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はじまり

教室の後ろから3列目、窓から2列離れた席。
そこが私に与えられた場所。
毎朝誰も居ないうちに教室に滑り込み、
仮眠をとりながら少しずつ増える音を聞いてその時を待つ。
教室が熱気に満たされた頃、正面少し上に取り付けられた箱が大きな音を出す。
静かに重い瞼を持ち上げる。

あぁ、鬱陶しい。

閉ざされていた色達がいっぺんに視界に飛び込んでくる。何度経験しても慣れないこの感覚。

今日も視界は五月蝿いほどに色鮮やかだ。

#00

2019/06/29

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