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今は無き「下田村」の村長に。大好きな故郷をずっと住みたいと思える街にする|今井将智の言葉

第三弾の今回は、
新潟県三条市にあるカフェレストラン
TREEの店長でありながら、
株式会社下田村の代表取締役"村長"である
今井将智さんにお話を伺いました。
社長ではなく村長なのがポイントです!

「TREE店長」としてのエピソードも
いろいろ書きたいところですが・・・
今回は「村長」である今井さんを紹介します。

今井 将智(いまい まさとも)
Twitterinstagram
1992年生まれ。新潟県三条市(旧・下田村)出身。通信制の高校を卒業後、県内の企業で6年間営業として働く。2年前に仕事を辞めてTREEの立ち上げメンバーとしてお店を切り盛りし、2018年12月に起業して株式会社下田村の村長(社長)になる。好きなものはお酒。チャームポイントは柔らかい唇、だそうです。

①「地元“下田”の村長になりたい。社長になれば村長になれる?」周りの心を動かした故郷への純粋な思い

TREEの店長として働く今井さん。
TREEはカフェレストランでありながら、
地域の交流拠点のような場所です。

昔から人と関わるのが好きで、
TREEをきっかけに様々な人と出会い
たくさんの地域交流があったことから、
いつしか自分でも
「もっと地元に貢献できることがしたい」
と思うようになったそうです。

そんな今井さんは、
三条市の旧・下田村(しただむら)の出身。
2005年に合併して、下田村はもうありません。

自分の育った「村」の存在がもうないことが
悲しくも、大好きな故郷「しただ」に
今から何かできることはないかと考えました。

そこで今井さんが思いついたのは、
自分が下田村の村長になるということ。

「自分が下田の村長になればいいんだ!と思って、村長になるにはどうしたらいいんだろう?って考えたんです。そしたら、代表取締役社長の肩書きって『社長』の部分がなんでもいいらしいから、僕は株式会社下田村を作って村長になろう!と決めたんです。」

そこで、去年の夏。今井さんは、
自分で会社を立ち上げることを決めました。
でも、株式会社って法人の登記に
25万円ほどのお金がかかるんですね。

今井さんはどうしたかというと…
登記の25万を集めるために、
SNSで出資者を募集しました。

結果、目標額の25万は
たったの1日で集まって、
さらには出資者募集の5日間の中で、
総勢90人の出資者から
なんと100万円が集まった
のです。

形はクラウドファンディングだけど
専用サイトなどのサービスを使わないで、
今井さんはinstagramやFacebookという
個人のSNSだけで100万円を集めました

ただ「カフェをやりたい」
「ゲストハウスをやりたい」だけだったら
こんな風にはならなかったと思うけれど、
「下田のために」という強い志があったから
周りの心を動かすことができたのかなと、
今井さんは話していました。

②「理想はどうぶつの森!」いろんな事業を興して人を集められる村長に

村長になり、
今井さんは新規事業を準備中です。

これから始まる事業のひとつが
下田の古民家を使った「ゲストハウス」
4月下旬にオープン予定で、
下田でゲストハウスができるのは
これが初めてだそう。

下田にあるスノーピーク嵐渓荘などの
楽しいコンテンツを紹介できる、
窓口のような場所にしたいということです。

ふたつ目は「ホームページ作り」
「下田」って検索するといつも
静岡県の「下田(しもだ)」が出てくるのが
今井さんは悔しいらしく・・・笑

下田には何があるのか、どう楽しめるのか、
そんなことが一目でわかるようなHPを
いま準備中とのことです。
(↓下田の紅葉と今井さん)

これからも
色々な事業を展開していくようですが、
それには村長として
今井さんなりの「モデル」がありました。

「昔、どうぶつの森ってゲームが大好きだったんです。村長が主人公で、村の住人を増やしていくゲーム。いま自分がしてることってあれとほぼ同じ。“どうぶつの森の村長”みたいなことができるようになりたい。」

