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FF14の大躍進に迫る小さな影 集客と集客層#02

タイトルの考えに至った経緯を示す前に、前提情報が必要になる。

発売初期に焦点をあてていた客層はどこか

そもそもオンラインゲームは長く遊んでもらうことが重要なので、オフラインゲームのような客層の絞り方ではないのがとても興味深い。
FF14のコンセプトは、この記事が記載している通り「ファイナルファンタジーのテーマパーク」がコンセプトだった。

FF14ゲーム内ではFF3で登場したクリスタルタワーの物語設定や、歴代敵キャラの登場、著作権上導入難易度が高い音楽もうまく再編集されFF14ゲーム内に落とし込まれている。

そしてファイナルファンタジーシリーズは1987年からスタートしたシリーズであって、1作目発売日に購入された方が仮に高校生(16歳)だったとすると、FF14発売日(2013年)時点で42歳である。

その他代表的なナンバリングタイトル発売日に購入した人が16歳だったと仮定を置いた場合の、FF14が発売された2013年時点での年齢を示すと、

FF5(1992年発売)_FF5期:16歳+21年=37歳
FF7(1997年発売)_FF7期:16歳+16年=32歳
FF10(2001年発売)_FF10期:16歳+12年=28歳
FF13(2009年発売)_FF13期:16歳+4年=20歳

となる。特にFF7やFF10は歴代トップ3に入る出荷本数を誇る作品で、ここで初めてこのシリーズ作品を購入した方も多いのではないだろうか。

つまり(もちろんいろんな人にプレイしてもらいたいのは当然として)コンセプトがテーマパークである以上、過去プレイ経験のある方が来て楽しめる事が優先されるべきだ。

だからFF14発売当時の想定しているプレイヤー年齢層は18歳〜30代だったのではないかと推察できる。

これは、月額課金制の運営設定であるため、親を納得させることができる数少ない中高学生以下の年齢層をターゲットにするより、自ら働いてお金を稼ぐことができる大学生以上に設定したほうが適していることという観点からも最適だったのではないかと言える。

プレイヤー人口及び年齢層の推移と拡張版発売日の関係

ここからは、幸運番長様の非公式プレイ人口統計調査も合わせながら記載する。

人口の推移についてはグローバル統計結果のプレイ人口推移、上記で述べた各シリーズをプレイした人の年齢の移り変わり、それに各パッチの拡張版発売日を重ねると次のテーブルで表現できる。

発売日と調査日が同日時ではないものの、どの拡張版発売日以降でプレイヤーの人口増加が起きているかを大まかに見て取れるだろう。

FF5発売日に16歳だった人は2023年2月の段階で47歳…

いい感じにみなさん紳士淑女になられている事がわかる。
このテーブルの各列毎に、一般的に自ら働いて収入を得る機会を持てる年齢層である18歳(大学生)が、各イベント毎に歳を重ねていくと、

最新調査だと年齢差29歳

最新調査の日時だと最大の年齢差が、干支2周以上も離れている29歳差になる。

あえて表に記載はしなかったが、FF1発売日に購入して遊んでいた当時16歳の方は最新調査2023年の段階で52歳であって、もはやちょっとした孫と翁の関係である。

2023年で18歳になった方は、FF13発売日(2009年)では4歳であって、各ナンバリングタイトルのオンタイムプレーヤー、とはとても言えない年齢である。

視点を変えれば、干支2周以上離れた人と同じ環境で一緒に余暇を楽しめるという点ではこんな素晴らしい趣味・娯楽はなかなか無いだろう。

もちろんFF5期の当時のプレイヤーが必ずこのゲームをプレイしていて、今も必ずプレイし続けているとは言えないが、ゲームコンセプトから考えてのプレイヤーの最大年齢と最小年齢の差のイメージ把握としては重要なアプローチと考えられる。

プレイヤー人口増加を牽引している集客層は?

今読まれているあなたも容易に想像できるように、統計上年齢を重ねると育児や家庭に割く時間が増える事により趣味・娯楽に割く時間は相対的に短くなる。

家族がいるなら個人の趣味娯楽に割く時間よりも家族で旅行にいったり子供の世話に割く時間などが増えるのはイメージできる。(例:下記国勢調査リンクの表3−3)

https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoua.pdf

以上の考察から、プレイヤー人口増加はどの年齢層によって発生しているのかを想像すると、FF5期〜FF13期のプレイヤーが年齢を重ねる毎に新規プレイヤーとして参戦し牽引しているとは考えにくく、30歳以下の年齢層が主となって新規プレイヤーとしてパッチを重ねる毎に参加し、これがプレイヤー人口増加に寄与していると考えるのが自然と思われる。

再び振り返るが、先程の表に基づいて最新調査時の時点でプレイされているであろう年齢の方が、FF5、FF7、FF10、FF13発売当時何歳だったのか?を見ると、

つまり、最近調査時年齢の30歳未満の人はFF13ですらオンタイムでプレイしていない可能性がある。

テーマパークの出し物の面白さ、例えば

  • 発売当初版で登場キャラが喋っていたセリフ・攻撃名称との再会

  • ボスキャラ造形の2D→3D化

  • 当時のボス攻撃エフェクトからのレベルアップ

  • 当時のバトル曲との邂逅とアレンジに対する衝撃

を十分に汲み取れない30歳以下のプレイヤーが2021年以降のプレイ人口増加に寄与しているのである。

誇張を承知で記載するが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにE.T.(1982年映画)のぬいぐるみなどが売られているコーナーがあるが、これを全面に売りに出して、この映画を見たことがない人たちを集客しようとしているようなものである。


ゲーム内の話で具体的に言うなら、パッチ6.0のコンテンツで登場するゴルベーザ率いる四天王(FF4登場)は年齢構成別でいうと知らない人も少なくないということである。


ゴルベーザってなに?チーズの種類ですか?

レベルの人もいてもおかしくない。


じゃあなぜこんなにもプレイヤーが増加しているのか。どこに小さな影があるのか…。


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