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春に野生をたべる

山歩きをしていたら、植物の柔らかな新芽がそこらでみられ、美味しそうだなと思った。春だもんな。

日本で食べられる山菜をフランスで探してみた
日本では春になるとよく山菜を食べる。私はあの少し苦みがあったり滋味深い味がけっこう好きだ。ここフランスにもあるのかな?と思って日本で一般的によく食べられる、蕗の薹、タラの芽、コシアブラ、ウド、コゴミなどを、山や森で探すって事を春が来る度しているんだけど、見つけられない・・・ワラビはかなりどこでも沢山見つけられたのだけど、発がん物質が含有されているとか、あく抜きが面倒だとかいう事から採らなくなった。実は蕗の薹も見つけたんだけど、なんだか赤くて、日本のものとは違う。セイヨウフキといって食用には向かないとのこと。残念。

当たり前なんだけど、生態とか気候とか地域が違うのだから、見つけられないのではなく、そもそもこの地域あるいはフランス(ヨーロッパ)にはそういった植物が無かったりするのかもしれない。日本の森や山って、湿度が高いというイメージがある。私が住んでいるのはフランスの西のほうのJURAという地域で、ここの山や森は乾燥している。植物が違って当然だ。

野生を食べる楽しみ
フランスに来てから、秋には森へ行ってきのこ狩りをする、というのが一般的なレジャーになっている、というのを知った。みんなパニエ(かご)とナイフを片手に森へきのこを探しに行く。宝物探しみたいでわくわくした。自生しているものが食べられるなんて。森を散策してきのこを発見し、収穫し、そして調理をして食べる。全部自分での手で。金銭も発生しない。なんて楽しいんだろう!そしておいしい!いつも目当てのきのこを見つけられるかといえばそうではないけど、毒キノコの群生を見つけるのだって楽しいし、知らないきのこを知るのだって、森を歩いているだけだって楽しい。でも収穫して食べる喜びは格別だった。私は野生を食べる楽しみ・喜びをこうして知った。

自生しているものを食べたりするのが楽しくて以前にもこんな記事を書いたりしています。



フランス人は山野草を食べるのか?
フランス人ってきのこやベリー類を森で採って食べたりするけど、日本人みたいに、木の新芽など山野草を食べたりするのかな?山菜の調理法って、天ぷらだったり、おひたしだったり、味噌和えだったり、味噌汁だったりする。ごはんと一緒に食べるからね。でもフランス人はそういった調理法はほとんどしない。だから山菜を食べたりとかはしないのかな?と思った。

周りの人に聞いてみた。庭でハーブを栽培している人は多い。パセリ、セージ、ローズマリーそしてタイム(スカボローフェア)、シブレット、バジル、ミントなど。フランスでは料理に香りのあるハーブを使う事が多い。自生する植物では、タンポポの葉をサラダにしたり、Verveine(バーベナ)やTilleul (菩提樹)の花や葉を乾燥させて、ハーブティーにして飲んだりとかする人は割といる。でも木の新芽とかは食べた事がないと言われた。そもそもヨーロッパには無いのかもしれないし、食べようとした人がいないのかもしれないしわからない。

じゃあ野草はどう?たまたま入った大きな街の本屋では、植物関連の書籍に力をいれているようで、広範囲で植物関連の本が並べられていた。植物図鑑などをメインに、家庭菜園や庭づくりに関する本、きのこ図鑑などの本がたくさん並んでいる。そのなかで"Plantes sauvages Comestibles(食べられる野草)"というタイトルの本も見つけた。やっぱりフランスでも野草を食べたりするんだ!でも本の種類はあまり多くはなかった。自生する植物を食べたりしようと考える人は少数なのかな。

フランスではどんな野草をどんな風に食べる?

