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イギリス旅行記④

今日も曇っているが、昨日や一昨日と比べると太陽が出ている。

ロンドンから離れ、ヘイスティングスとライに向かう。
が、ストラトフォード・インターナショナル行きの電車が急に反対方面行きの電車になってしまい(そんなことある??)、そのことに気づかなかったため、時間をロスする。
そして、サウスイースタン鉄道に乗り遅れる。え、次の列車は一時間後ですか? マジか……

ちなみに、サウスイースタン鉄道(National Rail)はオイスターカードでは乗れないみたいです。事前に切符を買わなきゃいけないんだね。
交通費は新幹線くらいを想像してもらえればいいと思います。私が乗ったときは、ストラトフォード・インターナショナルからヘイスティングスまでで往復49.5£でした。日本円で10000円しないくらいかな。

さて、多少ドタバタしたが、何とかヘイスティングスに到着し、ヘイスティングス城に向かう。うお、坂道多いな……息を切らしながら城跡を目指す。流石は城砦だ。

ヘイスティングス城。見晴らしがいい

到着してすぐに、来てよかったと思った。ロマンが溢れすぎている。「朽ちた城跡」ってだけで良すぎるんだよな。しかも眺めがめちゃくちゃいい。海だ、海が見えるぞ!

この城を建てた征服王ことウィリアム1世に想いを馳せ、この地で彼に敗死したアングロ・サクソン朝最後の王ハロルド2世を思う。
あの海岸からノルマン人騎士たちが押し寄せて、アングロ・サクソン王朝を討ち滅ぼし、ノルマン朝を開闢したのだろうか。それが今日でも「イギリス」という国の一つの区切りとして捉えられているのである。

そう──まさにノルマン・コンクエストが象徴的だが──中世のノルマン人はすごい。
鉄製の鎧兜で武装した封建的騎士という軍事力を備えていて、十字軍遠征やノルマン・シチリア王国の建設など、あまねくヨーロッパに軍事的インパクトを残したのだ。

まさに自らが侵攻した土地に城砦を建て、高みから城下を見下ろしつつ、征服王は何を思っていたのだろう。水平線の向こうにある自らの根拠地ノルマンディのことを考えていたのだろうか。ウィリアム1世以降しばしの間、イギリスの支配階級は北フランス──更にいえば大陸ヨーロッパに利害関係を持ち続けたのだから。
例えばリチャード1世なんかが治世の間じゅう十字軍遠征に参加していたのも、「イギリス国王」というよりは大陸にルーツを持つ「ノルマン人騎士」の伝統といえるかもしれない。大陸を志向し、自ら武器をとって外へと戦いに出るような騎士という戦士階級こそが、中世イングランドの支配階級なのである。

(今日のように領域的な国民国家などなかったから、この言い方は正直不適切なのだが)封建制が確立して以降のイギリス国王とは、常にフランス人であった。
百年戦争が終わった後でさえ、イギリス国王がフランス王位継承権の主張を公式に放棄するまでには長い時間を要したのである。

オールド・タウン

そんな歴史に想いを巡らせながらヘイスティングス城を離れて、城下のオールド・タウンを散策する。やっぱり港町はいいね。シーフードも美味しいし。夏なんかに来たらもっと楽しいんだろうなぁ。
あとなぜか、ヘイスティングスには犬(割とでかい)がたくさんいた。「イギリス人はペットを飼いがち」という話を聞いたことがあるが、本当にめっちゃ犬おるやん。かわいいね。

その後、折り返す列車でライへと向かう。

この辺りの位置関係としては、ロンドンのストラトフォード・インターナショナル→アシュフォード・インターナショナル→ライ→ヘイスティングス……となっている。ロンドン からヘイスティングスへと向かう途中にライがあるって感じだね。
私はヘイスティングス行きの切符を買って、ヘイスティングスに行き、その帰りにライに立ち寄りました。ライ⇄ヘイスティングス間は一本で行けて便利。一時間に一本しか電車来ないけど。

左上がロンドン、右下がアシュフォード

あと、ロンドンから南/東に出かけるときには、アシュフォード・インターナショナルが始点になってるっぽいね。
今回のライやヘイスティングス(南側)、カンタベリーやドーヴァー(東側)などのロンドン郊外に行く際は、アシュフォード・インターナショナル付近に宿をとっておくと、色々回れていいかもしれない。ロンドン観光に飽きた人や興味がない人におすすめ。

さて、アシュフォード・インターナショナル行きの列車を途中下車してライへ。
街並みは丸ごとアンティーク、といった感じだ。見ると結構店が多い。

セント・メアリー教会
教会の塔から見える風景

セント・メアリー教会が町のシンボルなのだろう。この教会の塔から見る風景は絶景である。まあ、ひっきりなしに鳥のフンが降ってくるから、そこは気をつけないといけないんだけど……(気づいたらまたダウンに鳥のフンがついていた)
まずは古びた街並みが見えるが、目を別の方に向けると草原が広がっており、湿地のようにところどころ水の溜まったところがある。
緩やかな川が流れ、遠くでは風力発電かなにかだろう、風車が回っている。
まるで夢の中にいるような心地だった。ファウストの「時よ止まれ、そなたは美しい」って、こういうときに言う台詞なんだろうね。

コブルズ・ティールームのクリームティー

教会の塔から町を見た後は、コブルズ・ティールームでクリームティーを楽しんで帰った。やっぱりアフタヌーンティーだと重すぎるから、クリームティーくらいが丁度いいわ。外食が軒並み激高なイギリスにしては珍しく、クリームティーは8£でした。
クロテッドクリームが思いのほか軽くて、少し塗りすぎた。そういえば、イギリスでスコーンに塗るジャムといったら、いちごジャムがデフォルトなのかな? あと、昨日のアフタヌーンティーの店に引き続いて、ここも紅茶の量が多いです。

今日は少し食べすぎたため、若干胃もたれがする。
夜は日本から持ってきたインスタント味噌汁で済ませ、胃腸薬を飲んで寝ることにする。旅行に行くときは、頭痛薬とか胃腸薬とか、ちょっとした薬を持っていった方がいいね。

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