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行ってきます

小沢健二のライブに行ったのはもう1年以上前のことだった。

私がライブに行くのは人生で2度目で、一度目が奇妙礼太郎と柴田聡子のツーマンで、場所もWALL&WALLのせいぜい100人キャパくらいなのでかなり柴田聡子を間近に感じた。

今回は小沢健二で、パシフィコ横浜の国立大ホールなので照明の演出もすごいし、バンドメンバーも30人くらいいた。

『薫る』のイントロに乗せてバンドメンバーが紹介されたり早口で『アルペジオ』のセリフ部分を早口で言ってたり、わくわくした。バンドメンバーにいた人が知久寿焼?と思ったがよく見たらぜんぜん違う人で帽子だけ似ていた。


ボーダーシャツを着ている人が多く、その人たちのほとんどが物販のために3時間前くらいから混んでいて、驚いたけど羨ましくもあったので、根気があれば買っても良かったかもしれないと思った。入場待ちで並んでたら息子と奥さんが来ていてびっくりした。

4000円の双眼鏡を事前に持っていったのだけど一緒に行った人に渡したほうがレンズがおかしくて、右目のピントが合わなすぎて、左目のピントは合いすぎていた。

双眼鏡ごしに小沢健二の表情を見ると、愛し愛されて生きるのさのときの感じがたまにあって懐かしい。シワも増えて少し太って、おじいさんに近づきつつ、それは柔和という意味で…昔のオザケンは無邪気で掴めない感じがあったけど、今はなんかどっしりと人間らしくなった気がした。

思っていたよりかなり振り付けがあるので足を挫いた。でも、私の中にずっとあった小沢健二がみんなの中にもあって、みんなが歌ったり踊ったりはしゃいだりしてるのはやっぱり嬉しかった。


小沢健二は「聞こえるよ」と何回か言ってて、やっぱり結局嬉しかった。ずっと私たちって、関係ないのかなと思ってたから…

なんか、本人も、自分と同年代の大人が聞いてくれたこと、それで子どもを連れてきたりしてくれること、親が聞いてて若い人が来てくれたこととかを、大切そうに嬉しがっている感じがして、それも嬉しかった。



その日の日記は、「ちょっと前より明るくなった気がする」で終わっていた。





定期券は8月9日で切れる。

駅までの街路樹には虫コブが大量にある気持ち悪い木があって、誰か切り倒してくれないかと思う。

仕事を頑張ろうと思っていたけど、会社の人の顔を思い浮かべたらなんか嫌な気持ちになった。

目の前を歩いているおばあさんが、歩きながら何度か立ち止まって、斜め上を見ては、空に向けて手を降っている。誰かと手を振り合っている。

私が思っているより、ずっと…と思う。

昔聴いていた曲を聴いて、もうそこには行けないことを考える。




髪でも、切ろうかなー



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