ではフランスではどんな野草をどのように食べるのか?本やネットで調べた。身近に食べられる野草は色々あって、生のまま葉っぱをサラダにするというのがスタンダードっぽい。あとは松の実やパルメザンチーズ、オイルなどと合わせてペストにするとか、オムレツにするとか、グラタンにするとか、ポタージュにするとか、キッシュにするとか、リゾットにするとか、そういう感じ。どうも、ほうれん草の調理法と同じような感じ。自分ひとりで食べるだけだから、キッシュやグラタンやポタージュなどは作らないかなあ。ペストも手間がかかるのと普段から食べないから作らない。天ぷらも面倒なのでしません。サッと簡単にできる調理法で作っていきたい。

野草採集においての注意点としては、犬の散歩道や車道の近くは控える、わからない、知らない植物は採らないこと、毒のある植物と間違えないように、特徴を覚えておくこと、山や森などでは野生動物の糞がある近くの植物は控える、食べれる分だけ採ること、十分な量が無い場合は採らない、など。

さっそく森へ行って見つけたのが、オオバコ、タンポポ、カラスノエンドウ、スミレ、カタバミ、カキドオシ、スイバ、ミツバ(?)これらは日本でも良く知られているメジャーな食べられる野草かなと思う。その中でどうも、ミツバと思って見つけてきたものが、香りはミツバだけど日本のものとは形が少し違う。セリ科の植物をフランス語で調べていたらÉgopode podagraireという名で、日本名ではイワミツバで、食べられるという事がわかった。やったね。しかも痛風に効くらしい。痛風って何だっけ。

野生のサラダをつくった
採ってきた野草でフランス風にサラダをつくろうじゃないか。野草を水でよく洗って花を散らして、これだけだと味気ない気がするからチキンやトマト、そしてメインにポーチドエッグをのせて・・・味付けはオリーブオイルとバルサミコ酢。(私のサラダの味付けは基本これ)さてどんな味がするかな。

ふむ、野草なのでかなり繊維がつよい。よくよく噛んで食べないと。野草を摘むとき、葉が大きくて食べ応えがありそうなのを欲張ってつい選んだけれど、これが間違いで、サラダにするなら若芽の小さいやつのほうが柔らかくていいそうだ。でも、野性味があっておいしい。一番主張が強いのがカキドオシで、食べた後にも余韻が残り、とてもよかった。ミントほど強くなく、さわやかな香り。カキドオシはシソ科の植物です。苦かったり酸っぱかったり、色んな味がして野生を食べている感じがあった。私はもともとクセのある菜っ葉をサラダで食べるのが好き。ルッコラとかクレソンとかアンディーブとか。だからおいしく食べれるし、なんだかたのしい!もっと他にも色々試してみたい!ヨーロッパで比較的どこでも見つけやすく、同定しやすい野草を試してみた。

Égopode podagraire(イワミツバ)
ヨーロッパで採れるミツバ。日本のミツバほどクセは強くないけど、さわやかな香りがある。柔らかな小さい新芽をサラダにすると、とても食べやすくおいしかった。大きい葉もゆでると食べやすくなる。今度大量に採った時はキッシュにでもしてみようかな

(やわらかい新芽のイワミツバ、スイバ、ゆで卵、ハム、ベトラーブ(ビーツ)、塩コショウ、オリーブオイル、バルサミコ酢)

(やわらかい新芽のイワミツバ、スイバ、ハム、トマト、オリーブオイル、バルサミコ酢、パン)

*パンはBolo do caco というポルトガルのマデイラ島の名産で、当地で食べておいしかったのでたまに自分でつくります。さつまいもを練り込んだパンで、フライパンで焼いてガーリックとパセリのバターを塗る。

(イワミツバ、カラスノエンドウをゆで、オイルと塩コショウで合える。ゆでたまごとマヨネーズとパルメザンをトッピング)


Moutarde sauvages (セイヨウカラシナ)
日本でも良く見かけるし、フランスでもよく見かける。安定しておいしい。炒めるのが好きだな。

(セイヨウカラシナ、マッシュルーム、ベーコンを塩コショウで炒め、パスタと和える)

(セイヨウカラシナ、じゃがいも、ベーコン炒め。塩コショウ、パルメザン、スミレ)

