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短文小説【この人となら


⬛︎朗読台本としてもお使いください

※←がついてる箇所は声色を変えるなどしても可となります。台本(音声化)として使用する方は以下のフリー台本規約を確認ください

https://note.com/_sakura_san/n/nd1af9b76050a
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このドアを開ければ幸せになれる。だけど……ドアノブに手をかけたまま何分こうしているだろう。
五分かそのくらいだろうとは思うけど、私にはもっと長い時間に感じられた。

頭の中では二人の自分が言い合いをしている。
※「何してるの早く開けて、幸せになれるのよ?」
※※『何を言ってるの! その人の事好きじゃないくせに』

その声に『分かってる』と答えた。
でも私は別の人が好きなのだ……その彼のことを好きでいても進展しないのは分かってる。

だって彼には恋人がいるのだから

分かってるのにまだ踏ん切りがつかない
ドアの向こうにいる彼は私を愛してくれている……早くしなければ
時間を過ぎても自分の元へ来ない私を、心配して彼がこっちへ来てしまう。

私は幸せになるのだ! 幸せになりたい
そう心の中で強く思い
ドアを開け、笑顔で私を待っていてくれているあの人の元へ向かった。