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海とこしあんと黒柴銀太がすきな塾屋さんです。第四十五回全国短歌大会 東直子選者賞。三井住友信託銀行主催・第四回わたし遺産大賞受賞。最近はイラスト付きの短いエッセイを更新ちゅう。なにかしらをかく仕事をしたいと思っています。お声かけくださったら嬉しいです。

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  • 書くことが楽しくてよかった。

    文章をまとめました。短歌・エッセイを書きます。たくさん書きたいと思っています。

  • うみのなか.com

    海の中のことをまとめました。ぶくぶく。

最近の記事

「俺の魔球を受けてみろ!」

「俺の魔球を受けてみろ!」 ぽかんとした彼女たちの表情が、一瞬ののちに笑顔に変わった。その瞬間、世界は急にわたしに優しくなった感じがしたのだ。 世界とわたしとの間に、「自分から飛び込め」の約束が生まれたあの時のことを、わたしはまだ覚えている。 高校に上がったばかりの頃、わたしは猛烈に尖っていた。 無事、第一志望に合格したわたしに、怖いものなんてあっていいはずがなかったからだ。不安を共有するかわりに、強気な発言を繰り返した。 背伸びしたら背伸びした分、実りあるものが生まれる

    • ある小学生の姿

      • わたしが君に教えられること 〜ある塾屋のつぶやき〜

        文系の塾屋なので、高校生の現代文を担当することが多い。 「この現代文が読めない」 「これよくわからなくて」 と言われてドレドレとのぞき込む文章の多くが、いうなれば「顔見知り」の文である。 西欧と日本の対比や近代化の功罪、IT社会における自我の問題など、教材として扱われやすいものばかりだ。 ところが、口を揃えて「読めない」「わからない」というからには、なにか理由があるに違いない。 問答を繰り返し、掘り下げていって、ハタと気づいた。 いわゆる歴史である。 歴史、というより、

        • スピノザ先生!

          感情に流されてはいけない、と知りつつ、わたしはどこまでも流される。 楽な方へ楽な方へ、より考えなくて済む方へ。 たとえばひどく落ち込むとき、わたしは感情に流されている。それは、意図して流されることが「楽」だからだ。 100分de名著(NHKオンデマンドはすばらしいチャンネルで、もはや延々観ていられる)のスピノザ回を見直して、現状を捉えなおそう。 今この行為、行動、感情は、「誰の力を最もよくあらわしているか」と考える。 國分先生はカツアゲを例に挙げていた。お金を出した

        「俺の魔球を受けてみろ!」

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          ガラケーの思い出

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          愛犬と過ごす祝日

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          星の王子さま

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          象のマスクを考える

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          迷子の迷子のAirPods

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          「大いなるもの」 わたしとダイビング

          なんせ毎日海が恋しい。 初めてダイビングを経験してから5年経つが、こんなに海水に浸からなかったのは初めてである。 乾燥わかめの気持ちがわかる。 わたしを海につけてほしい。 毎日信じられないほど暑い。 なのに、海には行けない。 日に15分ほどしか外を歩かないのに、首元がくっきり焼けている。あまりの悲しみに日焼け止めを塗る気力が失せたせいだ。 淑女としてはあるまじき焼け方である。 しかし、海に行ったが故の日焼けではない。それが尚更わたしを切なくさせる。 元々趣味のなかったわ

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          お洒落の目覚め

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          かわいい風景

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          きょうの一コマ

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          短歌がよめないこと

          自治体のサイトを見、検温するのが朝のルーティンになって2ヶ月。 第一線で働いている人、インフラや物流に携わる人、そのひとたちを支える製造業、働く人たちの家族。我慢や不安に苛まれながら、みんながみんな、それぞれの現場で踏ん張っている。 わたしはわたしで自分のフィールドを守りながら日々暮らしているわけだが、この2ヶ月で短歌がよめなくなった。自分で詠むことも、他の人の短歌をよむこともできなくなった。 この日々のことを歌にしたくない。わたしが感じる不安や失望や、そんなものは他の

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          ダイビングが好きなわけ

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          「卒業」のはなし

          1.卒業式とわたし どうにも、「卒業」というものと巡り合わせの悪い星の元に生まれたらしい。 小中のときは友人関係の構築が今以上に下手くそで、ひたすらに辛い学校生活を送っていた。 下手くそなら下手くそなりに、女子同士の友情に見切りをつけて一人で楽しむ方法を考えればいいものを、「友達の多いキラキラした生活への憧れ」を捨て切れずぶちぶち過ごしていたのだから、そりゃあ孤立もしよう。 小学校の卒業式もひとりだったし、中学校の卒業式もひとりだった。 なまじっか目立つこと(ずっと学

          「卒業」のはなし