見出し画像

保育士からスナックのマスターに。「人との出会い」で人生が彩る場作りを|橋本泰平の言葉

週末インタビューの企画、第6弾は
新潟県三条市に今月オープンしたばかりの
空き家を使ったスナック、
「秘密基地スナック empty house」
マスターの橋本泰平さんにお話を聞きました。

** 橋本 泰平(はしもと たいへい)**
Twitterinstagram
1996年生まれ。新潟県三条市(旧・下田村)出身。元保育士。2018年9月から月に一度、空き家を使ったDJイベントを主催。今年度からは保育士を辞め、幼なじみと一緒に「秘密基地スナック」を立ち上げる。元バンドマンでドラマー。人と話すことと音楽が大好き。お昼ご飯はいつもワッフルかサラダだそうです(たくさん食べると眠くなっちゃうから)。

①「“自分はどうありたい?”そう考えられたことが大きかった」友達から刺激を受けて見つめ直した自分の気持ち

昨年度まで、
2年間保育士として働いていた橋本さん。

橋本さんは、お母さんが保育士で、
年の離れた兄の姪っ子や甥っ子の
存在も近かったことから、
昔から子供が大好きで、
橋本さんにとって「保育士になる」ことは
自然な成り行きでした。

そんな橋本さん、
保育士として働き始めた同じ年にある契機が。
地元の幼なじみたちが、
三条市でカフェレストランを立ち上げ、
橋本さんも週末だけアルバイトをすることに。

そこで働く彼らが、
お店を切り盛りしながら
自分のやりたいことに挑戦する姿

間近で見ていて、
橋本さんは刺激をもらっていたそうです。

例えば、故郷の過疎の村に産業を生みたい!
と思って起業した人
や、
フリーのカメラマンになって事業を興した人。
若い世代の挑戦したいことを後押しして
様々なイベントを企画している人
など…。
(↓一番左が橋本さんで、隣は上記の3人)

そんなエネルギッシュな友達に感化され、
「負けてられない。自分も何かしたい。」
と思うようになったと同時に、

「自分はどうありたいんだろう?
自分はどんな保育士になりたいんだろう?」

と、自分自身のやりたいことや
仕事への姿勢を見つめ直すようになりました。

橋本さんにとってこの「自分とは?」
と考えるきっかけは、
とても大きかったということです。

「『自分はどうしたい?』そう思えることが、まず貴重なことだと思うんです。たぶん僕らの世代、就活をして何かの職についても「なって終わり」の人が多いと思う。『自分はこの先どうなりたいか』そう考えられるきっかけを周りの友達からもらって、すごく感謝してます。」

②「人との出会いのおかげで、仕事もプライベートも充実した」音楽イベントを主催して気づいたこと

2018年の夏に、地元三条で
「朝活として空き家を掃除しよう!」
という催しがありました。

これが橋本さんにとって、
大きなきっかけとなる出来事に。

三条市の商店街にあった元スナックの
空き家を朝からみんなで大掃除。
閉店した当時のままで
かびやほこりまみれの店内を、
ボランティアで掃除しました。

掃除をしたことをきっかけに
「せっかくだからこの空き家を
何かに使えないか?」
と考えた橋本さん。

もともとスナックで
防音設備があることなどを活かして、
空き家を使ったDJイベント
開催することにしました。

その名も「empty house」
(直訳すると「空き家」ですね。笑)

県内のDJを招き、
市内外の若い世代を集めました。
保育士の仕事をする傍ら、去年の9月から
月に一度イベントを開催していました。

音楽を楽しんでもらうのはもちろん、
橋本さんのこだわりは「来てくれた人と
話ができる場所にしたい」
ということ。

狭いスナックを使った場所だからこそ、
「人との出会いや会話を楽しんでほしい」
という思いがありました。

自分が主催していたイベントを通して
多くの人と出会い、関わり、
自分自身にも気づくことが…。

「楽しいことが増えたり、学びがあったり、誰かとの関わりが自分の人生にたくさんのヒントをくれました。『人との出会い』によって、自分の仕事もプライベートも充実してきたんです。」

人と出会い、学んだことを活かし、
保育士の仕事も
以前より頑張れるようになったのだそう。

そしていつしか
人との出会いによって毎日が楽しくなるような、
そんなきっかけ作りができる環境

自分でも作りたいと思うようになりました。

③「お客さんの人生をカラフルに彩る、そんな場作りがしたい」スナックマスターとしての挑戦

そこで今年度から、
今までDJイベントで使っていた空き家を
さらに改装し、幼なじみの中川さんと一緒に
お店をオープンすることにしました。

お店の名前は、
「秘密基地スナック empty house」

完全会員制のスナックで、住所は秘密。
月額1万円で、1ヶ月飲み放題ができます。

(ちなみに今だけSNSからメッセージを
送れば特別に入店できるそうです!)

