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【創作日記】はじめての殺伐百合!と、百合/殺伐/会話劇についての振り返り

先人からのバトンを受け取って【殺伐百合】なる新ジャンルを開拓して、色々考えた話をするよ。

あらすじ

TLに流れてきたシチュエーションを拾って短編一本作っちゃった。

ただし、今まで一度も作ったことがない「殺伐」で「百合」のやつ!ンモーどうなっちゃったの!?

百合ってなんだ

百合、書いたことがなかったんですよね。作品としてガチで摂取したこともあんまりない。同性愛系のキャラとか、強めの信頼・親愛・信奉なら最近の作品ならよくあるし、まぁその手の素養は多少はあるつもりだったけど…。

いやぁ、百合って難しいですね。観測者としては「男女ではなく女性同士のマイノリティが」とか「背徳感」とか「肉体的で本能的な即物性ではない心だけの清らかな関係」って分析はできるんです。

だけど、冷静に書き始めると「で、こういう『心の繋がり』とか『渇望』『欲望』って本当に百合じゃないと出来ないわけ?この『職人』が少年だったら成立しないのか?」って考えちゃったんですよね。

「恋愛の選択肢が最初からないこと」を百合の理由にするなら、「職人は職人の誇りがあるから」とか言って全て切り捨てていいし、逆に最初から同性愛者なら「恋愛の選択肢はない」とは言えないんだから、理由にならない。

百合と男女の恋愛の違いってどこにあるんだろう。肉体的なつながり、世間一般の目、血を分けた子供、その辺を捨て去った瞬間に……つまり、そういう生々しさを書かないティーンのキャラクターにおいてはもはや「好き」を諦める瞬間が周囲の目くらいしかない。
その上で、『右腕』みたいな周囲の目を気にしないアウトロー女たちになってくると、もう百合である理由がなくなってこないかな、となってしまう。

そこに百合としての意味を主人公たちは気にしないのだろうけれど、書く側の俺は何かの意味や意義がないと百合を書けない気がしてしまう……。
これは「百合とは何か?」の問いでもあり、「自分は物語に意味を求めるのか?」の問いに繋がっているらしい。ウムム考えよう。

殺伐ってなんだ

御覧の通り、僕は幸福主義なので殺伐の話は全然書いたことがない。

……って、書こうと思ったんだけど、いざnoteで出してる逆噴射小説大賞のパルプ作品を確認したら結構殺伐している気がする。

直接的な憎悪とか劣情とか、嫌悪とか激情とかはないけど、のほほんと平穏な日常や恋愛や青春や、ミステリやSFやファンタジアというわけではないやつらが結構ある。『フロートマーダー』や『国喰い』は2次選考突破したくらいだし、案外できてるのか。殺伐、行けるのか?

でもしんどいことばっかり書くのはヤダなぁ。

でもでも、幸せばっかり書いてもメリハリないもんな。
例えばボーイミーツガール学校生活でもトラウマと向き合うシーンや敵意と嫉妬とに飲み込まれる展開とかあるかもしんないし、一回「自覚した上で殺伐なものを書く」「殺伐をちゃんと書ける」という経験をしたこと自体は大事か。

『右腕』然り、他の逆噴射応募作然り、あるいは『アカシック・カフェ』のきつめの展開然り。俺の殺伐系での皆さんの評価をちゃんと頂いておきたいところですね。

会話から派生せよ

今回のお話は「まず会話をがーっと書いて」「そのあと地の文を肉付けする」っていうスタイルでやりました。

こっちでも一度紹介したスタイルですね。

会話劇は得意分野……かな?

このやり方をすることで、最初に書き上げた会話からさらに動きや世界の情景を肉付けすることができたと思う。「会話=人間」と「その世界」を並行で考えないで、「キャラクターの後で舞台を考える」っていう順序を建てられた、ということですね。

それと、一回会話を書き上げたことで、そこに地の文を挟みながらさらに丁寧に会話を精査できるようになったと思う。間の取り方とか、沈黙の重みとか、発言の意図とかが(書いた自分で言うのもどこかおかしいけれど)よりわかるようになったというか……。
よくある「一回書き終えてから見直さないと完成しない」とか「一回アップしてから修正したいところが見つかる」とか。そういうことを自然に、負担少なくできるようです。自覚したのは初めてだ。いつもなんとなく、「先に会話を書いて地の文に集中する」っていう前段の恩恵だけを受けてました。

このメソッド、使えますぜ!

つまり?

今回の件でわかったことと、わからなかったこと!

・百合、恋愛感情ってなんなんだ?
・自分は作品や、細かな描写一つ一つにに強く意味と理由を求めるようだ。

・俺の「殺伐」はアリなのか?
・俺は「幸福」だけでは生きていけないらしい。

・会話劇からの肉付けは並行処理の負担がなくなり、スムーズに書ける!
・会話劇からの肉付けは疑似的に「二周目の見直し」が出来て、よい。

こんな感じです。

それと、今回の件で結構褒められたのはすごくうれしかったので、やっぱり雑記だけじゃなくしっかり物語を書いていきたいと思いました。現金?上等だろ?

『右腕』が続くか、『アカシック・カフェ』リブートか、新作が始まるのかはなんにもわかんないけど、また書いたらよろしくお願いしますね。

それじゃ、グンナイ!

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