kotobuki

博士(メディアデザイン学・慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)。情報科学芸術大学…

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博士(メディアデザイン学・慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)。情報科学芸術大学院大学[IAMAS]産業文化研究センター 教授。著書に『Prototyping Lab』『アイデアスケッチ』など。DIYの祭典「Ogaki Mini Maker Faire」総合ディレクター。

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  • イノベーションマネジメント

    新規事業創出を中心とするイノベーション、およびそのためのマネジメントに関する記事を不定期で投稿していきます。

最近の記事

展覧会「Art for Well-being 表現とケアとテクノロジーのこれから」

はじめに2023年3月12日(日)まで、東京都渋谷区のシビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]にて、展覧会「Art for Well-being 表現とケアとテクノロジーのこれから」が開催中です。 小規模ながら、表現、ケア、テクノロジーのこれからを考える上で重要だと思われる視点を得られる展示になっていると思いますので、ぜひお立ち寄りください。 会場内の展示以下、会場内での展示について、それぞれごく簡潔にではありますが私の視点から紹介します。 表現に寄りそう存在と

    • 〈NFTアート〉への共同ステートメント

      はじめにこの記事は、2022年4月22日より5月1日まで、東京都千代田区の3331 Arts Chiyodaで開催中の展覧会「Proof of X」のイベントの一つとして開催したトークイベントの記録です。この展覧会には、一般的に認知されているNFTおよび〈NFTアート〉とは大きく異なる、先端的な作品が展示されています。かなりハイコンテクストではありますが、期間中の多くの時間帯にアーティストが複数在廊し、直接対話することができます。NFTおよび〈NFTアート〉に期待している方、

      • 「〈NFTアート〉への共同ステートメント」とは何だったのか?[草稿]

        はじめに日本時間で2022年2月20日の夜にWebサイトを公開、同時に署名が始まった「〈NFTアート〉への共同ステートメント」。公開から4日間が経過した時点で34件の署名があり、うち29件で「バッジ」のNFTがmintされている。この他、Webサイトに掲載されたTwitter投稿用リンクからハッシュタグ #NFTアートのステートメント で支持を表明した人々が多数確認でき、作品を紹介するツイートにこのハッシュタグを含めている人も数名いるようだ。 公開されて一週間も経たない段階

        • 「〈NFTアート〉への共同ステートメント」が公開されました

          2021年11月19日に開催したオンラインイベント「〈NFTアート〉の可能性と課題」での議論をきっかけにはじまった、「〈NFTアート〉への共同ステートメント」プロジェクト。多くの方に参加していただいた約3ヶ月間の議論と準備を経て、2022年2月20日の夜にWebサイトを公開、同時に署名が始まりました。 ここまで一緒に取り組んできた起案者チームのみなさん、ゲストとして公開ミーティングに参加していただいた伊東さん(第3回議事録)と永井さん(第4回議事録前篇・後篇)、Discor

        展覧会「Art for Well-being 表現とケアとテクノロジーのこれから」

        • 〈NFTアート〉への共同ステートメント

        • 「〈NFTアート〉への共同ステートメント」とは何だったのか?[草稿]

        • 「〈NFTアート〉への共同ステートメント」が公開されました

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          15本

        記事

          『〈NFTアート〉への共同ステートメント』公開レビュー中です

          2021年11月19日に開催されたオンラインイベント「〈NFTアート〉の可能性と課題」での議論において、〈NFTアート〉に関する態度をステートメントとして表明すべきなのではないかというアイデアが生まれ、議論を継続するためのコミュニティとしてDiscordサーバーを作成しました。 このステートメントは、〈NFTアート〉の黎明期において、〈NFTアーティスト〉たちがどのような態度で取り組んでいるかを表明すると共に、今後大きな問題が起きた時のために記録することを目的としています。

          『〈NFTアート〉への共同ステートメント』公開レビュー中です

          #NFTアートのステートメント を考え始めてみようという会:第3回議事録(後篇)

          (前篇から続きます) 論点2高瀬:草案はコミュニティという言葉を使っていたんですけど、1対1的な作品の場合にはコミュニティとは呼ばないので、どういう表現を盛り込んでいくべきなのかが論点2で議論をされたんですけど、ここは何かありますか? 小林:アイデアとして出していただいたものを共有します。この部分はステートメントの中で「コミュニティと誠実に向き合う」と書いた部分なのですが、GitHubでお二人からアイデアをいただきました。一人目の方からは、コレクター、ホルダー、サポーター

          #NFTアートのステートメント を考え始めてみようという会:第3回議事録(後篇)

          #NFTアートのステートメント を考え始めてみようという会:第3回議事録(前篇)

          ・日時:2022年1月12日(水)21時〜23時 ・参加者:加藤明洋、小林茂、高尾俊介、高瀬俊明、永井幸輔(50音順) ・議事録作成:小林茂 導入高瀬:NFTアートのステートメントを考える会の第3回、よろしくお願いします。いろいろな方とディスカッションを深めていきましょうということで、永井さんにお越しいただいてます。永井さんよろしくお願いします。初めての方もいらっしゃるかもしれないので、自己紹介をお願いします。 小林:情報科学芸術大学院大学[IAMAS]の小林です。本日も

          #NFTアートのステートメント を考え始めてみようという会:第3回議事録(前篇)

