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ヘッドライトは、日付が変わることのわからないほどに没頭しながら本を読むためにあるのか、はたまたドアの向こうからうっすらと響く寝息を聞きながら、その暗闇に浮かぶぼんやりとした光のように、掴めそうで掴めない何かを探し続けるためにあるのか、
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暑い夏でも、冷房をつけてふわっとした羽毛ぶとんを肩までかぶると、とても心地がいい。いつもあと少しで掴めそうな瞬間まで行くのに、その心地よさに負けて眠ってしまう。目覚めてから、また掴めなかったと、ライトを消さずに寝た後悔とともに振り出しに戻ってしまい、いつまでも繰り返し追いかけるそれは、まるで読み終わってもどこか腑に落ちない小説の物語のようで、
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白い天井と視線の先に少し映り込むカーテンの規則的な模様は、何も言ってくれない






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