③「タイで水すら買えなかったからわかる。やっぱり下田が最高!」旅が教えてくれたこと

とにかく下田が大好きな今井さん。

「どんなところが好きなんですか?」と聞くと
「え~、みんなが言ってるから、
たぶん自然豊かなところかなあ?」

「どんな時好きって思うんですか?」と聞くと
「みんなから下田って良いところだよねって
ほめられたとき~!」
という・・・

なんともゆるい愛な答えが返ってきました。笑

そんな今井さんの下田を愛する気持ちを
改めて大きくさせたのは「旅」

国内や国外を一人で旅して、
いろんな場所に行って、いろんな世界を見て、
いろんな人に会って、いろんな価値観に触れる。

それが自分の肥やしになると同時に、
改めて「下田」を見つめる
きっかけにもなっていました。

最近はタイに行ったらしいのですが、
タイ語も英語も話せないから、今井さん
現地人にずっと日本語で話していたんだって。
(「おまえがわかれよ」という
なんとも強めな今井スタイル。)

お水を買いたいだけのに、
言葉が通じないから全然買えなかったそう。
そんなタイで思ったこと。

「水道からひねった水も飲めないし、水を買いたいのに言葉が通じなくて買うことすらできない。そもそもお店の人が信頼できなくてこわい。でも、タイでこんな世界を味わったからこそ、下田のきれいな自然、おししいご飯に水、信頼できる友達最高!!って思えた!!」

今井さんにとって旅は「学び」

来年はもっと旅をして、
その中でほかのビジネスモデルを見て
それを下田村に落とし込んでいき、
どんどん下田村をアップデートしていきます。

④「下田の子供たちが一生ここにいたいと思えるような環境を作る」自分が彼らの“将来の夢”になる

(株)下田村にはコンセプトがあります。
それは、
「下田のこどもたちが100歳まで生きたいと
思える豊かな環境を作ること」

下田は自然豊かな素敵な場所だけれど、
大人になれば「下田には何もない」と言って
出て行ってしまう人がほとんどです。

その原因はきっと、働く場所がなかったり、
表現する場所がなかったりするから。

だから今井さんは自分が村長になることで
自然だけではなく「産業」も豊かな下田
作りたいと考えています。

「下田に産業を生んで、下田に生まれた子供たちがかっこいいなって思える仕事を作ったり、ここにいたいと思える居場所を作ります。僕らが下田の子供たちの『将来の夢』になる。」

今井さんは、現在準備中の事業のほかにも
小学校で講師として話したり、
食育セミナーを企画したりもしていて、
「村長」の活動の幅を広げています。


株式会社下田村の
代表取締役村長、今井将智。
ふるさとへの愛と、
「自分が下田を変える」という強い志で、
これからも下田の未来を切り開きます。


~あとがき~

今井さんって普段の声も大きいんですが、気持ちがこもると2倍くらい声のボリュームが上がるんです。すごくわかりやすい。あと今井さんはあんまり「〜したい」って言わなくて「〜する」って言う。特に下田村の今後の話では「おれが●●する!」って感じで、絶対に願望じゃなくて断定のセリフなんです。「その自信どこからくるの?」と聞いてみたら「わっかんねえ!」って笑ってました。その根拠のない自信がなんだかまぶしかったし、頼もしかった。
女子的フィルターで申し訳ないんですが、今井さんって漫画「花より男子」に例えると圧倒的に「道明寺司」だなあと思います。末っ子でわがままで、突拍子もないことを言い出すリーダー。でも義理人情に厚くて友達が大好き。こだわりが強い完璧主義で、言ったことは最後までやる!な人。でも「酒とタバコと女にはこだわりがない」そうで笑、それを豪語してるのもなんだか「昭和の男」って感じで、すごく清々しい人だなと思いました。 良い意味で自分を貫いてる。
取材中で一番印象に残ってる今井さんの姿は、土手で撮影した帰りに「のど乾いたけどお財布置いてきちゃったね」って2人でなってたところ、今井さんが突然「ぽっけに200円あった!!!」と叫び出し、テンション爆上げで嬉しそうにネクターを買ってた瞬間です。ただの少年でした。(わたしにはレモンスカッシュを買ってくれました)そんな「少年まー君」の姿を見て、これが今井さんがみんなに愛される所以なのだなと思いました。これからもみんなの愛され村長でいてください。

2019/02/26

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