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基本情報技術者試験をどう対策し合格したかの話

試験対策を効果的に行うためのポイントを解説します。まず、目次を参照して必要な情報に素早くアクセスすることが重要です。この国家試験の勉強において重要なポイントを押さえ、効果的な対策を行いたい人は必見です。


基本情報技術者とは

基本情報技術者というキーワードを見てこの記事が目に留まった人は、おそらく既にご存知かと思いますが、簡単に説明すると、ITの専門家を目指す方やDX業務に従事する方にとって、重要な国家試験です。
しかし時代の進展は日進月歩であって、IT人材という言葉が「プリウス化」するのもそう遠い未来ではないと思います。IT知識は普遍的な知識になりうる分野です。

基本情報技術者試験は、この情報処理技術者の枠組みでいうと、一番下位の国家試験になります。下位と言われると簡単なように聞こえるかもしれませんが、どちらかというと上位の資格枠(所謂スペシャリスト)を多く用意している、と言う方が正しいように思います。

社会人は全員この資格をとったほうがいい

会社や大学においては、「まずはITパスポートの取得をおすすめします」という場もあるかもしれませんが、同じく時間をかけるのであれば、基本情報技術者を目指すことを強くお勧めします。その理由は以下の通りです。

  • いずれ基本情報技術者も取る必要が出てくるから

  • 出題範囲・ジャンルも広いが全て業務内で有効活用できるから

いずれ基本情報技術者も取る必要が出てくるから

もしITパスポートを取得した場合でも、これはたとえるならば、「ワードやエクセルを使える」「ブラインドタッチができる」と言っているようなものです。この時代にその程度の資格を取得したとしてもあまり意味がありません。ITパスポートを取得した人であれば、将来的には基本情報技術者の資格取得を考慮することになるでしょう。ですので、貴重な時間を費やすなら、最初にもう一つ上の基本情報技術者の資格を取得する方が良いということに繋がります。

出題範囲・ジャンルも広いが全て業務内で有効活用できる

試験対策をしてみてわかったことですが、出題範囲が広範囲にわたります。参考書は暗記部分だけで500ページを越えます。
参考書を開く前までこの資格は、パソコンのデータの仕組みを知ってます。プログラムコードを読めます。という知識だけを公的に認定してくれるものだと思っていました。
しかしながら、それらは出題範囲のうち6割程度で残り4割はプロジェクトの進め方だったり法律や会計経理に関係するものも含まれていました。

これら4割の部分は一般的な会社員であれば、技術職・営業職・事務職分け隔てなく全員知っておくべき事柄ばかりだと感じました。もちろんそれらは実務の中で経験していくので事前に知っておく事は必ずしも必要ありません。
しかし体系だった知識としていインプットする機会は業務の中にはありません。

以上から社会人の、特に新社会人から中間管理職以下の、人たちはこの資格を取ったほうが良いという判断に至ります。取ったほうが良いというより、今後10年先を考えるとこの出題範囲のこと全部知っておいたほうが良いからついでに資格も取れる基本情報技術者試験を受けたほうがいい、というのが意味合い的にしっくりきます。”手段が目的”になるのを防ぐためのマインド設定です。

テスト結果と試験合格までにかかった日数

※6割合格
1回目
科目A:550/1000点
科目B:590/1000点
2回目(1ヶ月後実施)
科目A:645/1000点
科目B:690/1000点
合格までにかかった日数
約2.5ヶ月(平均1.5時間/日)

購入した参考書&サイト

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

令和5年の過去問を出している公式サイト

令和5年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 柏木先生の基本情報技術者教室(情報処理技術者試験)

これ1冊あれば問題なし

基本情報技術者過去問道場

科目A,Bの過去問を網羅している。過去問道場は答えるたびに広告が出てきて邪魔だがそれを越える充実度。答えた過去問の復習だけでなくどの分野の点数が低いかのデータ整理結果も出せる

