【シャニマス】Voアルストにおけるキュン甜花とかしまし甜花の比較
【2023/5/2追記】
執筆した2022年秋から環境が変化し、2023年春現在、本記事の情報はあまり参考にならないものとなっています。
参考として記事は残しますが、本題である「キュン<かしまし」という考え方は、現在では逆転したと思っています。
筆者の頭の中にあるトピックを、以下に箇条書きします。
・リンク回数制限により、多リンクPLでの高得点が見込めなくなった
・フェスマ重視のVoFLF・Ceひとひら編成の価値が高くなった
・ひとひらの思い出倍率に渾身が絡まないため、〆Tの回復パッシブの価値が下がった
・LeにMV甘奈を置けるようになり、初手に複数回復パッシブが鳴くようになったことで、VoFLFの全体札の火力が上がった
・初手がサマハニ縦札からFLF全体札になったことで、キュン白の弱さを相対的に許容しやすくなった
・背水と比較して渾身のパッシブが薄い状況となったため、キュン金の価値が高くなった
筆者は最近Voアルストを触っておらず、上記は机上の考えであり、実践を経ていない点はご了承ください。
また、改めて見返すと、記事の本文に明らかな誤りがありますが、前述の通り本記事の内容は既に過去のものとなっているため、修正は行いません。おかしいと思った箇所は、適宜読み替えていただければと思います。
追記以上
1. はじめに
こんにちは。シータ(@_th3ta)と申します。
「Vo極縛りのシータ」という名前でグレフェスをエンジョイしています。
突然ですが、先日2022年10月20日に行われた「アイドル性能上方修正」アップデートは衝撃でしたね。
電撃オンラインに掲載された3周年記念のインタビュー記事で、高山Pはカードの性能の調整について消極的な姿勢を見せていたため、突然のアップデートで界隈に衝撃が走りました。
今回のアップデートで性能に調整が入ったカードの一覧・評価は、すでに他の方が記事や動画にされていらっしゃいますので、そちらをご覧ください。
しらたまあんこさんの記事はこちら
Lycoさんの記事はこちら
愛幸Pさんの動画はこちら
各記事・動画で言及されている通り、上方修正されたカードの性能は概ね「使い道がない」から「カードプールが充実していないなら択に入る」になったかな、というレベルで、グレフェスの環境が大きく変わるような修正はありませんでした(当たり前ですね)。
ただ、例外的に「これは結構デカいのでは?」という修正が入ったカードもありました。
そのひとつが【かしまし、みっつの願いごと】大崎甜花です。
修正内容は以下の通り。
上限100→125の修正は上方修正には間違いないですが、軽微すぎますね。
Voマス体力7はわりとデカいです。
STEP育成でのマスタリー体力の価値は非常に高いです。
育成で足を引っ張らずに済みます。
問題はここからです。
金バフの上方修正がデカすぎます。
メンタル5%回復に、Vocal65%UPというある程度高い数値のVoUPが付いたうえ、条件は変更なし。
メンタル80%以上で20%、しかも5回鳴きます。
自分はこの情報を見た瞬間に、1凸だったかしまし甜花にはづきを3枚突っ込み、リーダーと脇を再育成して、その日の夜に残留点を出しました。
この金バフのデカさは、実際にVoアルストを使っている人以外には伝わりづらいかもしれません。
世間的にはまだまだ、流石にキュン甜の方が上でしょ、という評価が主流ではないでしょうか。
しかし個人的には、キュン甜を抜いてでもかしましを採用するメリットの方が大きいと考えています。
この記事では、今までVoアルストをやる上で必須カードだった【キュン!とwith us】大崎甜花と比較する形で、上方修正された【かしまし、みっつの願いごと】大崎甜花について、主にパッシブの面から語っていきたいと思います。
2. 前置き
2-1. Voアルストの基礎知識
念の為、Voアルストの基本的な性能について書いておきますが、この記事を読まれる方の9割はご存知の内容だと思いますので、読み飛ばしていただいて大丈夫です。
2022年のVoアルストの軸は、4月1日に実装された【Feel Like Flower】大崎甜花です。
ライブスキルと思い出アピールの追撃に「回復回数増加で効果UP」という新しいギミックが採用されています。
ライブスキル・パッシブバフ・自身で付与したリラックス効果が回復回数にカウントされ、4回で最大倍率になります。
思い出アピールは本体付随の渾身3倍・追撃最大3.5倍で合計最大6.5倍。
非常に強力です。
問題は、高速化が進み3〜4Tで決着するグレフェス環境下において、4回の回復回数をどう確保するかです。
当然、ライブスキルを打つことによる回復だけでは回復回数を確保できないため、パッシブスキルで回復回数を稼ぐ必要があります。
