松尾成美web

人には必ず「女優スイッチ」がある。“写真で人生を応援” 写真家 松尾成美さん。


25歳でフリーの写真家としてデビュー。
一般の方の成人式の前撮り写真を撮ることをきっかけに、単に写真を撮るだけでなく「人の人生を応援する写真家」となった、松尾成美さんにお話を伺いました。

プロフィール
出身地:長崎県出身
活動地域:東京都を中心に、全国、海外。
経歴:公益法人 日本広告写真家協会(APA)正会員
東京写真専門学校(現ビジュアルアーツ)卒業後、レンタルスタジオ (株)アートセンター、(有)有栖川スタジオを経て 泉 純 氏に師事後、フリーランスの写真家として32年。雑誌、広告、書籍等の他、写真展、講座講師を務めている。
特に人物撮影には定評があり、モデル、俳優、タレント、アーティスト、著名人等、延べ5000人以上を撮影。
現在の職業及び活動:写真家。近年は「未来のビジョンを写し出すプロフィール写真」と称した撮影を通して、一般の方のビジネスやプライベート、人生そのものを応援する活動に力を注いでいる。
座右の銘:一期一会

ある出会いから、フリーカメラマンとしての人生へ。

記者:フリーカメラマンは厳しい世界ですよね。デビューするきかっけは何だったのですか?
松尾さん(松尾、以下敬称略):一言でいうと出会いですね。私は写真館の娘だったので、いずれは実家を継ぐつもりで、写真学校へ通うために上京しました。卒業後、撮影スタジオで何人ものカメラマンの仕事を見る中で、「この人は凄い!かっこいい!」と思える人に出会いました。運良くその方のアシスタントに空きが出たからと声をかけてもらい、専属のアシスタントとして仕事をするようになりました。数年後、先生の仕事先の方から、とあるファッションブランドのカタログの仕事の依頼が私にありました。その時に師匠から、仕事の依頼が来るということはもう一人前だから「もう出ないさい」と後押しをされたことをきっかけに、フリーのカメラマンとしてデビューしました。
記者:それはいくつの時だったのですか?
松尾:25歳でしたね。その後、それをきっかけにファッション雑誌のページもらったり、表紙の依頼を頂いたりしました。だから、師匠との出会いがなかったら、今の私はないと断言できます。でも、その当時の現場は厳しかったし、先生からの要求に応えられないこともあったりで、悔しくて現場が終わってから泣いたこともありましたね。そんな師匠から独立後、成人式の前撮りの仕事で女性カメラマンを探しているので、やってみないかと頼まれました。最初は「なんで私が素人を?」と思ったのですが、師匠からの依頼だったので断れず、きっとこれも何か意味があるのだろうと引き受けました。

何事にも意味がある。
記者:何か意味があるのだろうと思えるのはすごいですよね?
松尾:そうですね。そう思えたのも精神世界や心理学など、いろいろ学んで来ていたからだと思いますし、その経験が結果的に「女優スイッチ」という講座をするようになったきっかけとなったので、やはりありがたいことだったですね。でも、その前撮りの仕事も最初から上手くいったわけではないんです。後で知ったのですが、その仕事は、全国チェーンの着物屋で、その前撮りの成績では最下位の店舗で、スタッフを総入れ替えして立て直そうとしていたところから、師匠経由で私に声がかかったんです。最初はプロとしてのおごりもありましたし、私が撮れば売り上げは上がるだろうという思い上がりもありました。でも現実の壁は厚かったのです。同じ写真でも、一般の方の相手だと、プロのモデルさんや芸能人とは違い、当たり前ですが、こちらが指示しない限り笑いもしないしポーズもとれないんです。
1年間で600人ほど撮影しましたが、30分という時間の中で契約したポーズを撮り終わらないといけないし、師匠からの仕事だったので辞めることも出来ずに、どうしたら良いかと考える日々でした。でも、四苦八苦しながらも良い写真が撮れると、本人も親御さんたちも喜んでくれるんです。そうやっていく中で、自分の成績やお店の売り上げを上げるんじゃなくて、この子たちにとって、この写真は一生残るんだよな。親子で来るし、来た人にとってこの時間が楽しかった、撮ってもらって良かったと思ってもらえる場にしようと思うようになったんです。そんな場を作ろうと思ったんです。そう思ってからは、まずは現場の連携が大事だと思って、コミュニケーションをとりながら「チーム」を作ることを大切にしました。そうこうしているうちに、みんなが互いを手伝うようになって、チームでやっている感覚が少しずつ出来て来たんです。この撮影はチームでの仕事なんです。チームでいかにいい仕事をするかで違いが出るのです。そんな頃、本社の人が視察に来て、結果はまだ出ていなかったけど、「この店舗はいずれ一位を取るな」と言われたのです。そうしたら、本当に次年度は全国で1位を取りました。そんなこともあってか、芸能人やモデルではなく、一般の人を写真を通して応援したいという気持ちが芽生えて来たんです。

