ウィリアムとウィリアムのウィリアムたち@サンシャイン劇場

ネタバレ含みますので未見の方はご遠慮ください。






WilliamとWiliam 同じウィリアムでもLが少ないウィリアム親子。父はサミュエル、息子はヘンリー、そして謎の男ミスターH…父親に認められたいいヘンリーが生み出してしまう存在とのやりとりはちょっとモーツァルト!とも似ているけれど、いわゆるグランドミュージカルではなくてオフブロードウェイでやっているかのようなアットホーム感。どちらもそれぞれ良さがあり、どちらも好きではありますが、牢に収監される犯罪者に扮したピアニストが看守に連れられ、客席通路を通ってピアノの前に座り序曲を奏で始めた作品、「URINETOWN」を思い出すようなピアノから始まる音楽に惹きつけられました。
背景に置かれたものに、場面によって異なる照明が当てられ、それを見ると本来の背景なのか、ヘンリーが理想とする部屋なのかわかるようになっていてアイディアが素晴らしい。またその照明はMr.Hにも当てられ、Mr.Hが実在する人間ではなく、ヘンリーの頭の中で想像された人物であることがわかると言うのがいい!裁判官や狂言回しも務める岡さんが今はどの役柄なのか、照明の当たり方でわかるのですよ。衣装や髪型を変えることなくこういう手法で役柄を変えるというのは映像技術が高くなった今ならではかな。いやでもこうしようと考えた演出が優れてる。大きなセットや場面転換使わなくても観客に理解させて、想像させることはできるのだな〜と感動!
Mr.HのHはhonor始めいくつかの言葉が当てられて、背景にも映し出されるのだけれど、残念ながら覚えていられず…。ヘンリーのHでもあるのでしょう。ウィリアムのLが一つ少ないという設定といい、Hに当てられた言葉の多さといい、ヘンリーに仮託された意味は多いのだろうと思いますが、いかんせん今回一回の観劇では全て掴みきれなかったのが残念です。

岡さんの歌唱は圧倒的で、若い時のアンジョルラスの迫力を思い起こしました。歳を重ねて演技力を増し一つの舞台上で複数の役柄を演じて感動させるのはさすがです!駒田さんは歌はもちろん息子より自身のシェイクスピア愛を優先してしまう利己的な部分を演じる演技力で、なんだかテレビで香川照之さんが演じるような貫禄があるなぁと思いながら見てました。ヘンリーの大内さんは新人さん?繊細なヘンリーには合っていましたが、お歌は今一歩なので今後に期待。

久しぶりのミュージカルでしたがとても楽しめました。羽生さんのアイスショーは最優先な今ですが、
こういう良作があればミュージカルも逃さず見ていきたいと思える作品でした。今後はビリーエリオットを一回は見たいです。

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