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ぶっちゃけ妊活日記 番外編 / マンモグラフィ検査


地球上の全女性陣のみなさんに、本日はこのnoteを捧げたいと思います。
嬉し?恥ずかし、わたしのマンモグラフィバージン体験記。

ちなみに、この体験記を書く前に、胸にまつわる話を読もうとnoteを開いて岸田さんのブラジャーの話に爆笑し、リスペクト&心を打たれて書きました。





あれは、去年の春でした。

初の人間ドックで超音波検査をオプションでつけてくれたのが、初の乳がん検診でした。
冷たいと思っていたジェルが、思いの外に熱くて。
胸だけ温泉気分でほっこりでした。

結果は異常なしの一安心。


そして、今年の先日のことです。

通っている不妊治療の病院の院長先生から、乳がん検診に今年行ったのかと聞かれて、まだですと答えたら、マンモグラフィしてきてね、という言葉のビンタと共に問答無用で強制予約になりました。このビンタが巨乳美女のお胸で、ぱふぱふだったらよかったんですけど。わ、天国ですやんって思ったかもしれないのに。

(聞くところ、ガンがあった場合のホルモン治療の悪影響が出るため、乳ガン検査は必須とのこと…)

マンモグラフィの噂って、胸が圧死、俺は即死っていうなんか売れないヒップホップみたいなことしか聞かない。なので、両足に足枷をつけたみたいな重い足取りで向かいました。



検査する病院に到着すると、
受付の美女が無愛想に、更衣室で着替えてと検査着を渡されました。無愛想が余計にこの後の検査の恐怖心に拍車を掛けるよう…

震える生まれたての子鹿のように、服とブラを脱ぎ捨てて、スースー風通しの良い検査着に着替え、待合室へ向かいました。あぁ、夏でよかった。


「〇〇さん、こちらへどうぞ」

今度は、にこやかな、やや年配の看護士さんに促されて、いよいよ検査の個室へ。

個室へ入るやいなや、威風堂々たるマンモグラフィのお姿がっ!
初めて御尊顔を拝見して、早くも踵を返して帰りたいこの気持ち。

「怖くない、ね、怖くない…」ってナウシカみたいに囁いてくれていたら幾分か勇気もらえたのに。

同じく青き衣を纏っている診療放射線技師さんはそんなこともつゆ知らずに、「では、そちらにお掛けくださいっ」とハキハキと告げた。

わたしは踏ん反り返るマンモグラフィ様のお隣にある質素なパイプ椅子に腰掛けました。

すると、ここから診療放射線技師さんからの独演会が始まったのです。




「素晴らしいですっ」

ヘ…?

多分、わたしはなんとも間の抜けた顔をしたに違いない。


あなたは、素晴らしいっ!

小さな小さな個室に合わない腹式呼吸から繰り出される大声量に、瞳をパチクリ瞬きをしながら、ありがたいお言葉をいただきました。


「あ、はい。ありがとうご」

両方の検査を受けられるのは、大変志が高いですよぉ!超音波検査とぉ、マンモグラフィのぉ、両方の検査、確かにとても理想的ですっ!でもあなたはまだ30代なのでぇ、来年はどちらか一方でも構いませんっ

おっと!ここで、わたしがまだ言い終わらないうちに、診療放射線技師さんがカットイン!

毎年できれば同じ場所での検査を受けてくださいねぇ。毎年比較することでぇ、さらに詳細なデータと共にぃ、安心な検査ができるのですっ

なんとも、癖になりそうな話し方をする人である。
わたしは笑いをこらえるのに必死で、すでに威圧感丸出しのマンモグラフィ 様のことは忘れ、マンモグラフィ君くらいの親しみ感も出てきた。そして、こらえる度に腹筋を使うので、終わる頃にはわたしの腹は6つに割れているであろう。


ここで、診療放射線技師さんはまた大きな息継ぎをした。

ところでぇ、マンモグラフィは初めてでいらっしゃる?
「はい、初めっ」
初めての方はぁ、いえっ!初めてない方でも緊張されると思いますがぁ、確かに痛みは伴います。このマンモグラフィはぁ、プラスティックの両板で胸を圧迫しながらぁ、撮影を行いますっ

またもや、カットイン!
なんともせっかち!

しかし、誰かに似ている…誰だっけ?


