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うっかり目的地を40キロ通り過ぎてタイの山奥で野宿の覚悟をしていたら、タイの人が泊めてくれた話。

こんにちは、あゆみ(@ayumiueda_)です。

今日は前回のノート

「タイでケガをしてエマージェンシーに搬送され、海外で人生初手術をした話。」

の続き。

足をケガして、この時はまだ松葉杖もなく片足ケンケンで、何とかバスの席をゲットして瞑想修行のため更に山奥のお寺へ出発した私ですが、トラブルはここで終わりではありませんでした。


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ケガをしたタイの山奥の町パーイから、午後2時半発のメーホンソン行きのバスに乗った私。

その3時間後、特に問題なく目的地へ到着したかの様に思われました

しかし、到着した場所に降りると、想像と違う、何もない田舎のだだっ広いバスターミナル。

バスドライバーに、「お寺のワットタンムアに行きたいんだけど。。。」と言うと、周り中のタイ人たちが苦笑いして顔を見合わせます。

お兄さん達が言うには、そのお寺は40キロ前に通り過ぎた、とのこと。


私はてっきりメーホンソン行きのバスに乗れば連れてってくれると思っていたけれど、公式サイトの英語のアクセスの説明文を読み切れておらず、パーイとメーホンソンの真ん中辺りで途中下車しなくてはいけなかったのでした。。。

時間は夕方5時。

今日はもう戻るバスはないから明日ね〜と言い、バスドライバーや他のお兄さん達はそれぞれ散っていき、私ひとりが夕方のタイの何もない山奥のバス乗り場に取り残されました

こういう時、フィリピンだったらきっとみんな他人事と思えずに、私がちゃんとどうにかなるまで見守ってどうにか助けてくれようとするんだろうなぁ〜と、急にこの間まで2年半暮らしていたフィリピンが恋しくなりました。

決してタイ人が優しくないんじゃなくて、フィリピン人ってそういう感じ。(私が今まで出会った人の統計データだけど。優しさの種類が違うという感じ)


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やると一度決めた事はやらないと気が済まない私なので、何としても今日中にお寺へ行ってやる!と思いましたが、さすがにこの距離をタクシーで行くお金はなく、ヒッチハイクをするには車の通りが少なすぎ、明らかに諦めざるを得ない状況でした。

そのバスターミナルは本当に何もなく、売店もないのでお腹が空いても食べるものもありません。

ケガさえしていなければ、町に出てどうにか泊まる場所も探せたと思うけれど、バス乗り場を出るだけでも数百メートル歩かなくてはならず、このケガでそんな距離を歩く気力はありません。

シャワーも諦めて野宿の覚悟を決め、一晩過ごせそうな場所の情報を得るため、人のいそうなチケット売り場へ行きました。

その受付には男の子がいて、事情を説明して一晩バスターミナルのベンチにいてもいいかと聞くと、ここは夜9時で閉まってしまう、との事。

まぁ人がいない時間なら外のベンチにいられるか、と思い、とりあえず閉まるまでは中のベンチにいさせてもらう事に。

旅中常に持ち歩いているクラッカーを食べて、疲れてそのまま寝かけていると、さっきの受付の男の子がやってきて「夕飯食べるけど食べる?」と誘ってくれました。

泣きそうになりながら、ありがたく受付の部屋の中に入れてもらい、美味しいローカルフードを少しだけ分けてもらいました。

受付の部屋には、その男の子ともう一人女の子がいて、女の子は英語がほとんど話せず、スマホでgoogle翻訳を使って会話しました。

そしてなんと、その女の子が「今夜泊まる場所がないならうちに泊まる?」と申し出てくれたのです。

こんな見ず知らずの会ったばかりの困っている私を、何の見返りもなくナチュラルに泊めてくれる彼女の行動を見て、私は仏教の祝日の日にチェンマイのお寺で見た、たくさんの人たちがそれぞれ寄付の大量の食べ物を屋台で配っていた光景を思い出しました。

今までフィリピンにいたので、キリスト教の人々の優しさ、考え方を見て学んできたけれど、仏教の人の当たり前の考え方はこういう事なんだな、と改めて感じた出来事でした。

そして、その日はありがたく泊めてもらう事に。

彼らの仕事が終わるまでそのまま部屋の中で待ち、9時になると女の子はバイクで家に向かい、車通勤の男の子が私を女の子の家まで送ってくれました。

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そして着いた女の子の家。

女の子2人でルームシェアをしていて、もう一人の子も英語は話せなかったので、片言のタイ語で挨拶とお礼だけ言いました。

そこは両隣とくっついた一階建てで、1つの部屋と、その奥にこじんまりとしたキッチン、シャワールームがあるつくり。

シャワールームにはシャワーはなく、大きな桶に溜まっている水を洗面器ですくって流すタイプ

ケガした足の消毒に時間がかかりつつ、体を洗える幸せを噛み締めながら使わせてもらいました。


寝るときは、マットレスの上に3人川の字になって寝ました。

風通しのいい部屋で、とてもとても気持ちよく、すぐに眠りにつきました。

今でもあの部屋のマットレスに横になっていた時の心情を思い出すと、「風が気持ちよかったなぁ」という心地いいイメージが浮かんできます。

タイの田舎のローカルな暮らしの中にいることが不思議で、巡り合わせでこんな経験をさせてもらっている事を幸せに感じていました。


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翌朝。

私のバスの時間、そして彼女らの出勤時間に合わせて起き、また男の子が車で迎えに来てくれて、メーホンソンのバスターミナルへ。


そして、今度こそ瞑想寺ワットタンムアへ向けてバスで出発したのでした。

バスの隣の席には、バンコクで大学教授をしているというタイ人の中年女性。

甥がメーホンソンで働いているので会いに来ていて、その後私と同じくお寺へ瞑想修行に行くところらしく。

彼女はお寺のリピーターで、以前にも瞑想修行をして、とてもよかったのでまた来たとのこと。

いろいろとお話を聞くにつれて、期待が高まっていきました。


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ケガしたてで自業自得で困った状況になり、一時はなんでこんなにトラブル続き何だ。。。と思いましたが、やはり大体どうにかなるものですね。

逆にそんな予定外の状況になったからこそ、タイの田舎の暮らしを体験させてもらう事ができ、特別な旅になりました。

このメーホーソンのバスターミナルでお世話になった2人には今回は何のお返しもできなかったので、必ずまたメーホーソンへ行き、彼らに会いに行こうと決めています。

次は、この時世界で一番欲していた松葉杖をたまたま奇跡的に人から譲り受けた、瞑想修行について書きます。


ではでは。

あゆみ


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