窮鼠はチーズの夢を見る
ずっと見たかった映画「窮鼠はチーズの夢を見る」を見てきました。
初めてムビチケを買って、公開初日に見に行きました。
久しぶりの映画館。コロナ対策のため一つおきに席が空いていて映画にのめり込めるある意味良い空間でした。
心に刺さる
ってこういうことなんだって思える映画でした。
流され侍の恭一はきっと愛し方を知らない。
今ケ瀬はある意味恭一に執着していて彼からの愛に気づけない。
現実的な恋愛を願う恭一と、今目の前の恋愛に盛り上がる今ケ瀬
今ケ瀬にある感情は本当に「愛」なのか。
様々なことを考えた。
「心底惚れるってその人が例外になっちゃうってことなんですね」
映画の終盤で今ケ瀬が放った言葉が忘れられない。
それを別れを決めた後に恭一に言ってしまうところも何だか今ケ瀬らしい。
きっと今ケ瀬は執着心が強い男だと思う。彼の部屋には重厚で古めかしい家具がたくさんあった。そこからもわかる通り、ひとつのものを大切にし続ける気持ちが人一倍強いのだと思う。
恭一は流され侍という名が付くほど流されやすい。
2人の違いがやがてすれ違いを生み、今ケ瀬の恭一を翻弄しようとする言動も相まって2人とも翻弄されていく。
最後、いつか帰ってくると信じて今ケ瀬のために捨てられた灰皿を綺麗に洗い、テーブルに置いて彼が座っていた椅子に座る恭一のシーン。
今まで「流されていた」彼が初めて誰かのために「自分から」行動したのではないか。
いつ帰ってくるのか、はたまた帰ってこないのか分からない。それでも待ち続ける恭一の姿はまさにチーズの夢を見る窮鼠であった。
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