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2020.6.11 │ 「再生讃美曲」と大場ななという舞台少女について

こんばんは。
5月公開予定だった劇場版再生産総集編「少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド」の主題歌、「再生讃美曲(movie ver.)」が6/10よりストリーミング&ダウンロードサイトにて先行配信が開始されました。

YouTubeでもMVが見れるのでぜひ。

この曲、聴けば聴くほどにイメージが広がって収集がつかないので、自分的メモを残すことにしてみました。
考察とまではいかないけど、私がこの曲を聴いて感じたことをメモしていきます。
聴いてるうちに考えが変わってきたら修正していこうかな。

少女☆歌劇 レヴュースタァライトについて

キャプチャ

少女☆歌劇 レヴュースタァライトという作品は、
舞台少女たちによる一瞬のキラめきを描いた物語です。
歌うことが、踊ることが、演じることが大好きな9人が
それぞれのキラめきを胸に、ポジションゼロ(主役)を目指していく。
女の子が頑張る姿…尊い…

「トップスタァを目指して 歌って踊って奪い合いましょう…」

ここからは物語の核心に迫るネタバレを含む場合がありますので、
ぜひアニメを全話見てから読んでね。

劇場版について

2020年5月29日(金)公開予定だった劇場版再生産総集編ですが、昨今の情勢により公開が延期に…
そもそも、劇場版再生産総集編「少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド」というのは何か?というと、
端的に言えばアニメの総集編です。
総集編の公開後、完全新作劇場版が公開予定となっております。

アニメの総集編を公開するのはよくある流れですよね。
新作に向けての新規ファン獲得だったり、既存ファンの呼び戻しだったり、理由はいろいろあると思いますが、個人的にはレヴュースタァライトで改めて総集編をやる、というのがもう解釈一致すぎて。
というのも、少女☆歌劇 レヴュースタァライトという作品には「再生産」や、「再演」というものが大事なキーワードになっているからです。
そのへん書き始めると終わらないのでここでは割愛。全部アニメ見たらわかります。とりあえず見て。

予告編や劇場版公式サイトを見ても、大場ななという舞台少女を軸とした構成であることが想定できます。
レヴュースタァライトの主人公は愛城華恋と神楽ひかりであって、大場ななはあくまでも9人の内のひとりであるはず。
物語的にはキーとなるキャラクターですが、総集編がばななを中心とした構成であることから、新作映画の展開が本当に読めない…

「再生賛美曲」について

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レヴュースタァライトは神話や歴史など深く絡めて考えられた作品と思われ、それらに絡めた考察もたくさんされています。
ですが、ここではそういったものを一切含めず、「私」が見ている少女☆歌劇 レヴュースタァライトという作品から、今回の新曲「再生賛美曲」を考えます。

毎回歌詞が素晴らしいレヴュースタァライトですが、今回も中村彼方さん作詞。

歌詞の一節ずつ、きちんと意味が込められているなぁと思ったので、個人的な感想をちょちょいと書いていくね。

「選ばなかった過去たちへ 静かに捧ぐ讃美歌を」
ここは神楽ひかりパートです。
歌い出し一節目から…まぁ…なんと…
大場なながすべてをかけて行っている「第99回聖翔祭の完全完璧な再演」には神楽ひかりという存在は不要なもの。
ひかりのいない舞台はひかりにとっては存在していない、選ばなかった過去にあたるのかなぁ。
個人的には、この曲がばなな視点なら「選ばれなかった過去」じゃないんだな、と思いましたが、ひかりが歌うことで「選ばなかった」がしっくりくるね。

「あの日の私の続き 未来は笑えていますか?」
ここは大場ななパート。
「あの日」は「第99回聖翔祭」なのかな。
繰り返し再演したその先で、ばななが笑えているのかどうかは、ばなな自身は知らない、想定の範囲外のこと。

「あまりに不確かな可能性を 追いかけてあの子は
 何を燃やして 生まれ変わる」
石動双葉→花柳香子→愛城華恋のパート。
不確かな可能性=存在しないはずの、「第99回聖翔祭」を繰り返す日々
あの子=大場なな
なのかなぁ…でもここ、
不確かな可能性=ひかりと華恋の約束
あの子=華恋
ともとれるね………

