【PRM海外調査】PRMとは?BtoBビジネスにおける代理店戦略。
直接販売で、PMFし始めたら、次は代理店戦略を検討・導入しましょう。特にSaaS商材は、「The Model」型の直販こそ浸透していますが、代理販売はまだまだ浸透しきっていない印象があります。
直販のみでアプローチできる顧客には限度があり、代理店ビジネスを始める際には効果が出るまでに時間がかかりますので、早めにアクションを行う事が必要です。3年ほどかかる前提で、代理店戦略を検討してください。
今回は、代理店ビジネスを行う上で必要不可欠な概念であるPRM(パートナー・リレーションシップ・マネジメント)について紹介していきます。PRMという言葉を初めて聞いた方にも理解していただけるよう、詳しく解説しています。
1. PRMとは
PRMとは「Partner Relationship Management」の略で、ベンダーとパートナーの関係を最大化するためのビジネス戦略手法です。
直販など直接顧客とやりとりするビジネス戦略では、CRM(Customer Relationship Management)という考え方が既に日本でも一般化していると思いますが、その考え方をパートナーとの関係管理にも応用した考え方がPRMです。
具体的には、パートナー企業(代理店)に対し、ベンダー(製造元や販売供給元)が販売支援やトレーニングなどを提供することで、代理店ビジネスの売上を最大化する取り組みのことです。
PRMを強化することによってパートナーとの連携が円滑になり代理店ビジネスの長期的な効果が見込めるようになるでしょう。
また、PRMを強化することはベンダー・パートナー双方の売上向上にも繋がるため、しっかりと体制を整えることでWin-Winな関係を構築することができます。
2. CRMとPRMの違い
それでは、CRMとPRMの違いについて詳しくご説明します。
既にご存じの方が多いかと思いますが、CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、顧客関係管理のことを指します。PRMが対パートナー企業であるのに対して、CRMは対エンドユーザーに対して使われる概念です。
PRMとCRMでは、自社と利益源との関係構築という意味合いでは共通しています。しかし、「共に価値創造する相手」であるパートナーと「価値を提供する相手」である顧客では、関係性を構築する方法は全く異なります。自社との関係性構築にあたって、相手にどんなメリットがあるかをパートナー・顧客で分けて考えましょう。
CRMでは、商材を顧客に導入してもらうことでいかに顧客が価値を感じられるかが最重要条件です。そのため、顧客のニーズを察知しそれに合った価値を提供できるようなコミュニケーションが求められています。
一方で、PRMはCRMよりも更に密なコミュニケーションと、共創する姿勢が求められます。パートナーはベンダーの事業の将来性や実現する未来に共感することがモチベーションになり、事業の成功のために尽力する傾向にあります。そのため、ベンダーの商材だけでなく事業戦略などビジネス全般を共有し、パートナーに共感してもらえるようなコミュニケーションが必要です。
また、CRMにはSalesforce Cloud、Sansan、satoriなどのツールがあるのと同様に、PRMにもツールが存在します。ここからは、それぞれの機能の違いについてご紹介します。
CRMツールを使用する目的としては、直販で顧客管理をすることです。顧客の現状や担当者を明確にすることで、効率的に営業活動を行うことができます。
PRMツールは案件管理だけでなく、パートナー開拓から育成までパートナービジネスに関わること全体を底上げするためのデータベース蓄積できます。このツールを使用することで、ベンダー・パートナーがWin-Winな関係の構築を円滑に行うことができるでしょう。
【参考】PRM・CRMツールの違い
3. PRMツールの機能
ここまでは、CRMとPRMの違いについてご説明してきましたが、ここからはPRMに焦点を当てて詳しくご説明していきます。
PRMの強化を円滑に行うためにはツールを使うことが有効です。この章では、PRMツールの機能や、それを使用した際に得られる効果をいくつかに分けて紹介していきます。
1. パートナーのデーターベース構築
PRMツールを用いることによって、パートナー契約の進捗管理や、詳細な情報の記載によるポテンシャルの可視化を行うことが出来ます。
従来はエクセルやスプレッドシートにまとめることが一般的でしたが、PRMツールを用いることによって、作業の効率化を行う事が出来るようになるでしょう。
2. 資料や商品情報の一括配信
ベンダーは複数のパートナーへ情報の一括共有が可能になります。各パートナーごとに資料や商品情報を配信するのではなく、クラウド上で配信することによって全パートナーが漏れなく情報収集できるようになるでしょう。
また、配信した情報に対する反応やログで、パートナーのエンゲージメントを把握することもできます。
3. 案件進捗・報酬の一元管理
