Workplace_CSA_職場CSAとは_

Workplace CSA(職場CSA)とは②

Workplace CSAとは①からのシリーズ第2弾になります。JUST FOODのWorkplace CSA Tipsheetを引き続き訳していきます。

シェアのサイズと品目

シェアのサイズや野菜の品目は、会員の興味のほか、農家の専門性、器具や土壌によって決められるべきである。CSAの最初のシーズンの始めには、JUST FOODは農家とコアグループの会員の導入ミーティングをファシリテートする。

オーガナイザーはサイズや品目に対する特定のリクエストを受けることもあるかもしれない。シェアのサイズを変えることは難しいこともあるが、品目についてはフレキシブルであることも念頭に入れるとよいだろう。例えば、CSA会員がわくわくするような新しい作物を育ててみるのもいいかもしれない。


サイズ

CSAのシェアのサイズと内容は農場によって異なる。ニューヨークのCSAのシェアのサイズは、田舎や郊外のCSAに比べて小さいことが多い。CSA会員は外食することが多く、保存や冷蔵のスペースもとても限られており、世帯の大きさも小さい傾向にある。さらに職場CSAの場合は、シェアを家に持ち帰らねばならない。

新しいCSAグループにシェアのサイズを説明するときに、農家は下記の観点から説明すべきだ。

・1週間あたりの品目数
・シェアが何人分か
・1週間あたりのシェアの金額価値

標準的なシェアの場合は7-12種類の野菜が入っており、これは1週間に3〜4人のベジタリアンの人が食べるのに十分な量だ。
そのシェアが何人前の量かでサイズを説明する農家もいる。2012年にJust Foodに加盟しているCSAで価格と品目数、何人分かの平均を出したところ下記のようになった。

400~490ドル:非ベジタリアン2~3人前(週6~8品目)
500~590ドル:非ベジタリアン2~4人前(週8~10品目)
600~650ドル:非ベジタリアン3~5人前(週9~11品目)

シェアのサイズを測るもう一つの方法は換算価格だ。1週間のシェアに含まれる農産物はおおよそ20~28ドル分であることが多い。

会員はきっと払っている金額よりも多くの農産物を得ているように感じるだろうが、あまりにも多くのものを提供してもらう危険もある。
冷蔵庫の中でよく野菜を腐らせてしまうとうな会員は、次のシーズンも続けることは少ない。会員にアンケートをとることは、農場とCSA会員の両者にとって最善なシェアのサイズを決めるのに役立つだろう。

また、価格に関してはファーマーズマーケットでの価格に比べて少しだけお得になるようにすることが大事だ。会員数を維持するためには、1シーズン分のお金を先に払ってもらい、農場にコミットしてもらうのも有効だ。

なお、各品目は料理をするときに使い切れる量に収めるべきで、シェアのサイズはもちろんシェアの価格に関連する。


品目

CSAはたいていシーズン通して、品種の違いも換算すると(ハーブ類も含めて)40〜200以上の異なる作物を提供する。もちろん、多くの会員はレタスやトマト、きゅうり、じゃがいも、玉ねぎといった主要作物が、他の少量の季節の特別な品目で補われることを期待している。通常のCSAメンバーは調理用なりサラダ用の葉物野菜を毎週受け取りたがるだろう。

シーズンの時期にもよるが、シェアは大抵7-12の異なる品目を含んでいる。あまり見慣れない野菜を入れるときには、その作物の説明や調理方法の提案を入れてあげるとよいだろう。年の終わりのアンケートをとると、メンバーがどの品目を好んでどの品目を嫌ったのかがわかる。

シェアのサイズと品種は農場で何が収穫できるかによって、栽培シーズンを通して変化する。シェアの重さは季節によって変わるので、サラダ用の葉物が多い春のシェアはだいぶ軽くなるだろうし、夏のシェはトマトや瓜類、ナスや他の野菜でだいぶ重くなるだろう。

メンバーにバラエティのある野菜を配ろうと努めるうちに、農家はたいてい次のカテゴリーの中からそれぞれ1週間に1種類は配ろうとするようになる。それぞれのカテゴリーを埋められるかどうかはその季節によるが、このカテゴリー分けは毎週何を入れるべきか選ぶためのよいガイドラインとなるかもしれない。

・ウリ科
・ナス科
・とうもろこし・マメ科
・根菜
・ハーブ類(バジル、パセリ、パクチー、ディル)
・葉物(生食用)
・葉物(加熱用)
・ネギ属(玉ねぎ、にんにく、シャロット、ネギ)
・その他(ブロッコリー、カリフラワー、特別な作物)

シェアのバリエーション

ニューヨーク市のCSAメンバーは様々な理由からより少ない量の野菜を欲しがる。小さめのシェアを作るための戦略はたくさんあるので、農場はCSAオーガナイザーと一緒に、メンバーにも農場にとっても良いやり方を決めていくべきだ。