Orties (イラクサ)
フランス中のあらゆる場所で見かけられる野草で、葉の裏表、茎に至るまでトゲがある。そのトゲに触れると、とても痛いのだけど、それはトゲにアセチルコリンやヒスタミンなどの液が含まれているため。食用には新芽を摘む。採集にはゴム手袋着用すること。軍手ではダメ。ハサミで茎を切ったりペンチを使ったりしてもいいと思う。採集の難易度は高めだけど、一度に大量に採れるしなにより栄養価がとっても高いらしい。湯がくとトゲはとれ、クセがないほうれん草みたいな感じ。おひたしとかサラダが食べやすい。

(茹でたイラクサにベトラーブ、オイルとバルサミコ酢、ゴマで和える。そしてパン)

(茹でたイラクサにベトラーブ、オイルとバルサミコ酢、ゆで卵)

Houblon sauvage (カラハナソウ)
ビールの原料とかになるホップの仲間でフランス語では野生のホップと呼ばれている。蔓性の植物で、他の植物にからみやすいように小さなトゲがある(こちらは触れても痛くはない)。比較的見つけやすく、春先の新芽を摘んで食べる。野生のアスパラに味も調理法もよく似てると言われている。リゾットにするのが一般的みたい。私は軽く炒めて食べたりした。
味は確かにアスパラっぽくておいしいけど、新芽を選ばないとトゲが口に残ったりします。パスタに合うかも。

(カラハナソウとベーコン炒め、ゆで卵)

Ail des ours (ギョウジャニンニク)

フランス名は直訳すると、熊のニンニク。冬眠から目覚めた熊がこの葉っぱをむしゃむしゃと食べる事に由来している。私の住む地域では見かけませんが、2年くらい前、南の方の山へ行ったとき、あちこちで沢山みかけました。スズランなど見かけが似ている葉っぱもありますが、ちぎるとニンニク臭がするのでまず間違える事は無いでしょう。ニラよりマイルドでお肉と炒めためたり、パスタに絡めたりして食べました。美味しかったです。写真はありません。成長するのに時間がかかる植物なので少ししか見かけなかった場合は摘むのをあきらめましょう。

他にも気になっている植物
まだ見つけた事はないけれど、とても気になっているのは、Asperges sauvage (野生のアスパラ)、フランスで春に採れるおいしい山菜としてとても有名です。いつも探すけど私の地域で発見したことがありません!食べてみたい。Brocoli sauvage (野生のブロッコリー)、これはどこかで見かけた事はあったけど、その時は知らなくて、採らなかった。やわらかくておいしそう。今度みつけたら採ってみよう。それからMorilles (アミガサタケ)、フランスでめちゃくちゃ高値で売られています。とてもおいしいきのこ。これは春先によく見つけられるといわれてるけどこれも私は見た事がありません!見つけたい!春先になるとフランス人は血眼になってこのきのこを探します。

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というわけで色々な草を試してみた春でした。これは何の植物かな、美味しそうだけど食べられるかな、と思いながら散歩をするのは楽しいです。植物を同定するのには、ビデオが参考になりました。大きさとかがわかりやすい。植物図鑑の写真だと大きさのイメージが湧きづらいからね。参考にしたビデオを置いておきます。


次は秋ごろ、きのこについての記事を書こうかな・・・

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フランス在住のおなかの弱い写真撮るおばけ。http://mitoto.tumblr.com/

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コメント4件

はじめまして。
フランスでの野草食、とても楽しく拝見しました。

先週の土曜日、フランスから一時帰国をしている日本人の女性に会ったのです。
旦那さんはフランス人。
ピレネー山中に住んでいて、野草を採取して食べていると言っていました。
何を食べているのか、もっと聞いておけばよかったです。

あと、確かフランスだったと思うんですが、野草を食べる活動をしていて本も出している人がいたような。こちらも奥さんが日本人でした。
今度注意して情報拾っておきますね。
読んでいただきありがとうございます!
フランス人は日本人ほど野草食べたりしないなあ、という感じです。
きのこ狩りはとっても盛んなんですけどね。
食べられる野草は知れば知るほど面白くなります。

ピレネー山中だとまた違った植物がみられるのでしょう。
野菜を調達するより野草を摘んでくるほうが身近なのかもしれませんね。

今度本屋に行ったとき野草の本ももっと探してみます。
フランスに土筆は生えてないんですか??
土筆フランスにも生えてますよ。私はあまり興味がないので採集したりしませんが。
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