IT学校さいとうさん

科目B対策 オリジナルの科目B問題を出している

WordHolic

用語記憶のための携帯アプリ。過去問を解いていて覚えたい用語が出てきたらこちらに記入して寝る前や隙間時間に見直していました。忘却曲線が下がらないようにするおすすめアプリです


勉強方法1 アウトプット多めがいい

勉強初期は、参考書を1ページ目から順番に進めていましたが、前述の通り500ページ近くを覚える必要があります。数日経ってもページ数が減らない現実に滅入りました。
なので参考書内にある練習問題(過去問)を先に取り組むことに早々に切り替え、わからない問題を重点的に前ページに戻って知識として入れることにしました。

インプット→インプット→インプット→…→アウトプット
ではなく
アウトプット→インプット→アウトプット→インプット
が重要と思いました。

1日あたりの勉強時間もあまり取れない日が続いていました。したがってより過去問に触れる時間を増やすため

過去問サイトを解く(アウトプット)
→(インプット)初見の分野・単語が出てくれば参考書の索引で検索し、必要な章を勉強
→(アウトプット)参考書付属の過去問を解く
→知らなかった知識の目印として参考書に付箋をつける
→(インプット)過去問解いている休憩中に付箋部分を読み返す

というフローに切り替えました。より実践形式に近い場に身を置いた勉強方法です。

勉強方法2 科目Aで安心したいなら過去10年分の過去問を解く

私は過去6年分の過去問を繰り返し解いていました。これだけでも無事合格したのでよかったのですが、やはりもう少し範囲を広げておけば試験中も安心できただろうと感じました。
このあたりは確保できる時間との相談かと思います。

勉強方法3 参考書の文章でもわからない箇所はYOUTUBEで勉強

参考書でほぼすべて事足りましたが、どうしても過去問の出題内容と参考書の内容がリンクしない箇所がありました。

ヒープソート

参考書では2分木の項目で出てきますが、ここではあくまで2分木のイメージ図におけるヒープソートです。実際には配列内やDBで処理されますがそれのイメージが参考書ではうまく掴めません。私はこれらの対策のためこちらのYOUTUBEで勉強しました。

デジタル署名

こちらも参考書の内容ではすこしわかりにくかったので、動的な資料で理解しました。

勉強方法4 時間があるなら科目B対策はPythonコードを実際に書いてみる

試験概要が科目A,Bという形式になってから、科目Bは擬似言語コードになりました。この擬似言語というのがPythonコードと親近感が高いものになっています
私はたまたまPythonコードの基礎をすでに業務内で扱っていたので、科目Bはかなり助けになりました。1回目のテストは科目Bの勉強時間はほぼゼロでしたが、590点を取得できました。

自分のPCにPython環境を構築する方法を紹介しているサイトや動画はたくさんあり、かつ簡単なので、ぜひ一度コードを書いてみるのをお勧めします。
科目Bではそれほど難しいコードは出てきません。必要な知識はIf文、For分、While文、引数と配列、あとは関数だけです。これだけなら8時間あれば一通りコードを書けるようになります。

コードってこういうものなのかと理解できた後は、YOUTUBEの科目B対策動画を実施してそのあと過去問をやるのが順番的に良いと思います。

過去問はC言語などもあって最新出題方法には必要のない項目も含まれます。ですので過去問は腰を据えて解くと言うより、どのような問題形式が多いかの傾向を知る目的で解くという心構えが良いと思います。

勉強方法5 科目Bのセキュリティ対策は科目Aの勉強で事足りる

科目Bにもセキュリティ関係が出てきますが、問われる内容は科目Aと同じです。科目Bのこの分野は科目Aでの設問文章が長くなっただけです。もちろんセキュリティ関係の過去問を解くのも必要ですがそれよりもコードになれる時間を多く確保するほうが効率が良いと思います。

さいごに

私はもともと基礎知識が少しあったので、累計勉強時間が約110時間程度でした。非社会人やコードに慣れ親しんだ人ではない方はこの時間を1.5倍から2倍程度は必要だと感じました。

これら勉強方法が資格取得を目指す方の一助になれば幸いです。


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