夜が明けたら

頭が痛いのは気圧のせいかなと思っていた。
夜は相変わらず足を掴んで奈落に引きずり込まれるみたいに寝落ちする。歩くのが億劫だし、生活のことを思うときやたら悲しい。
なんだろう嫌だなあ元気だったわけなのに、何かあったかしら、もう健康ではなくなっちゃった?などと考えながらとぼとぼと出社し、紅茶の入った水筒を忘れてきたことに気づく。それだけのことで涙が出そうになる。
そもそもこれって何かなんじゃって毎朝思うのは、気をつけても気をつけても忘れ物をする。そのままのことはあまりなくて、だいたい駅の改札くらいまでのあいだに気づいて間に合うなら引き返す。
ハンカチ、カード入れ、ID、読みかけの本、化粧直し用のパウダー、口紅、とか。
忘れたとき用にハンカチは余分に会社に置いてある。化粧品は基本の道具だけでも同じものをもう1セット用意したら良いのでは?と思うがまだしていない(おかねがかかる)。それ以外のものは複数持つことが難しい。
これって何かなんじゃないかなと思ったりする。
何かって何よ。何かは何か。

そんなことでやや落ち込んで出社して席にパソコンや書類や文房具を運び、席について扇風機の電源を入れ…
おや?
もしかしてだけれど、寒いな?!
寒い??? 寒いとは?

寒いっていうのは、さむ、寒い?
これ寒気じゃない?!
もしかしてだけど、これ、風邪じゃない?!??!

そういえば今朝、5時くらいに目が覚めてしまって、鳥も寝ているしそのまま静かに様子を見、て、お布団を引っ張り上げたとき、に、さ。

寒かったよね!

お布団をかけているのに寒いとか、気がどうにかなってしまったかと思った。

なあんだ風邪か。悲しくなる必要なかった。

これまで何か心がダメダメすぎて身体が風邪のようになったことが何度もあったことを最近理解した。身体が風邪すぎて心がダメダメになることもあるんだ勉強になります。
そりゃああるでしょうよ。

在宅勤務がしたいけれど、出社することが苦痛なわけではない。家で仕事ができればかわいいやつがおそらく喜んでくれるのとわたしが嬉しい。あとは身体が楽かもしれない。寝たり起きたり身体を縦に保ったり身支度したりという意味でね。

忘れないでよね

グロテスクだなと思うの。
そしてそう思ったことをすでに忘れつつあり慣れつつある。まだそうではない。でもそうなりつつある。そのことがわかる。

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