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だから夢中になって読んでいたのかも

 塩野七生さんの『ローマ人の物語』や『コンスタンティノープルの陥落』など10年以上読みながら思っていたことは、戦闘シーンが面白いなぁ。ということであった。1軍団の人数から編成、兵の装備やその配列順、相手との陣形分布、劣勢優勢の差異、象がいるのかいないのか、野原なのか山岳地帯なのか、はたまた川を挟んでいるのか等々。人のとこから兵站について、地勢についてや戦略、作戦に至るまで仔細に盛り込まれ、いざ会戦が始まると文章を読んでいるはずなのに実況中継を聞いているような気分になってくる。新幹線で会戦シーンを読もうものなら大変で、結婚式に着ていくはずだったワンピースを車内に置き忘れて地下鉄に乗り換え気づけば中津だった、というくらい途中でやめられない。そして今読んでいるのは『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 下 塩野七生ルネサンス著作集5』である。副題の通り、ヴェネツィアの通史であるが、この巻にもルネサンス著作集恒例のメイキング章がある。そこで、ついに戦闘シーンが面白い理由を見つけたようでハッとした。”戦闘バトルを書くこと大好き”という部分である。

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