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好きなものを仕事にしてみて 5年7ヶ月分

好きなものを仕事にしてみて 5年7ヶ月分

好きなものを仕事にするということ、がどういうことがわかってきた。
約5年7ヶ月分働いてみて感じた、今この時期の、その記録。

1.商業デザインってこういうことか
2.好きすぎると仕事にならない
3.お金もらってなんぼ

・結局

【1.商業デザインってこういうことか】

私は、世間的にわかりやすく言えばデザイナー。
グラフィックデザイン学科の学校に通った後、広告やカタログなどの制作会社に就職。
転職は1度で、今は多媒体を扱う制作会社で、DTPを含めた動画等の企画にも足を突っ込み始めているような状態。

もともと、いわゆるグラフィックデザインが好きだった。
たくさんのフォント、尖ったポスター、広告賞…
好みとしては、余白たっぷりの、なんなら要素は最低限に抑えに抑えていて、細いスッとした線やベットリと大胆な面がいい味を出しているような、もの。


学生時代につくったものは、友達からはいいねと言われるのに、先生からの評価は低かった。

デザインはアートではない。よく言われるが。アートが感覚的なら、デザインとは論理的ではないだろうか。
なぜその色を選んだか?書体一つにも理由が必要。
なぜなら、お金を出してくれる人を納得させないといけない。(納得というか満足というか…)
この仕事に就いてしみじみ感じたのは、「つくる」より「選ぶ」ことの方が難しく、重要だということ。
「選ぶ」に必要なのは根拠、経験、実績。
学生時代に、大阪ステーションシティのロゴマーク(青と黄色の二重丸)を見て、友達と冗談交じりに「あれなら私たちにも、つくれるよね」と言っていた。
でもね...


A:あのロゴマークをPCで制作することは、多くの人ができる。
B:あのロゴマークをアイデアとして考えることのできる人も、まあまあいるだろう。
C:ただ、あのロゴマークを、大阪ステーションシティのロゴ案として通し、正式な発注をもらえる人は…?

ぐっと減るのではないか。
学生でBまでできたとしても、Cは絶望的に無理だろうと思う。
まず、依頼が来ないし、話も来ない。同じ案を有名デザイナーが持ってきたとしたら、そちらに発注をするだろう。
それは、経験があるから。つくった後にも正解だったかどうかわからないデザイン、実績で納得する&させるしか制作者もお客さんも、終わり(完成)をつくれないのだと思う。

【2.好きすぎると仕事にならない】

仕事の速い方がいる。安定の高品質で。

その方は、デザインがさほど好きではないらしい。
美大も出ているのに、デザインにかける情熱が低め…
嫌いではないんですって。でも思い入れはそれほど無いため、一定の質で早く終わるよう色々な工夫と努力をしている訳です。

衝撃でした…そして、だから私は制作作業に時間がかかってしまうのだな、と気づきました。

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