こんにちは！

VMDコンサルタントの藤井雅範です。

先日、デニムショップの打ち合わせをしていてフト感じたこと。

それは

『そのお客様は、商品そのものの性能や機能を買うのではなく、その商品で自分がどんな体験ができるのか？そんなストーリーを買っているのではないか・・・』

ということです。

“ストーリー”をお客様に感じてもらうこと。

コレに関して話すと、切り花位くらい話し続けられる気がしますが（笑）

まずは身近な例を挙げてお伝えしますね。

“ストーリー”とは、商品を購入されたお客様がどんな体験をされるか？ということ

ここで言う“ストーリー”というのはその商品が誕生し、生産されるまでの“ストーリー”ではありません。それは“スペック＝性能や機能”のことになります。

スペックではなく、その商品があることで、購入されたお客様がどんな体験をされるのか？という“ストーリー”なのです。

例えば『リーバイスの501』という商品を例にとってみます。

■商品そのものの性能を伝える場合の例

この商品、そのものの性能は（例えば）こんな伝え方が出来ます。

POPでは

・ジーンズのオリジンであり、シンボル的存在
・シュリンクトゥフィット（洗って縮むことで体に馴染む）
・ボタンフライ
・コーンミルズ社製デニム使用
・12.5オンス
・１２，０００円

売り場（IP）では

・ジーンズショップで型別にボックス状の棚に三つ折りにたたまれて陳列されている

ディスプレイ（PP）では

・ディスプレイはチェックのネルシャツやワークブーツとコーディネート

これらは商品そのものの性能や機能を語っている、ということになります。

■ストーリーを伝える場合の例

同じ『リーバイス５０１』でもこんな伝え方ならどうでしょう？

売り場（IP）では

・黒いウレタン塗装のテーブルに大きく広げられて陳列されている。

ディスプレイ（PP）では

・複数のファンシーヤーンを使用した、ざっくりとしたニットとコーディネートしてディスプレイ。足元には女らしいヒールのパンプスを合わせて。ゴールドチェーンでボディはニットで出来ているミニショルダーを肩に下げている。

スタッフのスタイルは

・スタッフもおなじ５０１を女らしく、かつゴージャスなスタイルとヘアー＆メイクで着こなして応対をしている。

これらは「あっ、５０１ってこんなふうにも着れるんだ。より女っぽさを感じることができるんだ！」という発見、自分が体験できるであろう“ストーリー”を伝えることができるのです。

ストーリーが伝わる事による効果

どちらか一方の伝え方をしないといけない、というのではありません。

性能を伝えることは容易ですし、伝えるに越したことはない。

ただこれだけではどこで買ってもおんなじ。

決定的に選ぶ理由（このお店で買わなければならない理由）は“価格”くらいのものでしょう。

しかし“ストーリー”を伝えてそれをお客様が感じてくれた場合、選ぶ理由は明確になります。

スタッフとの会話の内容も、ただ性能だけを伝えている場合とは変わってくるでしょう。

この５０１を穿いて、誰とどんなところへ行くのだろう？どんな会話ををするのだろう？・・・

そんなストーリーが浮かびやすくなるのです。

性能や機能だけではなく“ストーリー”を伝えましょうね！

今日も読んでくれて、ありがとうございます！