ハーフシェア

CSA会員の中にはハーフシェアの選択肢を欲しがる人もいる。ハーフシェアはオーガナイザーか農家側のいずれかで準備できるだろう。

①オーガナイザーがハーフシェアの担当をする場合
①では、農家が通常のフルサイズのシェアを運び、オーガナイザーがそのシェアを分けるメンバー側で調整する方法を紹介する。

a) メンバーが隔週でシェアをピックアップするパターン
この方法の場合には、農場側は毎週同じ数のフルサイズのシェアを運ぶ。ハーフシェアの会員はA週かB週を選び、自分のシェアを隔週でピックアップする。オーガナイザーは2つのグループが同じ人数になるよう、A週とB週の会員数を管理する。農家は中には隔週でしか野菜を受け取らないメンバーがいることを考慮に入れて、シェアの一貫性と公平性を保つため、AとBの両方のグループに渡している品目を記録しておくべきだ。

b) メンバーがパートナーとシェアを分け合うパターン
同僚は自分たちで1つのシェアを分け合うパートナーを見つけたり、オーガナイザーが同僚たちのパートナー探しを促進することもできる。
パートナーを組んだら、シェアを半分ずつ分けるのか、週を交互にするのか、シェアの中の品目を選ぶのか自分たちで決める。


②農家がハーフシェアの担当をする場合
ここでは農家がハーフシェアのシステムを管理・促進する方法について見ていく。

a) メンバーが隔週でピックアップするためのシステムを農場側でつくる
農場は隔週でピックアップしたい会員に対して、ハーフシェアの選択肢を提供する。会員はA週かB週に割り当てられ、どちらの週かに応じてピックアップする。
農家は手数料としてシェアの半分よりやや割高に価格を設定できる。もし農家がハーフシェアを促進するのであれば、会員間の一貫性や公平性を保つために、農家がAグループとBグループの両方に渡している品目を記録しておく必要がある。

b) 農場でハーフシェアを作る
中にはハーフシェアとフルサイズシェアを毎週分けて作ることを決める農場もある。
ハーフシェアでは、少なめの量で同じ品目が入る。ハーフシェアの価格はフルサイズシェアの半分よりもやや高く設定することが多い。農家はハーフシェアを作りやすいよう、より小さいサイズの野菜(例えば小さいサイズのキャベツやメロンなど)を育てるのも選択肢としてあるだろう。ハーフシェアの場合は1個で、フルサイズシェアの場合は2個受け取る、などとすることもできる。

シーズンを短くする

職場CSAではシェアを受け取る週の数に柔軟性を持たせてほしい、つまりシーズンを短くしたり隔週にしてほしいというリクエストを受けるパターンもある。
こうした柔軟性を持たせることで職場のスタッフがCSAにコミットする時間が最小化されるので、特に最初の1年目には、CSAを許可するようマネジメント層を説得するのに役立つ。このレベルの柔軟性を農家側でうまく確保できるかどうかは農場次第だ。この柔軟性を持たせるために、農場側がシーズン中毎週シェアを届けることを諦めても支障が出ないよう、別の週に配送を行ってくれる他のCSAを見つけることも可能性としてはあるだろう。

シーズンを短くする
秋のシェアだけ(9月〜11月)、夏のシェアだけ(7月〜9月)、もしくは週によって区切る(7月の4週間、9月の4週間、11月の4週間)とすることで、週の数を短くすることもできる。

隔週にする
シーズン中ずっとシェアは分配されるが、隔週で渡される。Kohn Pederson FoxのCSAメンバーは自分たちでシェアを分かち合っている。

品質への期待

会員がCSAに加入する理由の一つは農場から直送の新鮮な野菜を得ることだ。CSA会員は高品質な野菜に対して深い理解がある。CSA会員は一番いい時期の農産物を前払いで買っているお客さんなので、もっとも熱心なお客さんだと言えるだろう。農家さんは会員のコミットメントに対して、高品質で美味しい農産物を渡すことで応えるべきだろう。しかし、農家はCSAの農産物に関して柔軟性を持たせることもできる。味と新鮮さについては決して妥協するべきではないが、見た目に関しては完璧である必要はない。
農家は職場CSAのオーガナイザーと一緒に、農産物の品質についてニュースレターや会話を通して、会員を教育する時間をかけなければならないだろう。

品質について職場CSAが卸売やコミュニティCSAと異なる点

土汚れ
中には土付きの方が長持ちする作物もあるが、多くの職場CSAにとっては、土付きは論外である。農家がその方が収穫後楽なのであれば、根菜などのいくつかの農産物については土付きでも許されるかもしれない。

農産物の大きさ
卸売の場合であれば、農産物のサイズが揃っていることは不可欠である。しかしCSAにおいてはこのような等級分けは不必要であり、妥当な範囲であればサイズが異なっている農産物を渡しても問題ない。

表面の傷
虫によって農産物がだめになることもあるが、ダメージは表面だけであることもある。理にかなった範囲であれば、葉物に虫食いの穴があったとしても農家はそれをCSAのシェアに入れることを考えてもいい。農家は会員に傷のことを説明し、その作物がそれでも食べられるということを伝えるべきだ。農家は二股の人参などもCSAのシェアに入れることができる。農家がシェアに入れるべきでないのは、董立ちによって苦味が出てきてしまった葉物類などだ。

大きすぎる野菜
大きくて木質のようになったビーツや瓜などピークを過ぎた野菜はCSAに入れてはならない。

重度に傷んだ野菜
もし虫食いが味に影響したり、キッチンで使うのに支障をきたすようであればCSAに入れるべきではない。例えば、もし葉物が虫食いでレース状になっていたらシェアに入れるべきではない。

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