【Feel Like Flower】大崎甜花自身も回復パッシブを持ってはいますが、他に回復パッシブを持つVoのアルストのカードは少なく、サポートで積極採用できるのは【キュン!とwith us】大崎甜花くらいでした。
【キュン!とwith us】大崎甜花のパッシブバフは以下の通り。
白バフはVoUPの数値こそ低いものの、3ターン以前・確率20%・2回発動と回復回数を稼ぐにはうってつけ。
金バフもVo85%UPで3T以降と優秀で、後にアンティーカの強力なサポートカードが出るまでは生命線と言えるバフでした。
以後、現在に至るまで、【キュン!とwith us】大崎甜花は、【Feel Like Flower】大崎甜花センターのVoアルストでは採用必須、サポートカードの要と認識されています。
2-2. 略語
本記事で使用する略語は以下の通りです。
キュン:【キュン!とwith us】大崎甜花
かしまし:【かしまし、みっつの願いごと】大崎甜花
かわいいひと:【かわいいひと】白瀬咲耶
マーメイド:【murmurmaid】田中摩美々
ホラー:【こんなのホラーでしょ最悪】七草にちか
団子甜花:【Feel Like Flower】大崎甜花
短距離:審査員の興味値が低いルール
長距離:審査員の興味値が高いルール
LS/札:ライブスキル
また、ホラーにちかのパッシブは、便宜上Vocal60%UPを白、Vocal110%UPを金、Vocal200%UPを虹と呼称します。
2-3. 使用したシミュレータ
パッシブのシミュレーションには、椎さん作の以下のツールを使用させていただきました。ありがとうございます。
3. 本題:キュンとかしましの比較
3-0. バフ構成
編成の詳細は長くなってしまうので省きますが、パッシブの軸としてかわいいひと・マーメイド・ホラーの3枚は必須で編成しています。
取りたいバフは全部取れたものとして、キュンを採用したパターンとかしましを採用したパターンのバフ構成は、それぞれ以下の通りです。
グレーの項目は必須ではないバフ、取ったり取らなかったりするものです。
今回のシミュレーションでは、かわいいひと・マーメイド・ホラーの白を
Leと脇2人に積んだパターン
Leだけに積んだパターン
誰にも積まないパターン
の3パターンに分けて検証を行いました。
キュンの白バフ、かしましの金バフは必ず先頭で取ります。
3-1. パッシブの厚さの期待値
キュン採用型では白と金を取り、かしまし採用型では金しか取りません。
積んでいるバフの個数が異なる形ですが、パッシブの期待値にどう影響するでしょうか。
まずはVoUPのパーセンテージです。
1〜3T目は、かしましの方が概ね20%程度上回っています。
キュンの白バフのVoUP35%という低さが影響しているようです。
初手サマハニは短距離のフェスマ、長距離のPL・フェスマいずれにおいても重要な一手です。
1T目のパッシブの厚さという点では、かしましの方が優位ですね。
短距離の3Tフェスマを見た場合も、かしましの方が優位と言えるでしょう。
逆に4, 5T目はキュンの方が20〜40%程度上回っています。
金バフの数値の高さが顕著に出ています。
長距離ルールのフィニッシュターンのパッシブの厚さという点では、キュンに軍配が上がりそうです。
(伏線:4, 5T目に30%前後厚かったとしても…?)
また、かわいいひと・マーメイド・ホラーの白が「なし」の場合、かしまし採用型は5T目で既にガス欠を起こしていることが見てとれます。
長距離ルールを見た場合、マーメイド金を一番後ろで取ったとしても、厚さの観点で言うとかわいいひと・マーメイド・ホラーの白は積んだが良さそうですね。
3-2. パッシブの個数の期待値
パッシブは可能な限り6枠埋まってほしいですよね。
今度は鳴き個数の期待値を見てみましょう。
全体を通して、キュンとかしましであまり差がないですね。
1, 2T目は若干かしましが上回っているようです。
逆に3, 4, 5T目は若干ですがキュンの方が上回っています。
ここは積んでいるバフの個数の差が出たのでしょうか。
かわいいひと・マーメイド・ホラーの白が「なし」の場合、キュン・かしましどちらのパターンでも期待値が5.5を下回っています。
やはり6枠しっかり埋めるという意味でも、かわいいひと・マーメイド・ホラーの白は積んだ方が良いように見えます。
3-3. 回復回数の期待値
徐々に本題に迫っていきたいと思います。
ここまでの比較では、キュンとかしましはそれぞれ良し悪しであり、あまり大きな差もないように見えます。
そして上記の通り、パッシブの厚さ・個数という観点で言うと、かわいいひと・マーメイド・ホラーの白は積めるだけ積んだ方が良いように思われます。
ではここで、回復回数の期待値を見てみましょう。
ご覧の通り、1, 2T目に回復回数の期待値が1を超えるのは、かわいいひと・マーメイド・ホラーの白が「なし」の場合のみです。
