怖い話

「手順書は持ち帰って連休中に読みます」と言ったら「それはダメ」とか「やめなさい」とか「病むから」とか盛んに言われたけれど無視して大量に持ち帰ってきた。
しばしば病みになるが(なるか?)そういうことでは病まない。わからなくて仕事に参加できないほうが病むゼ(病まない)。

「どっちのタイプかなと思って」
「何がですか?」
「事務要領とかひとつひとつ丁寧に理解して」
「はい」
「そっちかなー」

そっちじゃない。
はったりでやっちゃって、やりながら覚えるタイプ。言わないけど。

とはいえさすがに何も知らなくてはそれも不可能なので持って帰ってきた。
やらされて休みも返上だと思ったらつらいけれど、読み物だと思って読むなら楽しくない? 好奇心でさ。

反対のことを書きます。反対?
ホテルにチェックインして部屋に入るやいなやこの場所で仕事をした記憶がいまこの瞬間のことのように蘇ってきて吐きそうになった。比喩でなくうおええええとなった。
いけない。新しい記憶で上書きしなければもうこの部屋に泊まれなくなってしまう。
はじめて来たときは資格試験の勉強をしていた。次も、その次も。仕事をしたのは1回だけなのに。あのときつらかったもんね。
仕事じゃない、自己研鑽、え、むり、どうすれバインダー。
記憶がざるのことが悩みなのに、覚えていたいことは忘れて覚えていたくないことを覚えているんだもんね。
いや、ここで仕事をしたことを覚えていたくないわけではなくて、それに付随して苦しい記憶が蘇ってくるのがつらいんよ。仕事は嫌いじゃないもん。

もう一度同じことは繰り返されないので(たぶん)理由や原因を整理する必要はないと考えていたが、強いて思い出すとわたしはたぶん何かを怖がっていた。
でも何をだろう。人?

暇だったのかな。
暇だったのかもしれない。

朝は7時から、休みの日も仕事していて暇だったもないが、体調が悪くて労力と出力が釣り合うことがあまり無かった。けっか、いつも仕事をしているのにたいした成果がない(?)という状況がずっと続いていたような気がする。
そしてたぶん、おそらくはここからが本質で、わたしはそのことが人にバレるのが怖かった。
ある日突然「お前なにもやってないじゃないか」と指さされることを恐れていた。
そしてね、本当におっそろしいことを書く。

バレてたと思うよ。

たぶんわたしがいちばん、この人には知られたくないむしろ良く思われたいと願っていた人全員に、このことはバレていたんだと思う。
そういうことぜんぶわかっていて、大いなる無関心のもとに相手にされていなかった。こんなのさ、面と向かって非難されたほうがましですよ。嫌われていたのか軽蔑されていたのか見放されていたのか、もしかしてもしかしたら気遣われていたのかもわからない。そのことが毎日わたしを死ぬほど苦しめていたんだと思う。

それはね、一時的に役に立つことはありますよ。でも、たまに120点取るけれどそれ以外は50点の人よりも安定して75点の人のほうがいいんですよ。それが80点ならもっといいし、ずっと100点の人だっているんです。死のうかな!

あー。

人の顔色を伺うのってつらいよね。
それだあ。

でさ、そういうときってさ、たいていの場合わたしのほうはその人のことが好きなんですよね。好きっていうかなんていうの、認められたい? みたいな?
100%のピュアネスで好きなんだったらまだいい。どこかおもねってる、この人を好きでいたほうがいいとか、尊敬したいと思っているとか、この人間だから価値があると思って欲しいみたいな。だから信頼関係とかは最初からない。
不幸だな!

というわけで勉強だ。
いま特に好きな人も嫌いな人もいない。好ましいと思う人はいるが変に尊敬しちゃったり意識しちゃったりしてる人はいないし、いたとしても物理的に距離が離れてる。このまま行くぞ。

あんまり誰かを崇拝すると本当の自由は得られないってトーベ・ヤンソンも言ってますでしょ。

お風呂入ろうかな。10日ぶりくらいだな。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?