ここで気付くんですが、この曲、ばななだけが「私」を使うんですよね。エモでは…

レヴューが始まるとき、「キラめきを再生産」させて身にまとう舞台少女たち。それは永遠の輝き、一瞬の燃焼。

「ああ 私たちは何者でもない 夜明け前のほんのひととき」
ここから全員歌唱。
「夜明け前」は、繰り返す日々を夜と仮定して、レヴューにばななが勝利してから再演が始まるまでの間かなぁ。
その”間”は舞台少女ではなく、何者でもない瞬間。

「幸せよ、君は何処に それが何か分からなくても」
「例えばそれがエデンの果実でも」
「それが眩しい」

ばななにとっての幸せは「第99回聖翔祭の完全完璧な再演」のはずだけど、それが幸せなのかどうか、ばなな自身にも分からない。

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「届かなくて、眩しい――」

「太古の土 金に染める 稲穂の群れ
 鳥のように らんと鳴く 竪琴」
「星夜に降る 大粒の粉雪になり
 海の底に しんと眠る 真珠となる」
天堂真矢→西條クロディーヌのパート。
土から稲穂へ、稲穂から鳥へ、鳥の羽ばたく空から星へ、
星空から降る雪へ、そして深海へ。
すべての生命の理、三千世界の輪舞。

「そう 遥か遠い 惑星の息」
「それらすべて私」

露崎まひる→大場ななのパート。
世界のすべてが「私」(大場なな)であること?かなぁ

「選ばなかった過去たちへ」
「静かに捧ぐ讃美歌」
冒頭にも出てきたこのフレーズ。
最初はひかりが捧ぐ、でしたが、今回は華恋が捧ぐ讃美歌なんですよね。
レヴュースタァライトという物語の主人公で、ばななにとっての異分子である2人から捧げられる讃美歌。

『こぼれてく未来が あの子のキラめき』
「あくまでも仮定」
ばななは皆のキラめきを奪って「第99回聖翔祭の完全完璧な再演」を何度も繰り返してる。
でも、繰り返すことで皆のキラめきを守っている。
再演じゃない、ばななの知らない未来がひかりや華恋のキラめきを作っているとしても、あくまでも、再演への過程。ともとれるなぁ

「私が守るの ずっと 何度でも!」

「いつか誰かその言葉で」
「その温度で私を救うの」
ここで星見純那→大場ななパート。
じゅんなな…尊いね…
何度も同じ舞台を繰り返すばななって、すごく孤独だと思います。
みんな何も知らないのに、ばななだけがすべてを知ってるもんね。
でもその孤独を救うのは、純那の優しい温度なのかな。

「廻り廻る」
「ああ 私たちは 今何処へだって」
「夢を宿し 行ける」

繰り返す再演を抜け出して、新しいキラめきの先へ。
廻り廻ったばななが、輪舞を抜け出すということ。
これは…もう…もう一回アニメ見直そうかな………

「ああ 私たちは何者でもない 夜明け前のほんのひととき
 幸せよ、君は何処に それが何か分からなくても
 例えばそれがエデンの果実でも」

「だから眩しい」
エデンの果実(再演)””が””眩しかったのに、
エデンの果実(再演)""だから""眩しいにかわるこの瞬間。
眩しい一瞬の輝きは、一瞬だからこそ美しいものだから
輪舞を抜け出して、過去から未来へ進む、ということなのかな。

歌詞をぜんぶ読み解いてみて

少女☆歌劇 レヴュースタァライトという作品を、これでもかと1曲に詰め込んだ歌詞だと思います。
神話とか伝承とか歴史とかそういう難しいのは置いといて、
大場ななという舞台少女が、キラめきに魅せられて、再演を繰り返して、本当のキラめきに気付くという一連の流れをすごく上手に歌にしてるなぁ…と感じました。
歌詞の意味を全部考えていくの、オタク感強すぎてやばすぎわろたな…

再生賛美曲を聴いて、もっともっと劇場版が楽しみになりました。
舞台少女たちのレヴューを映画で見られるのが本当にうれしい。
グッズつき前売り3枚買ってるので、ガンガン見に行くぞ!!!

映画見る前と見た後で解釈がきっと変わるから、その変化も楽しみですね。

※おまけ※
公式で素材配布してファンアドキャンペーン(ファンで映画のTwitter広告を作ろう!みたいなの)やってるので、興味のある方はぜひ挑戦してみてほしいな~~!私は動画作ったりしました!
映画公開までにもうちょいなんかしたいな。


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