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企業ブランドにとって大敵となる「ズレ」とは?

強いブランドは、あるべき姿が明確です。それがはっきりしていないと、さまざまなズレや問題が生じます。

お客様が期待している価値と企業が提供するサービスがズレていたら、その会社が選ばれづらいことは想像に難しくありません。
ただ「ズレ」については、お客様と企業の間だけでなく、実は企業のなかにも結構あるものです。社員の仕事ぶりや価値観がバラバラでは、その会社はお客様に信用されなくなります。
今回は企業の評価を台無しにする3つの「ズレ」について解説したいと思います。

①企業と顧客の間のズレ

「企業と顧客の間のズレ」は、例えば近所にお洒落で格好いいラーメン店ができると、一時的に話題になったとしても半年も経つと経営が苦しくなるケースがあったりします。その原因は、顧客が求めているのはラーメンのおいしさであり、お洒落や格好良さではないからでしょう。お洒落を求めるのであれば、レストランに行くのではないでしょうか。このように顧客のニーズと企業が発信することにズレがあれば、会社本来の価値や魅力を理解してもらえず、ブランドも確立されないし企業活動もうまくいきません。

企業と顧客の間にズレがあると、
■企業が提供するものと、顧客の求めていることがズレてしまうので、事業や商品・サービス開発がうまくいかない
■企業が伝えたいことと顧客が知りたいことがズレてしまうので、広告や販促活動がうまく伝わらないし、無駄になる

というようなことにつながります。その結果、本来企業が持っている強みや魅力をきちんと理解してもらえず、顧客から選ばれにくくなります。

②企業(経営者)と社員とのズレ

「企業(経営者)と社員とのズレ」とは、会社側がやりたいことと社員の意識のズレのこと。実は非常に多いものです。たとえば、とある運送業者の経営理念が「安全・安心な輸送を目指す」でありながら、現場には「スピード配送」が大事だという目標が掲げられている。そういうギャップがあると、ついつい追い越し運転やスピード違反をしてしまうなど会社側が目指すものと現場の社員の行動に乖離ができ、統一した印象を与えることができません。

企業(経営者)と社員の間にズレがあると
■経営者の考えを現場社員が理解していないため、経営方針が伝わりづらかったり、伝達に時間がかかる
■現場の考えを経営者がわかっていないので、下位の意見がなかなか認められない、上申しても却下ばかりされる

ということが起こります。その結果、社員のモチベーションが低下し、社員にとっては働きづらい環境になるなどのデメリットが生まれます。

③社員同士のズレ

さらに「社員同士のズレ」も結構多いものです。たとえば車のディーラーで、最初に応対した社員が非常に親切で感じが良かったので、5年後に車を買い換えようと同じディーラーに行ったら、別の社員の応対が全く親切ではなくガッカリしてしまう。これは、企業として接客はこうあるべき、ということが社員全員に共有され続けていないからです。それではブランドのイメージが保てず、顧客から継続して選ばれなくなります。

社員と社員の間にズレがあると
■接する社員ごとに印象が異なるので、その会社に対する評価がその都度変化してしまう
■担当者が変わるごとに対応が異なるので、継続してその会社を選びにくくなる

つまり、社員の考えやふるまいがバラバラでは、ブランドが確立しづらく、中長期にわたってその企業を選び続けることができなくなるというリスクがあります。


このような「ズレ」が生じるのは、企業の「あるべき姿」がはっきりしていないことが原因です。
会社として目指す「あるべき姿」をしっかりと規定し、社内で共有した上で、顧客のイメージとのギャップを埋めていく。その活動こそが「ブランディング」といえるのです。

ブランディングで重要なことは、送り手側の「どう思われたいか」と、受け手側の「どう思っているか」のギャップを一致させることです。送り手側の想いと受け手側の意識、その双方を明確にしていくことが、ブランディングの第一歩といってよいでしょう。そして「自分たちがどう思われたいか」と「顧客がどう思っているのか」の間に、できるだけズレがないように、企業のさまざまな活動や社員の行動に一貫性を持たせていくことが、重要になります。


※詳細は、拙著『選ばれ続ける必然』の「第1章 あなたの会社はズレていませんか?」でも触れておりますので、もしよろしければご覧いただけますと幸いです。


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佐藤圭一 (ブランディング・ディレクター)

ブランディング・ディレクター/広報PR/旅人 | 広告会社の営業→ビジネススクール・MBA→ブランドコンサル→企業広報。企業のブランド構築に関する仕事をしつつ、暇さえあれば旅しています(50か国以上)。著書に『選ばれ続ける必然』(講談社)。ブランディングに関する講演・寄稿も時々。
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