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推しが舞台で主演を演じた話



推しが舞台で主演を演じた。


このお知らせが目に入ったのは 10月22日の4限の時


夢かと思った。


「外部舞台」「主演」


やっと推しが世間に見つかった気がした。


公演数でギネス記録を持っている作品に出演。



それも主演として。


すごく嬉しかった。


簡潔な言葉でしか表せない自分の語彙力を恨む。


でも、言葉では言い表せないほど、


すごくすごく嬉しかった。


余談だけど、私たちがその情報を耳にした時、
推しも同じタイミングで知ったらしい。



発表から当落、公演開始までとてもあっという間で、



何気なく過ごしていたら、私の足は会場に向かっていた。


気付けば席に座っていた。



オタク特有の「会場前で写真撮影」とか「アクスタ持って記念撮影」とか、



そんな恒例行事を忘れて、席に座った。



私が舞台に出るわけじゃないのに 緊張して、


私が見られるわけじゃないのに身だしなみを気にして。



でも前に「客席からの緊張感って結構伝わってくるからね!笑」と言っていたのを思い出した。


深呼吸。


緊張を収めた時には 推しが舞台で前説をする直前だった。


噛まないかな。


セリフ間違えないかな。


大丈夫かな。


そんな心配なんて、彼には必要なかったみたいで、


…まぁ、噛んでたけど。



セリフからト書きまで読む演者、初めて見た。



舞台はミステリー作品で、この結末は誰にも言ってはいけない。


観劇した人にしか分からない空気感が大好きだった。


彼の演技は勿論、声や発音、全てに魂が篭っていて、


この舞台の一瞬一瞬をチャンスだと、そう思って演じている彼がとても素敵だった。


彼は頼もしい座長だった。


こんなに幸せな舞台、初めてだった。



こんなに見応えがある舞台、初めてだった。


いつも私の初めてを奪っていく彼は狡い。


それにまんまと嵌ってしまうのは私なんだけれど。




私がこの舞台を見たのは 1月18日、19日、20日、そして大千穐楽の23日の計4回。


座席も、センターブロック、上手ブロック、最下手、最上手。全ての座席を経験したと言っても過言ではないと思う。


色々な所から見ても 素晴らしい舞台であった。


何回見ても飽きない物語。


お話は勿論なんだけれど、1日1日、演者8人が進化していて、


時々アドリブがあって。


この作品に携わっている全ての人が、


この作品を愛していて。


定員300人という小さな会場は、愛で溢れていた。


それは、カンパニーの皆様からの愛も勿論だけれど、観劇したお客さんからも 愛が溢れていた。


どんな形であれ、どんな音であれ、どんな色であれ。


色々な素敵な愛が あの俳優座劇場に溢れていた。




1月23日、大千穐楽。


…彼は最初から噛んでいた。


…可愛かった。


ちょっと、いや、かなり悶えた。


彼の緊張が 客席に伝わってきた。


それぐらいが人間らしくて丁度いいんだよ。


でもやっぱり 演技になると彼は役に入り込んで、


前説で噛んでいた彼からは想像が出来ない迫力と、声量と、表情と。


全てが、あの会場全てが、彼に支配された。


最終公演だから アドリブが盛大でとても面白くて、


「やっぱりこのカンパニー大好きだ!!」


改めてそう感じた2時間だった。


たった2時間で心を夢中にさせてしまう彼らは狡い。


何度でも言う。


…狡すぎる。


カーテンコール。


いつもはお決まりのセリフをちゃんと決める彼なのに、


大千穐楽という大事な舞台で間違えた。


…彼も人間なんだなぁ。


どうしてもそんな可愛らしい彼から離れられなくて、


やっぱり好きだな。


そう実感した大千穐楽。


彼は大千穐楽で泣くだろうと友人と話していたけれど、


彼は立派に成長して、涙ではなく笑顔を見せてくれた。


…多分私の方が泣いていた。


涙が出る程温かいカンパニーはこの世に沢山存在すると思う。


でも、私が初めて出会った温かいカンパニーは、


推しが初主演で出演した舞台のカンパニー。


彼がそのカンパニーの中にいる。


それだけですごく嬉しくて。


「今時彼のような真面目な子は中々いません!」


そう言って 彼の事を褒めていた演者さんもいる。


彼はきちんとした座長で、


彼は輪の中に入ったのではなくて、


輪を作った一員なんだと。


なんて素敵な人なんだ。


私の推しはこんなにも頼もしくて、


こんなにも格好良くて、


こんなにも優しくて、温かい人なんだ。


あぁ、彼を好きになってよかった。


彼にとって私は何万人のうちの1人。


でも彼の為なら全力で戦うし、


全力で応援したいと思う。


いや、応援する。


彼らに強い風が当たっても、


手を繋いで一緒に歩んでいきたいし、


一緒に素敵な景色を見たい。


「一緒に見よう」


そう言ってくれる彼らを信じて、


これからもずっと。


改めて、全17公演。
完走おめでとうございます。

この状況下で無事に幕が上がり、
そして無事に幕を下ろせたこと。

本当に嬉しく思います。

「またこのメンバーでやりたい!」

そうやって口にしていた皆さんを見て、
本当にこのカンパニーが大好きな人たちなんだと改めて実感しました。

私も、機会があればもう一度…。

今は体をゆっくり休めて、また素敵な作品を見れますように。



そして何より座長の椿泰我くん。

初めての外部舞台、初めてのストレートプレイ。
沢山の初めてで不安だらけだったと思う。

でも貴方は覚悟を持って この作品に挑んだ。

「期待してていいよ!」

その言葉を信じてよかったと思っています。

貴方を好きになって本当によかった。

全17公演、本当にお疲れ様でした。



やっぱり、推しって素晴らしい。


推しのいる生活、楽しい。


次の現場が待ち遠しい。




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