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わたしたちはいつだって準備できていない、だけど


 noteにNETFLIXさんがやってきて、勝手に1人お祭り騒ぎである。

朝起きて、SONYのテレビからNETFLIXを起動。
車内でダウンロードしたNETFLIXを起動。
キッチンでノートパソコンを持ち込んで、NETFLIXを起動。
お風呂でも、iPhoneでNETFLIXを起動。

 兎にも角にも、毎日NETFLIX三昧である。


 少し前までは「リラックマとカオルさん」ばかり見ていたが、最近はもっぱらアニメばかりである。
 それは旦那さんの影響でもあるのだけど、この頃自らアニメをセレクトして、旦那さんよりも先に見てしまうことがある。
 そして、得意げに「あの◯◯の続きはね、◯◯がね〜なんと!」「わぁーーー!!言わないでーーー!!」「うふふ…」とイチャイチャする目的にNETFLIXを別の角度から余すことなく使っている。



 ところで昔から大好きな番組がある。
それはテラスハウスだ。当時はテレビの深夜番組だったのに、いつの間にかNETFLIXで放送されていた。
 一番好きなのは湘南のテラスハウス編…メンバーがもう最高過ぎた。そして、当時いろんなクリエイター仲間と、誰がタイプかの話をしていたのが懐かしい。


 一方、テラスハウスを見ていると話すと、鼻で笑う友人もいた。
「え!テラスハウス見てるの?どうせ台本があるでしょ…まがい物だよ、あんなの 」と吐き捨てる。

 ぐぬぬ…わ、わかってない、君。わかってないよ、とわたしは話す。


「いいかい?テラスハウスってね、"人そのもの"なんだよ。あとね!テラスハウスが好きな人はね、たとえ台本があったって構わないんだ!!そこを見てるんじゃないんだ!!」


 って今もなお、旦那さんに力説しているのだが、全く彼には響かずに相変わらずアニメを見ている。
 


 ところで、つい先週の新作のテラスハウスに胸を打たれてしまったことがある。



 今、TOKYO 2019-2020編にはイラストレーターのfoxco / 渡邊香織さんというめちゃくちゃキュートな女性が暮らしている。わたしが男性だったら、速攻告白するほど猛烈タイプだ。



 そんな香織さんが先日、涙を流していた。

 またその泣く姿にもキュンときてしまったのだけど、泣いていた理由に心を動かされてしまった。



どこまでが自分の実力なんだろう…

絵が上手くないというか、ラッキーでここまできてしまった。
絵よりも、自分の境遇が評価されている。

わたしよりもうまい人はいくらだっているし、
これからどうしようって思った。


テラスハウスより簡易引用


あぁ…

それ、わたしも… 

わたしもそうだよ…香織さん…


 わたしよりも写真が上手な人、機材に詳しい人、わたしには一生追いかけても届かないたくさんの素晴らしい写真家さんが周囲に溢れている。
 しかも、今の時代全地球上の全ての人にとって、スマホが誕生してから拍車を掛けて写真はとても身近なものになった。デザイナーやライター、編集者、インスタグラマー、インフルエンサー、Youtuber … 仕事でプロの写真家が撮影するのではなく、自ら撮影をこなし、またそれがとても美しく素晴らしい写真を撮っていたりする。いいねがたくさん付いている、フォロワーも何万という数の人に支持されている。わたしよりも、ずっとずっと上手でステキな写真たちだ。
 そんな写真たちを見て、小さな自信にヒビが入った。



 写真とは、わたしが生きてきた人生が全て写真の中に収められていくのだと思っている。何も大袈裟だとは思っていない。写真を見ると、その人の心がわたしの中にじわじわと侵食してくる。


 何を見てきたか、何を感じてきたか、何に心を動かされているのか。


 その背景に何を見て、何を考えているのか、丸裸だ。


 こんなに正直にバレてしまう写真を操るには、鍛錬が必要だ。技術はもちろんだが、勝手に心が写真に溶け込んでしまわないように、クライアントさんに依頼された商材に影響が出ない程度に少しだけ織り交ぜたり、時には半分以上"わたし”を出さなければならない時がある。


 撮影が終わると、"わたし"がどこかに行ってしまう。

 帰宅すると、電池が切れたみたいにスリープモードになる。最近NETFLIXで見た"シン・ゴジラ"みたいだ。

 


 もっともっとやれることがあるだろうし、もっともっとクライアントさんに応えられるように、わたしは腕を磨き続けなければならない。

 でも、どんなにたくさん学んでも、どんなにたくさんの経験をしても、新しいドアが開く時、いつだって何もかも、万全だったことはあるのだろうか? わたしはいつだって、何かが不足しているように感じるし、準備万端だったことがない。ヒビが入った自信だって、少し強めの風が吹いたら、ポッキリ折れそうだ。
 それでも、立ち止まることはできない。


 なぜなら、オファーはラブレターだと思うからだ。


 ・あなたと仕事がしたい
 ・あなたの心に会いたい、分けて欲しい、さらけ出して欲しい



 何万人もいる写真家の中から、たくさんのご縁の中から、その人と仕事ができる喜びが、嬉しさが、わたしを突き動かす最大のエネルギーだ。
 わたしを選んでくれたのだから、足元を見て、足りないものを指折りするよりも、何をしてあげられるだろうとプラスできるものを数えていくことがもっとずっと大事なんだと思う。
 そして、クライアントさんをメロメロに、最高に幸せにしてあげたい…そう思えば、何度も何度も折れてしまった自信に添え木をして、生まれたての子鹿のように立ち上がるのだ。




 可愛らしい絵や、彼女の仕事への真剣な眼差しや、普段の生活の中に垣間見える意思、的確な判断や優しさなど、全ての要素が"香織さん"を形作っているのだと思う。
 クライアントさんはそんな全ての"香織さん"のことが大好きで、一緒に仕事をしたいんだと思う。だから、香織さん、どうか泣かないで。

 って言いながら、きっとこの言葉は香織さんと、最近仕事をセーブして、自信がなく、小さくなった自分に言い聞かせているのだと気付いた。



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