写真は“人を輝かせるツール‘’
記者:今は具体的にはどんな活動をされているのですか?
松尾:カメラマンを32年やって来るなかで、写真は「人を輝かせるためのツール」だと気づきました。写真を撮ることで、人生を応援できるし、一人ひとりに「女優スイッチ」のようなものがあると気付きました。今は写真を撮るだけでなく、仕事やプライベートでも「女優スイッチ」を入れることの必要性、つまりマインドを設定することの大切さの講座も開催しています。
記者:「女優スイッチ」とは何ですか?
松尾:成人式の前撮りって、元々は着物をレンタルしたら付いてくるおまけのサービスなんです。だから、親御さんは乗り気でも、本人はみんな嫌々来るのです。(笑) 親に言われてとか、無料だからと仕方なく来る人がほとんどなんです。そんな、写真が嫌いで、着物姿の自分に自信の持てなかった人が、「いいね!」「素敵よ!」と枚数を撮るうちに、何かのスイッチが入ったようにどんどん変化していくんです。撮られた写真を見て「え~私も可愛いかも!」と180度ガラリと自己評価が変わる瞬間を何度も見てきました。彼女たちと接する中で、気持ちを上げるようにマインドをセットしてあげるだけで、写真だけじゃなく、人生までが変わると確信したんです。
記者:講座はどんなものですか?
松尾:自己承認のマインドセットのようなものです。私は、1回の受講でも写真嫌いが克服できると言い切っています。本当に些細なことで、自分の写真写りに対しての誤解があるだけなのです。ちゃんと撮ってあげた写真を見せてあげることで誤解が解けて、自信を持てるようになるのです。
記者:なるほど。講座でマインドをセットして、実践で写真を撮ることで納得してもらい、自信を取り戻すということなんですね。
松尾:はい。その講座を受けてもらってからプロフィール写真を撮らせてもらった方からは、写真のおかげで、本の出版が決まりました!テレビへの出演が決まりました!などの報告を受けるようになり、やっぱり写真で人生を、ビジネスを、応援できると実感したのです。

“第0印象”でその人の人生を応援。
記者:これからの夢があったら聞かせてもらえますか。
松尾:やはり「写真」で多くの人の人生を応援していってあげることが夢ですかね。「第0印象」と言っているのですが、今の時代は、実際に会う前にSNS等で、その人の写真を見て判断することがあります。私自身も写真を見て、この人に会うべきだと思い、何十万円もするセミナーを受けたこともありました。
記者:「第0印象」というのは新しいですね。でも、確かに写真で判断することもありますよね。
松尾:そうなんです。写真1枚で、印象が全然違うんです。表情や写り方で、その人の在り方が伝わるんです。私は、写真でその人の人生を応援したいと思っているので、依頼されたら事前に必ずお会いして話を聞きます。お互いの相性も大事ですし、写真にはエネルギーも写ると思っているので、こちらもオープンマインドで接しています。社会が求める自分像ではなく、本来のその方が輝けるように、潜在意識の中に隠れてしまった「なりたい自分」を引き出せるように話しかけるようにしています。今回の写真の目的や、1~2年後のビジョンなども確認します。そして、そのための洋服だったりメイクなどもアドバイスさせてもらっています。相手もプロに写真を頼む真剣さがあるのですから、私もそれに応えたいと思っています。

まずは自分が幸せになること。 
記者:美しい人、美しい時代についてどう思いますか?
松尾:平和な時代で、個人個人がその人らしく輝けることが美しいことだと思います。私は、人はそれぞれ使命を持って生まれて来ると思っています。「こんな私なんて・・・」と思いやすい日本人ですから、一人ひとりが輝いて、みんながその使命を全うできる時代が美しいと思います。それが幸せなことだと思いますし、そんな幸せを感じる生き方が出来る人が美しい人だと思います。私も、そんな幸せを増やしていけることに関われることが幸せです。大きく言えば、人間が地球と共存できる、そういうマインドの人が増えるといいなと思っています。そのためには、まず自分が幸せでいることですね。自分が幸せでないと人や周りの環境に気を配れませんよね。まず、自分が幸せになる。それで良いと思っています。一人ひとりが幸せになり、それがある一定数を超えると、本来みんなが集合無意識でつながっているので、いわゆる「アセンション」が起り、あっという間に世界に波及効果が出ると思うのです。つまりみんなが幸せになっていくのです。だから、私は世界中のみんなが幸せになれると本気で信じています。

【編集後記】
インタビューにさせていただいた竹内と見笠です。素直で思ったことをストレートに伝えてくれる成美さん。とてもオープンで裏表がなく、お話を聞いていて気持ち良く、どんどん引き込まれる方だと感じました。ご夫婦で開催されている“心の断捨離・大人のしゃべり場”「なるぴえ会」は、瞬間で満席になる大人気だというのも納得です。貴重なお話をありがとうございました。


--------------------------------------------------------------------------------------松尾さんの連絡はこちら↓↓

●facebook:facebook:https://www.facebook.com/narumi.matsuo2

●インスタ:instagram:https://www.instagram.com/matsuo_narumi/?hl=ja

--------------------------------------------------------------------------------------この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。

https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?