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文教委員会にて、校内の居場所「サポートルーム」についての陳情審査が行われました。

こんにちは。杉並区議会議員の前山なおこです。

杉並区議会は、9月11日から令和5年第3回定例会が始まっています。きのうは、文教委員会に委員として参加しました。

委員会では、区民の方から陳情をいただき、校内の居場所「サポートルーム」についての陳情審査が行われました。会派としては、採択としましたが、結果は趣旨採択となりました。※趣旨採択とは、願意には理解できるが、実現することは困難ということ。

文科省の2021年度の調査では、全国の国公私立小中学校で不登校の児童生徒は約24万5千人と過去最多となっています。区内でも令和4年度は小学校における不登校者381人、中学生では不登校者516人と、小中ともに年々増加傾向にあります。

区内には、不登校状態にある区内の児童・生徒に対し、学習や体験活動など、小集団活動をとおして自ら学ぶ力や社会性を育み、将来への社会的自立等につながるよう支援する「さざんかステップアップ教室」が4カ所あります。登録者数は167名。距離的に通うことができていないご家庭もあり、教育委員会の答弁でもさざんかステップアップ教室だけでは対応できていないと感じてるとの発言もありました。

また、学校に登校できるけれど、ある授業だけ教室に入ることが難しい、授業中突然気持ちが落ち着かなくなるお子さんの場合、週1日ほどの特別支援教室という選択肢しかありません。

現在、区内には各学校判断で校内にサポートルームのような居場所を設置している学校もありますが、全校ではないため一部の子どもたちしかサポートできていません。今年度は、その予算として学校づくり予算や学校支援本部運営なら支援本部の予算を使用し、都の助成金も今年度から使っていますが区内には20校、校内サポートルームがある中で都の助成金は9校しか出ていなど運営費も学校によって異なっています。助成金だけで人件費を賄えず、基本的にボランティアで運営する各学校判断の今の方法では、区内全校に設置することは難しいと感じました。

文科省が今年3月、不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指し、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)でも、自分のクラスに入りづらい児童生徒のための学校内の居場所「校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム等)」の設置促進が盛り込まれており、「自分で学級に入りづらい児童生徒については、学校内に落ち着いた空間の中で自分に合ったペースで学習・生活できる環境があれば、学習の遅れやそれに基づく不安も解消され、早期に学習や進学に関する意欲を回復しやすい効果が期待される」として、空き教室などを活用した設置を求めている。」としています。

会派としては、採択の立場から、児童、生徒一人ひとりが安心して学べる学校づくり、多様な学びの場として、学校には行けるけれども自分のクラスには入れない時や少し気持ちを落ち着かせてリラックスしたい時に利用できる校内サポートルームを区主導で各校に1つ設置し、運営には適正な予算をつけること。また、教室不足や空き教室がないという課題があることからできる学校から設置することを要望し意見を述べました。

結果、趣旨採択が多数で採択とはなりませんでした。不登校の理由は一人ひとりさまざまです。文字を書くこと、理解することが苦手で初期の段階でつまずいてしまい行けなくなってしまう、音に敏感で教室内に入れない、教室には入れないけど廊下なら勉強できるなど、今の教育現場では一人ひとりをサポートするだけの余裕がありません。

すべての子どもたちが自分らしく学べる場所の整備は必要です。予算の問題もありすぐにというのは現実的に難しいなとは思いますが、子どもたちにとっての1年はとても大事な時期です。誰一人取り残されない学びの保障に向けて、引き続き取り組んでまいります。

最後にー
今回は、陳情提出ありがとうございました。また、サポートルームや不登校について意見や現状など、お話しを聞かせていただいた方々もありがとうございました。

選挙前から子どもたちの多様な学びの場を整備していかなければいけないなと感じており、今回不登校について考え、議論する場をつくるきっかけをくださったことに感謝しています。これを機にこの問題が少しずつ進むよう、会派の仲間や他の議員と協力しながら区ともどうしたら多様な学びが実現できるか考えていきます。

わたしたちだけでは、気づかない課題や問題がたくさんあります。ぜひ区民のみなさまのご意見、ご要望などお聞かせください!