知る人ぞ知る特別な空間。
あえて「狭く深く」のコミュニティを
作ることには橋本さんの想いがありました。

「この秘密基地スナックに来て友達が増えて、楽しいこと・頑張れることが増えることで、来てくれたお客さんの人生がよりカラフルになればいいなって思うんです。」

秘密基地スナックで
人との関わりが深まることで、
「自分らしくいられる場所」
一人でも多くのお客さんに提供したい。

そんな場所があることで、
三条の人たちにとっての、
「三条でのもうひとつの遊び方」
提案したい、という想いがありました。

オープンしてまだ2週間も経って
いませんが、会員数は増加中。
「会員ではないけど行ってみたい!」
という声も多いということです。

④「好きなことに挑戦する理由は、自分の“軸”に気づくため」いまはまだ自分探しの途中

保育士をしていた身から
スナックのマスターへの転身。

「夜の仕事をするの?!」という
周りから驚かれたり反対されたりする声に、
一時は思い悩んだこともあったそうです。

でも、自分がわくわくしたからこそ
飛び込んでみた新しい世界。
そこには橋本さんの信念がありました。

「好きなことをする大事さって『自分の軸』に気づくためだと思うんです。自分はまだ『本当にやりたいこと』を探している途中。でも、100%の気持ちでできるこの秘密基地スナックを続けることで、きっと新しい何かが見えてくると思ってます。」

60%じゃなくて、100%の熱量で
できることをやって初めて、
「こんなに好きなことを続けられるのは
どうしてなんだろう?」
と自分に問える。

だからいまは、
好きなことを全力でやることで、
未来の自分のためになる「自分の芯」を
見つけている途中
だということです。


ただ、ひとつだけ、橋本さんは
将来の自分に確信してることがあるそう。

それは、どんな形であれまたいずれ
「子どもたちと関わりを持つ」ということ。

「保育士」をやめたことで
子どもたちと関わる機会は
一旦終わってしまったけれど、
また違う形で子どもと携われる仕事がしたい

そのためにもまず、
今後は「秘密基地スナック」のようなお店を
増やし、人や地域を豊かに、幸せにすることで
「子供たちに堂々と胸を張れるような存在に
なりたい」
ということです。


秘密基地スナック empty house
マスター、橋本泰平。

心あたたかい彼のお店は、
ほっとできて、わくわくして、
遊びに行くうちに人生が彩られるような、
そんな場所。

いまは自分探しの途中でも
スナックや子供との関わりを通して、
きっと三条という地域を豊かにしてくれます。


〜あとがき〜

たいへいちゃん(と呼んでいる)のお店にはもう2回くらい遊びに行きました。この前は女子ふたりの恋愛相談を親身になって聞いてくれたし、お酒も飲み干す前に「次はどうします?」って気をきかせてくれるし、聞きたい曲をかけてくれるし笑、本当にやさしい!のです!「スナックのマスターが天職なのでは?」と思うくらい、たいへいちゃんって相手の気持ちになって物事を考えてくれたり、そもそも人に興味を持っていろんなこと聞いてくれる、あたたかい人です。話してるとたくさんうれしい気持ちになる。だから当然会いたくなるし、スナックに行きたくなりますよね。
今回の取材はちょっぴり新感覚で、たいへいちゃんのまだ外に出てない「想い」をいっこづつふたりで協力しながら、掘り起こしていく感覚がありました。そしたらたいへいちゃんが「ここまで自分の言葉で話させてもらって幸せです。自分に気づけた気がします。」って言ってくれて、本当にうれしかった。たいへいちゃんはこんな風に素直に思ったことを伝えてくれる鬼素直な子で、本当にかわいい弟のようです。保育士の話で印象的だったセリフがあって、こども相手だからって上から目線なんじゃなくて「2歳児とはいえ、対等な人間関係だと思うんです。」って言ってたところがとてもかっこよかった。そんなたいへいちゃんだからこそ、誰に対しても思いやりや愛情が深いんだなあと思いました。
そんなたいへいちゃんの秘密基地スナック、本当に素敵で楽しいところなので、ぜひ行ってみてほしいです!心優しく気さくなマスターと、元気でハイテンションなオーナーが迎えてくれます。興味のある方はわたしと一緒に行きましょう!笑

2019/04/11


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?