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バンド好きに見てほしいVTuber、加賀美ハヤト 

皆さんは、にじさんじ所属VTuber・加賀美ハヤトをご存知だろうか。

端正なルックスが目を引き、トークも面白く、高い歌唱力を誇る加賀美ハヤトであるが、音楽好きとして声を大にして言いたい彼の魅力がある。

取り上げる音楽のネタが幅広すぎるのだ。

この記事では3Dライブ映像、オリジナル曲、インタビュー、そしてゲーム実況中にこぼれた音楽にまつわる話を元に、バンド好きな方々に向けて加賀美ハヤトを紹介したい。

3DライブにてBRAHMANをカバー

にじさんじで活動するライバーにおいて、「3Dお披露目」というのは一つの節目と言える晴れ舞台である。
にじさんじではイラストが喋るような形をとる2Dのアバターで最初にデビューし、配信活動を経て全身が動く3Dのアバターが実装される。3Dアバターの姿で行う初めての生配信を「3Dお披露目」と呼ぶ。
3Dお披露目は丸々1時間を通してリスナーに全身の動きを見せる初めての機会であり、ライバーが各々の趣向を凝らした企画を行うのだが、加賀美ハヤトは当時「日本初(?)、下手したら世界初の試みになるかもしれない」全編生バンド3D配信ライブを行った。なおバンドも含めて3Dでトラッキングを行なっている。

そんな大舞台、ライブ序盤の2曲目に「私のすごい好きな曲」と前置きして歌い始めたのは、BRAHMAN「BASIS」。エアジャム世代直撃の選曲である。
イントロでツーステ、モニターに足を掛けるなどのバンドマン然としたパフォーマンスを見せ、間奏ではまさかのバスドラに足をのせる場面まで。ライブハウスさながらの光景である。

歌唱力の高さに定評のある加賀美ハヤトだが、音楽愛溢れる選曲、そして観客の胸を熱くするパフォーマンスも、彼のライブの魅力である。

インタビューでthe cabsに言及

加賀美ハヤトは、にじさんじ内ユニット・ROF-MAOに参加している。
ROF-MAOはYouTubeでのバラエティ番組のほか、音楽活動も行なっており、ミニアルバム『Crack Up!!!!』を発表している。

『Crack Up!!!!』の発売に際して行われたインタビューにて、加賀美ハヤトはthe cabsに言及。というのも、収録曲「I wanna! You wanna!」の作詞作曲者は、現KEYTALK、元the cabsのベースボーカル担当・首藤義勝なのだ。加賀美ハヤトは首藤について、「『首藤さんってthe cabsの方か!』と後々に気づいて驚いた」と述べている。
さらに、「I wanna! You wanna!」の印象的なベースのフレーズを「まるでビリー・シーンみたい」と表現。90年代アメリカの著名なハードロックバンドであるMR.BIGと、僅かな活動期間ながら今でもカルト的な人気を誇る日本のポストロックバンドであるthe cabsの名前が同列に出てくる点に、加賀美ハヤトが好きな音楽の幅広さを見てとることができるだろう。


ホラーゲーム実況中にARCH ENEMYを詠唱

加賀美ハヤトは歌唱のみならず、ゲーム実況中にも音楽ネタが飛び出してしまうことがある。
ホラーゲーム『Bramble: The Mountain King』では絵本がキーアイテムなのだが、本の中の図を見た加賀美ハヤトは「シンプルにメタルの歌詞です」と言いながらダミ声で文を読み上げ始める。さらに気分が乗ってきてしまったのであろう彼は、突然「We are strong!!We are one!!Nemesis!!!!!」と叫び出してしまう。そう、ARCH ENEMYの代表曲『Nemesis』である。あの泣きのギターが頭の中で流れてしまった方もいるのではないだろうか。

ちなみに、『塊魂』のBGMをゆらゆら帝国に例える、『ホグワーツ・レガシー』のグラフィックがペン画タッチで表現されるシーンで「ブラックメタルのジャケ」、『ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart』の着せ替えアイテムに対して「Killswitch Engageのロゴみたい」と言うなど、音楽関係でない配信でも音楽ネタが出るときは度々ある。バンド好きとしては元ネタが分かった時の嬉しさはひとしおだ。

新宿のライブハウスに土地勘がある

歌舞伎町をモデルにした街・神室町を舞台に、ヤクザ達の戦いを描くゲーム『龍が如く』。
このゲームではリアルに再現された新宿の街を駆け回ることになるのだが、加賀美ハヤトは区役所通りを通り抜けながら「この辺ライブハウスとか結構あるんですよね」と発言。残念ながら筆者は新宿のライブハウスには詳しくないが、確かに新宿NINE SPICEに行く途中でこのような景色を見たような気がしなくもない。
更に、新宿BLAZE前では喧嘩を売られながら「BLAZE行きたかっただけなのに…」と消え入るような声を上げる。新宿BLAZE前は流石に私も覚えている。(ドルオタだったころ何回か行っていたので)
ライブハウス周辺の土地勘があるのは、音楽好きの性かもしれない。

メタルコア節全開のオリジナル曲『22』

元よりデスボイスに定評がある加賀美ハヤトだが、特にモダンなメタルが好きな方に是非聴いて頂きたいのが、制作期間中に「趣味全開」と宣言されていたオリジナル曲『22』だ。
なんとCメロに入るまでクリーンパートがほぼ無く、ツインペダルからの4つ打ちドラム、ピッキングハーモニクスを混ぜた歪みギターのリフ、さらにブレイクダウンまで織り込まれた、メタルコア節全開の曲なのである。
さらにMVも退廃的な背景とリリックを組み合わせたメタルコアのMVらしい映像となっており、本人のイラストが一切登場しないものである。MVの製作に当たっては、加賀美ハヤトがリファレンスとして海外のバンドのMVをマネージャーに提出したとのことだが、あまりにこのジャンルに対する解像度が高い映像なので何をリファレンスにしたのか俄然興味が湧いてしまう。

余談だが、加賀美ハヤトは好きなバンドとしてAugust Burns Redを挙げていたことがある。


以上、バンド好き向けに加賀美ハヤトを紹介した。

冒頭に申し上げたように彼は視聴者を飽きさせないトークスキルを持つため、VTuberの長時間配信に慣れていなくても飽きずに配信を見ることができる。加えて、バンド好きの心をくすぐる場面が多々あるため、バンドが好きでVTuberはまだあまり見たことがないという方にも、是非加賀美ハヤトをお勧めしたい。

音楽の他にも、ROF-MAOでの安定した司会進行、惜しみのないファンサービス、ゲームをまず自らが楽しむ姿勢など、加賀美ハヤトの魅力は枚挙に遑がない。そしてどこを切っても面白みがある多面性こそが、加賀美ハヤトの魅力である。音楽から切った彼をきっかけに、加賀美ハヤトにハマるのはいかがだろうか。


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