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【伊勢型紙】見習い日記①

伊勢型紙って最初が肝心。


1.型おこし

まずは、型=模様を選ぶところからスタート。
職人の宮崎さんから、自分が気に入ったデザインで彫るのが一番楽しいとのことで、宮崎さんはじめ生徒さんたちの作品集の中から、選びました。

型がありすぎて悩みに悩みましたが、、私はこの柄を選びました!
お花が可愛くて選びましたが、難易度高め・・・笑

①柄をコピーして、コピーが分割したものについては、柄をあわせる作業。
②柄を合わせたら、テープ止め。
③上下の横のホシからホシまでの長さが同じか定規で測る。
横の長さが一致していなかったら柄をずらして長さを合わせる。
④左右の縦のホシからホシまでの長さが同じか定規で測る。
⑤下の横線を引いて、直角定規で縦線を引く。(横線は上手と下手のいずれでも構わない)
⑥対角線が同じ長さか確認して、ズレていたら、ホシの位置を調整する。


※型おこしで最も大事なことは、『寸法を正確に測ること』
理由は、型紙を送って着物の柄や模様を染めていくのだが、その時に1mmでもずれていたら、最終的に大きなズレがでて柄が収まりきらなかったり、中途半端に終わってしまったり、商品として台無しになってしまうから。

このあとは、2パターンに分かれる。

【パターン1】型紙の下にカーボン紙をしいて、柄を描く。
カーボン紙で模様を型地紙にうつして、それから彫り始める。こちらが一般的な作業方法だそう。

【パターン2】コピー用紙の上から直接彫る。
職人の宮崎さんは、カーボン紙はうつすのに時間がかかるため、コピー用紙から直接彫り始めるそう。

貼ってはがせるスプレー糊を使って、型地紙に貼って周りをテープで止める。

▼【パターン2】のバージョンで作成中

最後に、
⑦くちとり紙を後ろに貼り付ける
表でみたときに、模様:余白=1:1の位置で、上手の裏に貼る。
テープは上手の柄がない側に貼り、最後上部の左右にテープを貼る。

⑧ホシを5番の錐彫りで孔を開ける
場所が固定された印として、四隅のホシを錐彫りで開ける。

2.小刀の使い方(引き彫り、錐彫り)

左:引き彫りに使う小刀、右:錐彫りに使う小刀

引き彫りは、直線やカーブなど小刀を引いて彫っていく彫り方。

錐彫りは、回転させながら、小さな孔を開けて彫っていく彫り方。

3.1円玉を使ってひたすら練習

型地紙に1円玉で円を書いて、円に沿って小刀で彫る練習をひたすらしました。小刀の持ち方や彫り方に慣れていなくて難しい。きれいな円を描けるように頑張る!

4.用語・学んだこと

・送り先を長くとっておく場所を「えんば」という。発注元によって「えんば」が必要かどうかは異なる。基本的に10cmほど。もし、「えんば」がいらない場合は、上下5cmでOK。ちなみに横幅は左右それぞれ5cmあればOK。

・型地紙にコピー柄を乗せるときの配置方法
型紙の上下を見て、
柄が飛び出ている柄になっている方が、送られる側=下手(しもて)(10cm)
柄が飛び出していない方が、送る側=上手(かみて)(5cm)

・型地紙(渋紙)には表と裏がある。つるつるした方が表ざらざらした方が裏。柿渋を塗った跡が残っており、刷毛目があるほうが、裏となる。

・送りで使う紙のことを「くちとり紙」という。彫り始める順番はくちとり紙がある方から始める。

・4隅の丸い点は「ホシ」といって、送る際の目印となるもの。5番の錐彫りで彫る。

・持ち帰るときには裏を内側にして丸める。(絵柄が外側)

5.最後に

とにかく、最初が肝心。彫るよりも何よりも、寸法を正確に図ることが大事だということ。そして、小刀の使い方が本当に難しい。慣れだとは思うが、指の使い方や力加減が難しい。力を入れすぎず、なめらかに。今はガタガタの1円玉だけど、少しずつ綺麗に彫れるようになりたいな・・・😄

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