TYPE& 2018 レポート

「デザインを上手になりたいなら、まずタイポグラフィを学べ。」

10年ほど前、宣伝会議のアートディレクター養成講座(通称・ARTS)に行った際、いろんな講師の方々がこの言葉を口にしました。水野学さん、葛西薫さん、古平正義さん、などなど。実際、朗文堂というタイポグラフィスクールで学んだところ、デザインを飛躍的にキレイに、かつスピーディに仕上げられるようになりました。それは思考の整理ができたからなんだと思います。それからというもの、僕はタイポグラフィの情報に関してアンテナを張るようになりました。

そして今回!行って来ましたTYPE& 2018!

そもそもTYPE&って?という方はこちら

詳細な内容は本体サイトに掲載されると思うので、あくまでここではtype&自体に興味を持ってもらい、本体サイトへと誘導するべく、ざっくりした内容と主観による感想を掲載しようと思います。行けなかった人は来年ぜひ!

Day1-1 文字を中心にユニバーサルデザインを考える

ユニバーサルデザインの文字とは何か? アン・ベセマン氏、高橋貴子氏による視覚伝達である文字、それぞれの経験をもとに、低視力の人にあった文字デザインについてお話しいただきます。

アン・ベセマンさんは低視力の子供に向けに「徹底的に科学的検証」をし、Matildaというフォントを10年かけて制作中。そろそろリリースされるとのこと。

高橋貴子さんは同じく低視力の人々に向け、ユニバーサルデザインの啓蒙活動を実施。ユニバーサルデザインが必要な際は、こちらのカラーガイドが役に立ちそうに感じました。

両者の話から僕が受けた印象は、「ある程度抑揚のついたフォントの方が低視力の人には読みやすいのでは?」というものでした。アンさんはその辺りを科学的にゴリッゴリに調べてます!話の大半もここでぼくは何度か睡魔に…いや!なんでもないです!
高橋さんも和文でテストした際に、漢字とひらがなの仮装ボディに大小の差があった方がいい反応だったとのことでした。

Day1-2 ブランドの声をカタチにあらわすマツダのFONT開発

性能とデザインの両面から高く評価を受けているマツダのクルマ。とことん追求されたマツダデザインのための「書体」とはどのようなものだろうか? マツダのブランドスタイルを担う3名様をお迎えし、プロジェクトを始動するきっかけとなったエピソードをはじめ、書体となるまでの開発プロセス、平面にある文字のデザインを立体である造形へと変化させるための考え方やアプローチ方法など、プロジェクトを担当したMonotype タイプディレクター小林章と一緒にクルマのデザインと文字の繋がりについて紐解いていきます。

MAZDAのコーポレートフォントの裏側の話を聞けました。セリフとサンセリフの中間である「Optima」をベースにMAZDAブランドのあり方や、自動車デザイナー独特の視点がとても面白かった!

重心を下にし「安定」を表現したり、払いを伸びやかにして「躍動感・スピード」を演出したり、わずかな凹みをあえて切り落とすことで「精緻さ」を表したりなど、超細かい部分にまで徹底的にこだわっていたのがとても印象的でした。自動車デザイナーほどカーブにこだわる人たちはいないんじゃないかなー?という印象を持ちました!

Day2-1 カスタムフォント海外事例

Domino’s Pizza(ドミノ・ピザ)のために開発された組み合わせ自由自在なモジュール式マルチレイヤーフォント。フアン・ヴィラヌエヴァ氏によるドミノピザに向けて制作したカスタムフォントの事例をメインに事例をご紹介。

スピーカーはNoto sansやDomino’s pizzaのフォントを手がけた方、ファンさん。Domino’s pizzaの欧文フォントが、マーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー素晴らしいフォント!!!>< 超好みのフォントです。しかもこれ、REGULAR(レギュラー), INLINE(内側の細い線), FILL(塗り), OUTLINE(アウトライン), SHADOW(影), ANTIQUE(線状の影)というレイヤー構造を持たせることで制作時間を劇的に減らせるという、実務的にも効果を発揮するフォント!見せたいけれど写真の掲載はアレがナニになるんで、、本体サイトで見てください!

Day2-2 欧文書体のセオリー・最新トレンドについて

欧文書体の幅広い知識を持つマリーキャサリーン・フルーグ氏によるあれこれをご紹介。後半は和文・欧文に見識があるAkira Yoshino氏を迎え日本という視点でフリートークを行います。

前半は初心者向けのセオリーから

・OTFとTTF
・オルタネートとリガチャ
・オブリークとイタリック
・スモールキャップとロウワーケース
・数字のオールドスタイル・ライニング・等幅
・カーニングとスペーシング

の話。以降はAkira Yoshinoさんとのセッショントーク。で、早速取り上げられたのがこちらの交通違反のチケットを模した、「タイポグラフィ違反チケット」。内容はというと「むやみにHelveticaを使う」だとか「ダブルクーオーテーションではなくストレートクオーテーションを使う」といったあるあるネタ。この流れで小林章さんが「この違反が200ドルなら、オプティカルの使用は銃殺ですね!」とパンチの効いた一言。(ちなみにわかってるとは思いますが、もちろん冗談ですよ!)

そんなわけでこの違反チケット、いい勉強になると思います!(英語ですが。。)

とはいえ、マリーさんからは「間違えたっていいから、楽しんだり、挑戦する姿勢が大事だよね」という寛大な一言もありました。(これを受けて小林章氏は、「銃殺は言いすぎた!くすぐりの刑にします!」と訂正してました。)

最後はお二人のおすすめフォントや、これから流行りそうなフォントの話。(バリュアブルフォントとか)ただ、ものすごい量が多かったので、絞って紹介すると…

・読みやすく、従属欧文までもがキレイ!たづがね®角ゴシック
・ジオメトリクス系サンセリフやハンドライトは未だ人気衰えず!
・セリフ書体も徐々に復活してきつつある
・ファミリーが揃ってる方が人気!

なんてことを話してました!
以上、何かのご参考になれば幸いです! (`д´)ゝ

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HONトFONT

Senior Interactive Designer / Book Coordinatorという珍しい肩書きを活かし、とあるテーマを元に「5冊分をギュッとまとめたブックレビュー」と、オマケに「使えるタイポグラフィの知識」を合わせて書いていこうと思います。さあ、いつまで続け...
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