」と「戦場のメリークリスマス」が二大覇権ジャンルでした。2021年にこんな人間他にいねーよという自負だけあります。ちなみに現在進行形です。

「レトロCM魔改造」というのは高野政所さん(現在は「プロハンバーガー」に改名)というDJの方がyoutubeで公開している音楽プロジェクトです。

とりあえず観るのが一番早いと思うのでリンクを貼ります。

恐らく何が起きているのか全く分からないという方がほとんどだと思いますし、逆に「ふーん、なるほどね」という理解がある方はもうそれ同じ界隈の人だろと思われますので少し解説します。といっても私はクラブミュージックとかDJはほとんど未知のジャンルなので少しだけ。

高野政所さん(プロハンバーガー氏)はジャンルとしては「ナードコアテクノ」と呼ばれる音楽を長年手掛けられており、ナードすなわちオタクのカルチャーであるアニメやテレビCMなどの映像をMIXしたテクノミュージックをこう呼ぶそうです。

ジャンルに関する御託は置いておいて、この音楽めちゃくちゃ気持ちいいと思いませんか?

広告というものは嫌われ者です。サブスクが人気なのも広告の煩わしさに対するものが大きいでしょう。選択と集中、モノを持たない、シンプルライフ、ミニマリズムといった近年の風潮と広告は完全に相反するものです。

しかし……このレトロCMたちはどうだろうか。

愚直に磨き抜かれた覚えやすいフレーズ、商品が持つ「旨い」「愉快」「蠱惑的」といった抗いがたい魅力、数十秒の間に濃密なまでに凝縮されるセールスポイントなど、とにかく「売る」ということに100パーセントを投入したメディア、それがテレビコマーシャルです。昭和から平成初期にかけて流れたこのCMたちは、賑やかで、時に毒々しく、時に総てが過剰であり、そして懐かしい。CMというものはそもそも極めて優秀なものだということを思い出します。

そんな愛すべきレトロCMを魔改造するのだから、気持ちよくない筈がない。これら魔改造作品は、レトロCMが持つ音の面白さ・気持ちよさをその名の通り魔改造MIXすることによって、ビート、盛り上がり、芸術性等を増幅させ、高度に融合させた全く新しい音楽作品なのです。そこに宿るものは一言でいえばまさに「魔」と言えるでしょう。

話変わりますが、少し前にこういうツイートをしました。

この語り掛けをしてくれたのはイップス外しの心理カウンセラーの先生なのですが、この言葉を聞いた時に「ああ、そうだ、その通りだ」と心から得心がいったのですね。この「顧みられない、埋もれてしまったもの」とは、私にとっては昭和戦前史であり、古典文学です。

古臭いと打ち捨てられたもの、忘れ去られたもの、誰からも見向きもされないものに、手間をかけ、磨き上げ、新しい視点・視座を盛り込んで、今の時代に再び問う。再び愛してもらう。「何かを作る」とは、新しい価値観を創出することです。私はレトロCM魔改造にそれを感じます。

ちなみにレトロCM魔改造、上にリンクを貼った「生和建設」のほか100本以上が公開(なぜなら魔改造を一日一本計100本ノックをするという企画があったため)されていて「何事?」という感じですがきっとお気に入りが必ず見つかると断言しますので、ぜひ観てほしいと思います。観てほしいッ。←これも魔改造ネタ

最後になってしまいましたが私にレトロCM魔改造の存在を教えてくれた冬野昴さんに謝辞を贈ります。

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