ベンダー・パートナー間で営業の案件進捗や、報酬の発生状況を一元管理できます。またSFAなど他システムとの連携で、シームレスな営業フローを実現します。
定期期にパートナーに確認を行う必要がなく、常時互いに情報をアップデート出来るようになるため連携がより円滑になります。
4.PRMツールを活用することで得られる効果
1. パートナーのことを深く知ることができる
代理店戦略を始めるにあたって、最も大切なことは「パートナーをよく知ること」です。各パートナーは異なる性質を持っているため、モチベーションの上げ方や、パートナープログラムで支援するべきポイントが変わってきます。
PRMを導入し、パートナーの情報を管理することで、パートナーそれぞれに対して柔軟に対応する事ができ、効率よく販路拡大を目指せるでしょう。
2. 1つのクラウドに多数のパートナー情報を集めることができる
PRMでは、1つのクラウドサービスにパートナーを集め、さらに繋げることができます。簡易にパートナーを集められるため、パートナー同士のコラボレーションも期待できるでしょう。
PRMはパートナーのトレーニングに適しているだけでなく、パートナー同士で連絡を取り合いさらなるシナジー効果を生み出すことも出来るかもしれません。
3. 最適な支援を販売パートナーに提供することできる
パートナーの状況をPRMツールで管理することによって、パートナーの進捗状況や求めている支援に対してリソースを提供するなどして、瞬時に対応することが可能になります。
無駄な時間を省きパートナーの支援を欠かさず行うことで、モチベーション向上につながり、最終的には利益が上がる可能性が高まります。
以上のように、PRMツールを導入することによってベンダー・パートナー間の情報共有がしやすく、必要なコミュニケーションのみに時間を割く事ができるため、企業間の連携を効率化させたい場合には大きな効果を発揮します。
5. PRMを強化する上で行うべきアクション
上記の章では、PRMのツールを使用するとどのような効果が得られるのかを紹介してきました。
この章では、具体的にアクションを行うべきであるのかを紹介していきます。
1. トレーニング制度
自社の製品をより深く理解してもらうために、パートナーに対して入念なトレーニングを行うことは後々の大きな資源になります。
定期的な勉強会やセミナーを通して、商材の説明や売り方だけでなく、モチベーションの上げ方を教えたり、商材に対して情熱を持ってもらう事が重要です。
2. 認定証の授与
一通りのトレーニングを終えたえら、パートナーに認定証の発行を行いましょう。どのタイミングでどこまでトレーニングを終えたのかが明確になります。
認定後の良いパフォーマンスが期待できない場合は、パートナーの変更やトレーニング方法の変更を検討する必要があるかもしれません。
3. リモートでも行う事ができる「パートナープログラム」の導入
近年、パートナープログラムはリモートで行うことがより重要で且つ不可欠になってきています。デジタル化によって一つのクラウド上に複数の企業が集まることは必要な情報にアクセスする為の障壁を防ぐ事ができるでしょう。
PRMを導入する際には、いかにベンダー側がパートナーに対してサポートを行い、また課題を解消していくかが非常に重要になってきます。
6. PRMツールを導入する上での注意点
PRMルールは非常に便利で効率化に適した機能ですが、導入する上でいくつかの注意点が存在します。
1. PRMツールを使用する上でのルール制定
企業情報や商材の資料、パートナーの情報など多くの情報が一点集中するPRMツールでは、観覧制限や使用者の制限を設ける必要性が出てきます。プラーバシーを守るという観点でも、細かいところまでルールを制定し、大きな問題に発展しないように努めましょう。
2. 販売チャネル次第で、機能しない場合がある
時代の流れに沿って販売チャネルが変わる可能性があるビジネスモデルでは、PRMがうまく機能しない場合があります。例えば、外的要因が原因で販売戦略の根本的な部分を見直す必要性が出てくる可能性もゼロではないことを心に留めておく必要があります。
3. 明確な目的はあるか
PRMを用いる目的は明確に定まっているでしょうか。PRMツールを用いてパートナーを管理することは一つの手段であって本質的ではありません。一つのツールとして有効活用し、パートナーに対する直接的なサポートも怠らないようにしていきましょう。
7. さいごに
今回は、PRMの概念から具体例までを詳しく紹介してきました。
BtoB企業に対して、直販である程度の売り上げが見込めたら代理店ビジネスの導入を検討していただくように促進していますが、代理店ビジネスでの効果が現れるまでに3~5年ほどかかると言われています。
パートナーを育成し、ベンダーとの連携をうまく機能させるまでに時間がかかることを考慮した上で、早めの導入を検討していきましょう。
パートナーサクセスでは国内唯一のPRM(代理店連携管理クラウド)を提供しています。興味のある方は是非一度弊社にご相談ください。
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