今日が一番痛い日だと思っていただいていいですよぉ〜。右左の胸を上下左右の計4回測りますぅ

あ!
ここで、閃いた。

松野明美だ…

吃らずに早口で、声の大きな松野明美(以下、松野さんと呼ぶ)がここにいる。あと、あれだ!水曜どうでしょうの藤村Dの語尾の伸ばし方とそっくりで絶妙にミックスされている。松野さんはマンモグラフィ君を丁寧に消毒しながら早口で説明するが、大きな声量と、独特な話し方で内容が頭に入ってこない。


では、いよいよ検査しますよぉ〜検査着を全て脱いでくださいっ

わたしは覚悟を決めて、スースーする検査着を脱ぎ、潔く胸を丸出しにしながら、マンモグラフィ君の前に立ちはだかったのです。それまでの松野さんの漫談で、わたしは勇気を取り戻したのでした。


では、足を肩幅に開いてぇ〜踏ん張ってくださいねぇ。お顔はわたしの方へ向けておいてくださいねぇ。機械が当たらないようにぃ
松野さんはわたしの真横に近寄って、マイブレスツをグワシッ!とまことちゃん風に大胆に掴みました。そして、プラスチック板が微調整しながら、徐々に右胸を上下からはさみ撃ちに迫ってきました。

テーマソングは映画「ジョーズ」
もはや、絶体絶命である。

デデデデデデデデ…

松野さんはゼエゼエと息を上げながら、さらに上下左右から右胸の周囲の肉をかき集めて、丁寧に大胆にプラスチック板の間に挟んできました。そして、プラスチック板がいよいよ最終局面までギューギューに右胸を圧迫。

いでで!
そんなかき集めなくても、わたしの右胸に、これ以上胸はないのですよ。
なんだったら、寄せて上げるならば、ブラジャーの中だけにしていただきたい。

デデデデデデデデ!

ゼエゼエ!

迫り来るジョーズ!松野さんの荒い息遣い!
真っ平らに潰れた右胸は美味しそうな餅のように広がる。

ではぁ、そのまま息を止めて〜そのまま動かないでぇ(ゼエゼエ)
松野さんは息を切らしながら、素早く背後の機械に回り込み装置を動かしました。

特にシャッター音などもなく、炭酸飲料の蓋を開けたみたいにプシュ〜とプラスチック板が右胸から離れていきました。平べったくなった右胸も一気に元の姿を取り戻り、スライムのようにタプンと揺れてる。これがあの、黄泉の国から戦士達が戻ってきた!というやつか。右胸達よ、お疲れ様と労いの言葉をかけたい。


それにしても、これがあと3回も続くとは…


束の間の休憩時間中、マンモグラフィ君が真横に回転。

再びジョーズが迫り来る中、一番わたしが痛く感じたのは上下でなく左右を検査する時でした。

ジョーズが右胸を左右から狙い撃ちをする際に、左胸を巻き込みながら、さらに肋骨付近まで攻めてくるので、色々な身体の箇所から悲鳴が上がったのです。

イダダ…!

この時、初めて声に出して松野さんに意思表示をしました。

左胸をねぇ、ご自身で持って!左に逃してくださいねぇ(ゼエゼエ)

知らなかった、まさか松野さんと共同作業があるだなんて。


巻き込まれ事故を起こしている左胸を救出するべく、わたしは素早く自分の左手で掴みました。満員電車のドアに挟まれているような格好をしていた左胸を引っ張り出して、そのまま片手抱きしたのです。これが通常だったら、助けてくれたのが男性だったら、恋に落ちているパターンである。


ラストソングは映画アルマゲドン「 I Don't Want To Miss A Thing 」

「こ、こうですか?」
大変上手ですっ(ゼエゼエ)


最後のジョーズが左右からはさみ撃ちをして、さらに圧力をかけてくる。

しかし、エアロスミスがCause I'd miss you babeと甘い声で囁く。

わたしは顔を阿修羅のような面を被っているような表情をしていたと思うが、そんなことはつゆ知らず、青き衣の松野さんは最後の機械操作をしに背後にまわりこみました。


お疲れ様でしたっ、大変よく出来ましたっ!」


左右のジョーズは元の場所へ帰り、エアロスミスがおでこにキスをした。
そして、松野さんの背後には黄金に輝く大草原が広がっているかのようなオーラがパァーと広がっているように見えた。

ようやく両方の胸達が解放され、松野さんからのありがたい賛辞を浴びながら、歓喜の喜びでタプンとスライムが舞っていました。


確かにもう2度とやりたくないランキング上位に鎮座するであろう案件だれど、松野さんのおかげで翌年も受けようと思えました。

ありがとう、松野さん。


帰宅後、NETFLIX水曜どうでしょうサイコロシリーズをソファでお菓子を食べつつ爆笑をしました。
最高の1日だった。



何が言いたかったかと言うと、マンモグラフィは痛いけど、1年に1回は受けにいきしょうというnoteでした。


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