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令和5年第4回定例会がはじまりました①一般質問について解説します

こんにちは。杉並区議会議員の前山なおこです。

令和5年第4回定例会が、11月15日から開催されています。わたしは、初日の15日に一般質問にたち、1.安心して子育てできる環境の整備・充実について2.ふるさと納税について質問をしました。具体的にどんなことを質問し要望をしたのかを書いていきます。まずは「1.安心して子育てできる環境の整備・充実について」です。※一般質問の様子は、こちらから見れます。(52秒あたりから)

今回、このテーマを取り上げたきっかけは区内で子育てをする方からの相談でした。「保育士で職場復帰したいけど、子どもの保育園が決まらず復帰できない…」

待機児童の解消に向け、各自治体で保育所等の整備を進めていく一方で、保育士不足は全国的な問題となっており、保育所等の整備を進めていくためには、保育士の確保が重要な課題となっています。平成29年に国から全自治体へ出された「保育士等の子どもの優先入所等に係る取扱いについて」では、子どもの預け先が見つからず復職できない保育士等に「優先入所」を行うことで、保育施設等の人材不足の解消を目指しました。杉並区でも区内で働く保育士は、同一指数となった場合、4番目の優先順位となりました。

しかし、わたしが相談をうけた方は区内在住の区外で働く保育士さんでした。区が待機児童ゼロを6年連続で達成できているのは、保育所等で働く保育士さんがいることが大きいと思っています。そんな中、保育士だけど自分の子どもが保育所に入れず復帰できないことは重大な問題だと感じ、区外で働く保育士さんも優先入所の対象にできないかと要望しました。

区の答弁は、区外の保育士を優先入所にすることはできないということでした。その理由としては、区内には、空きのある保育園があり、保育園に落ちてしまった方には他の保育所を紹介している。現状、待機児童ゼロを達成しており、保育園が決まらないということはない。

区の答弁を聞き、6歳の娘を育てる保護者のひとりとして、子育て当事者のみなさまから相談を受ける区議として考えてみました。

区は、平成28年の杉並区待機児童緊急事態宣言以降、保育所の整備を続けた結果、今度は空きが出ている保育所が多数あります。しかし、保育所選びでは自宅や最寄り駅の近くを希望したり、わたしも保育士の配置基準を満たさず運営している保育所を見て安全面に不安を感じたこともあったので、そういった保育所を希望する方は少ないと思います。安心して子どもを預けたいと思う保護者の想いを考えると、選ばなければはいれる、特定の園を希望しているから入れないという考えでは「隠れ待機児童」の存在はなくならないですし、保育士の質を確保していくことは喫緊の課題です。

また、子育て先進区を目指す隣の中野区では、中野区民で保護者が保育所等において保育士又は保育教諭として週30時間以上の就労している場合又は就労内定の場合は、調整指数3点を加算しています。これは、区内外の保育所問わず適用されます。中野区では、なぜ区外の保育士さんにも加算をしているのか確認すると、「保育士等の子どもの優先入所等に係る取扱いについて」が出たからということでした。

保育士の子どもを保育所に預ければ定員の枠が1つ減ることになりますが、保育士1人が職場復帰できると、0歳児クラスであっても保育士1人で3名の子どもを預かることができるようになり、保育士がひとり復帰することで保育所に入れる子どもが2人増える大きなメリットがあるわけです。そういったことから、改めて区外の保育士も優先入所の対象にすることを要望し、通達でも「近隣自治体と連携してー」とあるので、特別区長会で取り上げ23区全体で意見交換などを行うことを再質問で提案しました。

再質問でも区からは「エッセンシャルワーカーには、保育士以外にも介護士や医師など、さまざまな職種があり、保育士だけ優先にし他のエッセンシャルワーカーは対象外なの??となってしまう」ということで優先入所は難しいとの回答でした😢が開設されたことにあわせて、入園制度の面においても見直しを行ってきたことで、より保護者の思いや実情に沿った保育所選びができるようになってきました。これは、保育所入所に関わる職員さんのおかげです。しかし、区内には「保育園に入れず仕事をやめてパートで働きながら保育所を探している」という相談もいただいており、保育所等の入所に関しては他にも気になるところがあるので、引き続き区内で子育てをする方々が安心して子育てできる環境の整備に向けてがんばります!本定例会は、12月6日までです。

このテーマの中で、国が本格実施を目指す「こども誰でも通園制度」についても少し触れたのでこのあと報告したいと思います。