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トライセラ2ndツアーを前に

TRICERATOPS『THE GREAT SKELETON'S MUSIC GUIDE BOOK』を再現したツアーが始まる、ということでとてもワクワクしながら電車でこれを書き始めている。

個人的な思い出としては、中3の頃、高校受験の勉強そっちのけで家にあるKENWOODのCDコンポ(KENWOODはトライセラのSECOND COMINGがCM曲だった)で、繰り返し聴いていたアルバム。今も"僕の脳みそのランキングその1番上から今日も君はまるで動かない"名盤(ロケットに乗っての歌詞)。

一曲一曲、思い出と共に振り返ってみる。


1.PARTY
アルバムの序章に相応しい一曲。「このパーティに参加しようぜ」というメッセージでこの名盤が幕を開ける。ライブでは、いつかのライブのアンコールで聴いたような気もするし、聴いてないような気もする。

2.MIRROR
二曲目にしてグッとテンポを落とし、ジミヘンコードの印象的なギターリフから始まる。(余談だが、このリフは、後に発表される『LICKS & ROCKS』収録の「JOHNNY DEPP」という曲のリフに似ている)
当時発売されたMV集『SHORT FILMSⅡ』に、シングル陣に混じってLIVE映像が収録されており、これがまたカッコ良い(YouTubeで観れる)。特にドラムのAメロ前の"シャッシャッ"というハイハットが、CDと違ったアレンジでイカしている。中間のギターソロ、後半にもギターソロがあり、ライブでも10分くらいの長尺で演奏されることもあるが、そこまでしなくて良いと個人的には思っている。イントロのヘヴィなリフ、サビの変拍子のグルーヴさがなんとも気持ちが良い。

3.GUATEMALA
当時から、なんでこれシングルカットされたんだろうと思っている地味な良曲。2009年頃のツアーでこの曲から始まったのがなんとも乙で、3人のハーモニーが秀逸だった。これだけシンプルな音作りでしっかり聴かせてくれる。全編通して同じコードの繰り返しで、これぞトライセラの真骨頂。グァテマラというと、コーヒーのイメージで(今回のツアーグッズにもなっていて良き)、その刺繍というのはどんなものだろうと昔から気になっている。そしてMVもなんともミステリアスな雰囲気が漂っている。

4.FEVER
ライブでは定番のこの曲。スタジオライブ音源しかないけど小田和正さんのカバーも素敵。このシングルはオレンジ色のジャケットが印象的で、当時BOOKOFFで300円で買った(中学生だったから新品では買えなかった)イントロがKISSの「I war made for lovin' you」に似ている気がする。全編通してほぼ同じコードで進行して、しかもベースはオクターブのフレーズなものだから、完全にディスコロック。「ロックで踊らせる」という昔の彼らのテーマを具現化したような曲。デビュー曲「Raspberry」と並んで二大ディスコチューンだと思う。「FEVER」の方がマイナー調で切ない。"キャミソール姿の君"、"甘い言葉囁いてそっと僕に寄りかかる"なんて歌詞は、中学生男子にはいささか刺激的なフレーズだった。PVは廃墟みたいなビルの鍵を壊して不法侵入して屋上で演奏する。

5.GREEN
今も時々ライブで演奏される、スローでメロウな曲。この曲のような「君と僕」をテーマにした曲が初期は多く、思春期を過ごした自分としてはその恋愛観に多分に影響を受けた。今も毎年手帳を買うときには、この曲の歌詞"君と選んだグリーンの手帳は活躍する"というフレーズよろしく緑の手帳を買おうと思うのだが、自分に合わない気がして買えずにいる。が、来年こそは買うかもしれない。以前、ライブではサビから始まるアレンジでやっていたことがあったけど、それもまた素敵だった。

6.GOOD TIMES
シングルカット曲「UNIVERSE」のカップリングとしてライブ版が収録されているこの曲。だが個人的には一度もライブで聴いたことがないレア曲。ギターもベースも軽快なフレーズが繰り返され、小躍りしたくなる一曲。思わず"こういうのが良いんだよ"と言いたくなるような、良い意味で力の抜けたアルバム曲。スタジオ録音版とライブ版ではサビのベースのフレーズが若干違った、気がする。

7.GOTHIC RING
ユーミンが名曲と言ったことが伝説になっている曲。好きな子(彼女?)のために指輪を買いに行くというのがなんともチャーミングな男の子の曲。この曲を聴きながら指輪を買いに行ったりもしたものだ…(遠い目)。ライブで聴けるサビの3人のハーモニーが鳥肌もの。イントロからのこのフレーズからこのメロウなサビが来るのか、という対比が素晴らしい。トライセラのシングル曲の中でも珍しい切ない大名曲。

8.MASCARA&MASCARAS
自分がこのアルバムを、というかトライセラ好きを加速させることになった曲。当時ネットで特集ページから、Real Playerで少しだけ視聴できたこの曲に刺激され、すぐさまBOOKOFFでこのアルバムを買った気がする(1750円)。当時のライブではドラムから始まるアレンジもあって、とても盛り上がる。このシンプルかつダンサブルなリフと、軽快なサビのメロディがなんとも踊れる。もっとライブでやって欲しい。

9.CARAMEL TEA
イントロから始まるドラムとベースの繰り返しのフレーズがなんともシンプル。しかもこれがサビまで全編続く。同じフレーズでここまで抑揚をつける様はトライセラでしかできない技だと思う。「WARP」という曲が発表された2005年のツアーの2曲目に演奏されていて(DVDにも収録)、Cメロではスタジオ版とちがってギターにフランジャー(ジェット機のような音)がかかっていて、ダイナミックなアレンジ。この曲に感化されて、受験勉強をしながら家にあったキャラメルミルクティーをよく飲んでいた。もっとライブでやって欲しい。

10.LIP CREAM
タイトルも歌詞もメロディもとても甘い曲。この曲を聴きながら、当時好きだった子のことを思っていた甘酸っぱい思い出。今ではあまりやらないシャッフルビートも良いし、サビの上がっていくようなメロディが切ない。トライセラを好きになってしばらくはこの曲が1番好きな曲だった。

11.SHORT HAIR
15周年ツアーあたりでやっていたような気がする。冒頭の「PARTY」とちょっとキャラがかぶっているような気がしているが、始まりと終わりがアップテンポってのも、また乙なものです。アルバム通して最初から最後まで、ほとんど"君と僕"というテーマで歌い切るトライセラ、素敵。"あとどれだけ飛べたら君は笑ってくれる?"って、ちょっと背伸びしてる感が可愛い。


以上、個人的な思いでも交えながらのTRICERATOPS『THE GREAT SKELETON'S MUSIC GUIDE BOOK』の全曲レビューでした。誰もここまで読まないだろうが、自分が気持ちを整理したかったのもあるので、それで良いのだ。

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