Uber の運転手(1)

(2017年、夏)
LA でホテルから空港に向かう Uber の運転手はキューバ出身の女性だった。だいたいにおいて、女性のドライバーは話好きな人が多い。彼女もそうだった。LAに来てまだ2年くらいしかたっていないんだとか、LA に来る前は New Jersey にいたとか、キューバ出身といっても自分の家系はスペイン出身だとか、いろいろ話をしてくれた。

キューバ料理は美味しいのよ、食べたことあるかしら?彼女は聞く。私はフロリダあたりで食べたキューバン・サンドイッチのことを思い出したのでそのことを話した。キューバン・サンドイッチは映画”Chef”(日本語タイトル「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」)という映画の中でクローズアップされているサンドイッチだったこともあって、なんとなく他に知らないのか?と思われそうな本当のキューバ料理を知らない感丸出しの答えであったが、彼女は私をキューバに親近感があると認定してくれたようだった。キューバン・サンドイッチ、美味しいわよね〜、親戚の叔母さんが作ってくれるサンドイッチが最高だったわ。

車は Prius なのだが、それは Uber からのリースだということだ。そういえば Uber/ Toyota の提携でトヨタ車をリースプランで Uber ドライバーに用意するというのがあるのだ。そして、彼女は Prius は非常に燃費がよく運転もしやすくて素晴らしい、車が買えるくらい裕福になったら Prius を買いたい、といっていた。それから LA の交通機関がデタラメだ、という話になった。

LA に来てしばらくは公共交通機関をつかって仕事に行ったりしたこともあったがバスの時間とかデタラメで、ある日バスの運転手に「今日は50分遅れだったね、なんかあったの?」と心配する風に丁寧にきいたら「そこに書いてあるのはスケジュールじゃなくて、単なるサジェスチョンだ、別に遅れたわけじゃねえ」と逆ギレされたという。彼女はそれを聞いて、この街のバスは本当に駄目だ、と痛感した。彼女はいう、それは交通渋滞に巻き込まれることもあるわよ。でも私が New Jersey にいたときは Manhattan に近いエリアであらゆる公共交通機関が頻度高く運行されており、それほど遅れもなく便利だったの。

正しい人間は時間を守りますよ、彼女は言う。時間に遅れたことがないのが私の誇りです。教会で Teaching したりするときも子供たちには時間にきっちりしていることの重要性を強調するのよ。私は歴史や古い建物が好きだから一度日本には行ってみたいわね。その前に LA のダウンタウンにある Little Tokyo の日本博物館にいって勉強しないとね。よく前を通るのだけど入ったことはまだないよ。インターナショナル・ターミナルにつければいいの?飛行機会社は何?あなたはこれから東京に行くの?え?11時間も飛行機にのっているの?本はたくさん持った?11時間もあればたくさん新しいことが学べていいわね。Have a nice trip!

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