思い出アピールを打つまでにサマハニは確定で打つので、パッシブで回復したい回数は、できれば3回です。
団子甜花自身のLSでも回復できますが、短距離ではセンターの札はなかなか切れません。
4T〆想定だとしても、脇の札を切った場合、パッシブで3回回復しなければ思い出で最大火力が出せません。
そしてその点、キュン採用型の3T目の期待値の低さはかなり痛いです。
回復回数4回の条件を満たすのは、特に短距離では案外難しいのです。
回復回数の観点から言うと、キュンはかしましに比べて、鳴きに大きな不安要素を抱えていることが分かりました。
また、かわいいひと・マーメイド・ホラーの白は必ずしも積み得とは言えないようです。
3-4. 思い出アピール倍率
ここからが本題です。
キュン採用型が4T以降のパッシブでの回復手段に乏しいことのデメリットは、回復回数の不安定さに留まりません。
団子甜花の思い出アピールは、本体に渾身3倍が付属しています。
パッシブでの回復手段に乏しいことが、イコールで思い出火力の低下に直結するのです。
回復LSはあえてノーマル以下で打たない限り、後から審査員に口撃される可能性が残ります。
アピールフェーズに回復する(LSを打つ前に回復する)手段は、パッシブとリラックスしかありません。
回復回数の期待値を見ると、かしまし採用型は4T以降も概ね0.7程度を維持しています。
表には載せていませんが、6T以降も0.7程度を維持します。5回発動の恩恵ですね。
4T目にかしまし金バフが1個鳴いた(5%回復)と仮定して、思い出付属渾身3倍のアピール倍率を被弾回数別に見てみましょう。
(メンタル値の5,230は、LeのMeが1,500、Ceが500、Voと脇が110の場合の数字です)
パッシブが30%高い程度では、倍率の差を覆せないということが分かります。
このゲームで一番偉いのは"倍率"だと改めて痛感しました。
上記ではあえて影響力2倍の4T目の例を挙げましたが、影響力213の3T, 5T〜の結果は言わずもがなです。
思い出火力の面では、フィニッシュターンのバフの厚さに優れるキュンより、回復の安定感に優れるかしましの方が採用価値が高いことがお分かりいただけたと思います。
また、面倒でもLe育成で頑張ってMe頭ノウハウをやってメンタルを盛ったり、脇専用の本を作って打たれ強いやメンタル回復量+を積むことが、思い出の倍率=火力に直結するということが分かりますね。
3-5. 育成について
以上、長々と「キュンよりかしましのパッシブの方が偉い」ということを書いてきました。
育成面ではどうでしょうか?
キュンはVoマスSP16、ユニマスSP8、パフェマス3を持っています。
かしましはVoマス体力7を持っています。
残念ながら、マスタリー体力を評価して数値化できるシミュレータを見つけられなかったので、データは出せません…
が、そもそも論として、キュンもかしましも、育成面で強いカードではありません。
カードプールが充実していれば、Voのサマハニ育成には基本的にどちらも入りません。
そしてLeと脇の育成は、ステよりアビとパッシブが重要です。
そういった意味でも、自分はキュンよりかしましの方が採用価値が高いと考えています。
もちろん、キュンとかしましの混在も全然ありです。
カードプールが充実していない場合、サマハニや甘奈の育成にキュンを使い、Leや脇の育成にかしましを使うのは有効な手段だと思います。
4. おわりに
まとめです。
団子甜花の思い出アピールの最大火力=本体付属の渾身3倍+回復回数依存の追撃3.5倍を出すうえで、キュンよりかしましの方が、回復パッシブの面で優れていると言えます。
かしましよりキュンの方が4T〜のバフの厚さに優れるものの、倍率を覆せるほどではありません。
改めて言及するまでもなく、思い出火力の高さは、フェスマスター・PLを狙う上で非常に重要なポイントです。
グレ7など高グレードの残留・昇格により寄与してくれるのは、キュンよりかしましのパッシブの方でしょう。
また、育成面ではどちらも優秀とは言えない性能のため優劣はなく、パッシブが優れているかしましの方が、キュンより採用価値が高いというのが個人的な見解です。
また、かわいいひと・マーメイド・ホラーの白バフは、回復回数を考慮に入れると必ずしも積み得とは言えず、Leだけに積む、脇だけに積むなどの工夫が必要と言えるでしょう。
かしましの上方修正情報を見た時、こっちの方が絶対に使える!!と感覚で判断してはづきを突っ込んでしまったのですが、今回シミュレーションを行った結果、データとしても間違っていなかったかなと思えたので、良かったです。
ご意見、ご質問などありましたら、Twitter(@_th3ta)までお寄せください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。