"泣けない"私が大号泣したドラマ

 

 私は、ドラマや映画を観ても滅多に泣かない。いや、正確に言うと"泣けない "のだ。
 ついうるっと来ることは何度もあったのだが、物理的に涙を流したことはほとんどない。あの超有名な感動ドラマ『1リットルの涙』でさえも涙が出なかった。(もちろん心の中では大号泣してました笑)


そんな" 泣けない"私が、唯一めちゃくちゃ大号泣したドラマがある。それは…

 
 2003年、フジテレビ系列で放送された『僕の生きる道』である。僕シリーズ3部作のうちの第1弾だ。
 私はこのドラマを見て、それはもう身体中の水分を全部出し切ったのではないかというレベルで号泣した。


『僕の生きる道』の簡単なあらすじ
 

 このドラマの主演は草彅剛、ヒロインが矢田亜希子だ。他にも同じ高校教師役に谷原章介、森下愛子、ヒロインの父に大杉漣、生徒役に綾瀬はるか、市原隼人といった地味に豪華なメンツで構成されている。

 簡単なあらすじとして、草彅剛演じる主人公・中村秀雄は高校教師。28歳のある日、スキルス性胃癌による余命1年の宣告を受ける。このドラマは、中村先生のその最後の1年間の日々を映し出したものという、よくあるようなストーリーなんだけれど…もう、とても見入ってしまった。

 最初は、突然の余命宣告を受け入れられずに自暴自棄になったり自殺未遂をしてしまう中村先生。しかし、小日向文世演じる主治医との関わりや、母親からの言葉を受け「残りの1年間を精一杯生きよう」と決意する。
 生徒達の受験や合唱部のこと、そして自身の結婚のことなど…。見ていて「そこまでするか?」となるくらい、中村先生は一生懸命であった。
 しかし、その一生懸命過ぎる姿からは「絶対に後悔しないように生きるんだ」といった強い意志を感じた。それまで無気力に無関心に生きてきた中村先生が、今までどうでも良かった事や逃げてきた事に精一杯向き合っているのをみて、いつの間にか先生を応援したくなった。



 
 私も中村先生と同じように、今まで何となくボーッと生きてきた側の人間である。もちろん楽しいことや嬉しいこともたくさんあった。だが、後悔している事は山ほどある。「もっと一生懸命やっておけば良かった」と思うことがめちゃめちゃある。だからこそ、余計中村先生に感情移入してしまった。もし、今私が余命宣告をされたらどうするだろう?


これが中村先生(草彅剛)
この役のためにガリガリに減量してて、役者魂凄って思いました、、、



『僕の生きる道』の好きな所

 私は、病気や死をテーマにしたドラマがあまり好きではない。なぜなら、そういったドラマには、いかにも視聴者を泣かせようといった台詞やシーンが散りばめられているからである。いわゆる、" お涙頂戴 " というものだ。

 しかし、このドラマは違う。「こうすれば視聴者は泣くだろう😏ヒヒヒ」みたいな感動の押し売りやお涙頂戴的な演出は個人的に全く感じられなかった。
 

 このドラマの好きな所はもう1つある。それは「台詞の数が少ないところ」だ。
 よくドラマでは、情景や登場人物の心情を台詞で説明してるものが多い。そのため、観ていて疲れてしまったり、つい倍速で観たくなってしまったりする事がある。
 しかし『僕の生きる道』では、必要最低限の台詞しかないためその心配は無い。台詞が少ない代わりに、演者のほんの小さな動作や表情といったもので、物語の情景や登場人物の心情が垣間見れる点がとても良かった。


大号泣した最終回

 大体結末は予想できていた。うん、予想できていたんだけれども……。

 最終回。生徒達が会場で『仰げば尊し』を歌いながら、今までのエピソードが走馬灯のように流れるシーン。もう、、、涙が止まらなかった。自分でも何でこんなに泣いてるんだろうと思いつつも、泣きすぎて嗚咽が止まらなかった。
 涙が止まらなかったのは深夜に観ていたからなのだろうか…?いや、昼間に観ていても、早朝に観ていても確実に泣いていたと思う。

 どうして泣けたのかは自分でもあまり分からない。ただ、「草彅剛が素晴らしい役者さんであること」と「私がこの作品に強く心を動かされたこと」だけは間違いない。



これが、私が人生で初めて泣いたドラマの話である。今のところ、これ以上に泣ける作品に出逢えていない。

 この記事を読んで少しでも興味を持った方がいたら、是非このドラマを見て欲しい。

 最後まで読んでくださってありがとうございました🙇‍♀️

 

 

 

 

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