20221201 #林日記 「ギャルの家にお泊まり」


先日、友人であるギャルの自宅に初めてお泊まりさせて頂きました。



事前に連絡を受けた住所をもとに地図アプリを見ながらギャルの家を目指しましたが、なぜかアプリになるべく人通りの少ない道ばかりを案内されました。街灯が一つもなく、人も車も何も通らない。カサカサと不気味な音を立てる川沿いのそば。永遠に思えるその道を足早に歩き進めました。途中、シャッフルで流れてきたアイナ・ジ・エンドの誰誰誰のイントロが恐怖に拍車をかけてきて、振り払うようにイヤフォンを外しました。夜中に聞く誰誰誰のイントロ怖すぎるので是非皆さんも聴いてみてください。

 しばらく歩き進めると、アプリから新たな指示を受けました。長く薄暗いトンネルをくぐり先へ進めと指示されたのです。私はここで背後から何者かに…?と物騒な想像で頭がいっぱいになりました。さっきまであれだけ「光が欲しい」そう思っていたのに、トンネルの白色灯がやけに怖く、それなら何も照らさないでくれとまで思いました。背後からの強襲はなく、何事もなく通り抜けることができました。

しかしは死の予感は続き、勾配60%ほどの坂を下って進めと案内されました。私はここで足を崩して…?と物騒な想像で頭がいっぱいになりましたが、幼少期からある謎の奇妙な運動神経でなんとか持ち堪え、くだり切ることができました。

(翌朝帰るために同じ道を通りましたが、私が下った傾斜のヤバい坂のそのすぐ手前に緩やかな降る専用道がありました。暗すぎて見えていなかったのです。追い詰められている人間がその時手を差し伸べてくれた誰かからの優しさに気付けず 後からそれを知るような感覚を覚え、それはまるで人生のようだと思いました。)

途中寄ろうと思ったコンビニが実際には更地になっていたり、至る所で確かな死の予感を感じつつも、なんとかギャルと合流することができ、私の顔からは死相が消えたはずだとほっと安心しました。

死相が消えてもなお、奇妙な出来事は色々とありました。

今でもあまり信じられないのですが、ギャルのマンションのエントランスには、滝がありました。エントランスに滝がある物件でお願いしますって探したの?と聞くと、うん。そうだよ。と言っていました。そして続け様にギャルは言いました。中にも滝は続いてんだよ。と。何を言ってるかわからなかったんですが、本当に滝は続いていました。雨の日は増水して大変だそうです。私も次引っ越すときは、滝のある物件にしようと思います。

ギャルは家に着いて早々、アレクサにテレビをつけるよう命令し、Netflixで"マッチングアプリで出会った女性を次々に殺害して行くドラマ"をつけさせ、見ていました。いつもはもっと部屋、片付いているんだよ。と言って眠りにつきました。ギャルの家があと少し遠ければ、私もこの女性たちのようになっていたかもしれない…と他人事ではないとドラマを見て思いました。テレビの背面には謎の水色の間接照明があり、テレビの電源がつくと同時にその照明は怪しく光りだし、ギャルが眠りドラマの再生が止まってからも、その間接照明は光ったままでした。

寝そうなギャルを叩き起こしお風呂を借りるべく、バスタオル借りてイイ?と聞くと、手渡されたのはグレーのバスローブでした。え?普通のバスタオルでいいよ?と聞くと、うん。これが我が家のバスタオルだよ。と言われました。困惑しながらも少し嬉しくてお風呂上がりはバスローブで過ごしましたが慣れないので割とすぐに私服に着替えました。バスローブはふかふかで生地が厚く、「洗濯大変そう。乾くの時間かかるだろうな」と思いました。私の生活への導入の道のりは長そうです。私は乾く時間がとても短くて良いという理由で小さなタオルでいつも身体を拭いています。




ギャルの実家に一度泊まったことがあります。幼い頃からマンション暮らしの私には冬の山奥の一軒家の寒さに耐えられず、夜中「寝たら死ぬ」と思った記憶があります。ギャルの一人暮らしの家も、なぜかすごく冷え込んでおり、人生2度目の「寝たら死ぬ」予感がしました。まだ叶えたい夢や目標があり死ぬことはできないので、なんとか生き延びる為、自身の借金額を唱え不安に打ちひしがれることでなんとか夜を明かしました。

ギャルは昔からの友人で、私は勝手に凄く心を開いているので、何をしても許されると思っている節があります。なので、欲望のまま開けることのできるすべてのドアを開け、中を見るという行為をしました。冷蔵庫にはストロングゼロロング缶と食べかけの焼き鳥がポツンと冷やしてあり、嬉しかったです。あと、コンタクトレンズケースを勝手に持って帰ってきました。何をしても許されると思っているからです。ごめんなさい。

そろそろ手が悴んで文章が打てなくなってきました。私がこのまま眠りにつき息をしなくなったら、これが私の最後の言葉になるのでしょう。

ギャル、サイコー

〜完〜




PS.生きています

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?