          #NFTアートのステートメント を考え始めてみようという会:第2回議事録

          日時:2021年12月28日21時〜22時半 参加者:伊東謙介、加藤明洋、小林茂、高尾俊介、高瀬俊明(50音順) 議事録作成:小林茂 導入加藤:この「#NFTアートのステートメント を考え始めてみようという会」は、2021年11月19日に開催した「〈NFTアート〉の可能性と課題」というイベントから派生しました。いま、いろいろな〈NFTアート〉が生まれ、「〈NFTアート〉は詐欺だ」などいろいろなことが言われています。そうした中で、アーティストやクリエーター側としてのステー

          #NFTアートのステートメント を考え始めてみようという会:第2回議事録

          #NFTアートのステートメント を考え始めてみようという会:第1回議事録

          この記事は、2021年12月16日にTwitter Spacesで開催した会議の議事録です。 参加者:高瀬俊明、高尾俊介、加藤明洋、小林茂 議事録作成:小林茂 小林:2021年11月19日に開催したイベント「〈NFTアート〉の可能性と課題」で、高尾さんと加藤さんから話題を提供していただいたことにより、〈NFTアート〉に関わる人々が考えていることに触れることができました。そのイベントと前後して、乱暴に要約すると「〈NFTアート〉は詐欺なのでは」という言説を見かけるようにな

          #NFTアートのステートメント を考え始めてみようという会:第1回議事録

          イーサ(ETH)を持っていなかった人が、OpenSeaでNFTをオファーするところまでの記録

          きっかけとなったのはこちらのプロジェクトでした。これは面白そうだ、と思ったものの、この時点ではイーサ(ETH)を持っていなかったため、ゼロから始めることになりました。 最初に用意したのはETH用のウォレットです。今回は、Chromeの拡張機能で使用できる「MetaMask」を選択しました。 MetaMaskのWebサイトにアクセス、[Download Now]ボタンをクリックし、次に表示される画面から「Install MetaMask for Chrome」を選択してCh

          イーサ(ETH)を持っていなかった人が、OpenSeaでNFTをオファーするところまでの記録

          『岐阜イノベーション工房(仮称)』暫定版

          2018年度より取り組んでいるプロジェクト「岐阜イノベーション工房」に関する成果報告会を2021年3月25日に開催いたしました。この会では、2020年度に参加した3社、2018・2019年度に参加した3社から、いずれも力の入った発表がありました。詳細については、またあらためて報告したいと思います。 このイベントにて『岐阜イノベーション工房(仮称)』暫定版を配布しました。この小冊子は、岐阜イノベーション工房の活動を含むイノベーション全般に関して、これまでnoteなどあちこちに

          『岐阜イノベーション工房(仮称)』暫定版

          ジャーニーマップ

          これから自分たちがつくろうとしているプロダクト(製品やサービス)の対象となる人々の経験について理解を深め、イノベーションの機会を見つけるための問いへと繋げていくための手法が「ジャーニーマップ」です。ジャーニーマップとは、顧客や最終利用者など、ある登場人物が出発点から到達点に至るまでの一連の経験をジャーニー(旅)として捉え、連続する段階を描き出したマップ(地図)です。ジャーニーマップのつくり方はケースバイケースですが、自分自身で描いてみた経験を踏まえ、参考になりそうな例を紹介し

          ジャーニーマップ

          タッチポイントを理解する

          イノベーションをマネジメントする上で、最も重要だと思われる概念の一つがタッチポイントです。ここでは、主にアイデアを醸成する段階に着目し、タッチポイントとはどんなもので、どのように考えればよいのかについて簡単に纏めてみます。 タッチポイントとはタッチポイントを簡潔に説明すると「事業と顧客の接点」です。多くの人々が具体的に想像できるであろう例として、水道事業や電力事業のような生活インフラ事業を挙げて説明してみます。これらの事業におけるタッチポイントは何でしょうか?それは、毎月あ

          タッチポイントを理解する

          オンライン展覧会について考えていること

          この記事は、2021年2月1日に音声SNS「Clubhouse」で開催したイベント「オンライン展覧会について語る部屋」のために作成した資料を基にしています。 イベント前に考えていたこと多くの人々にとって、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行は禍(わざわい)であり、それゆえ「コロナ禍」とも呼ばれています。実際に、飲食業など対面を前提としていた業態は、短縮営業要請や利用自粛などの影響を大きく受け、相次ぐ閉店が報じられています。対面を前提とするイベントという点では、美術館、博物

          オンライン展覧会について考えていること

          Archival Archetyping Exhibition 2020トークイベント

          この記事は、2020年12月24日から2021年1月10日まで開催した展覧会「Archival Archetyping Exhibition 2020」のトークイベントにおいて、プロジェクトと展覧会を紹介するために用意したプレゼンテーション原稿からの抜粋です。全編はYouTubeのアーカイブよりご覧ください。 私たちの学校「情報科学芸術大学院大学」は、英語での名称「Institute of Advanced Media Arts and Sciences」の頭文字をとって「

          Archival Archetyping Exhibition 2020トークイベント

          選択式演劇《それでも笑えれば》が再定義したインタラクティビティ

          劇団ノーミーツの『それでも笑えれば』は、2020年12月26日から30日までの期間に計7回上演された演劇作品です。この作品では、新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行した2020年において、メジャーを目指す若手芸人たちが、様々な出来事に対して選択を迫られ、迷い、それでも前に進んでいこうと葛藤する姿が描かれました。公演場所は、劇団ノーミーツを運営する「Meets」がプロデュースするオンライン劇場「ZA」で、観客はPC、スマートフォン、タブレットからアクセスして鑑賞する形態でし

          選択式演劇《それでも笑えれば》が再定義したインタラクティビティ