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雷電と本田の日記

雷電のレギュラーシーズン最終日である26日が終わったら日記を書こうと思っていた
けど、すでに書き始めてしまったこの日記、最終日を見たら内容が散らかってしまいそうだから、今もう公開することにする

ここまで94試合を見て、結局覚えているのは最後のほうに起きたことばかり、そしてそれは本田のことばかりだった
本田の最後の3連投、そのすべては本当に胸を打った
連投最後のオーラス、辿り着いた四暗刻5m単騎
その手牌を開くことは叶わなかった
猿川と魚谷がインタビューで驚く顔を見て「対局後、上がれなかった役満の話なんか本田はしないんだ」と思ったらまた苦しかった




初年度から雷電を見てきた
そのはじまりの感情は心配とか同情とかそういう「大丈夫なのこの人たち…」みたいなものだった
毎晩毎晩飽きずに麻雀を見るうちに、次第にそれは「がんばれ…」みたいな応援したくなる気持ちに変わって、最終的にわたしに生まれた感情は「熱狂」としかいいようがなかった

それはひとえに3人が好きだったからだった
その言葉の選び方や品のある対応、チームの雰囲気が好きだった
はっきり言って全てのチームで一番ああだこうだ言われてしんどい日が沢山あるだろうに、いつも朗らかで優しい言葉を紡いでいるのが不思議だった
それぞれに揺るがない自分の世界があるんだろう、いつもピンとした姿勢が眩しかった
ちなみにいちばん好きなのは、黒沢7pツモの瞬間の楽屋を有料公開して「無料にしてよ!」って荒れたときの黒沢のお返事

私の食費がかかるから…って言える? すごすぎ
見れない人のためにスクショ何枚も撮って


2年目の終わり?雷電がメンバーを増やさなかったとき「メンバー入れ替えしたくないから、雷電は今年増やさなかった、勝つ気がない」みたいに若干揉めたのを覚えてる
わたしも本当は増やしてほしかった
でも「雷電がこの3人で勝ちたいんなら仕方ないだろ」と思った
そして3年目、やっと追加されたメンバーが本田だった

嬉しかった、直前の風林火山オーディションがよかったから
それで満を持して迎えた4年目の1戦目の親番で三色の6000オールみたいなトップとって、最高の気分だった
まあ最高の気分だったのはここで終わるので4年目のことは書かないけど




5年目、本田は40にもなるのにともくんとか呼ばれ始めて、気付けば天然で人懐こいみたいなキャラが確立されていた
ファイナルまで到達したこの年は毎日大騒ぎだったし全てが面白かった
大騒ぎできて面白かったのは3人が揃っていてくれたからだったから、2年目の判断も4年目の判断も結果として間違ってなかったと感じた

その5年目の終わりも、最も印象に残ったのは本田の閉会式でのスピーチだった
「チームを代表して本田選手より…」と言われた瞬間の笑いをはらんだどよめきを聞いて「この反応が本田の1年を象徴してるなあ」と思った
そのくらい本田が愛される人になっていることが嬉しかったし、そういう機会を作ってくれる雷電というチームをまた好きになった

本田が呼ばれた瞬間、拍手を煽動するメンバー

言い方変だけど、「雷電は本田を雷電にしようと思ってるんじゃないか」とすら感じた
そして6年目の今、その感情は結果としてより大きくなった

本田が、3/19にインタビューを受けたとき「途中裏ドラが一枚でも……っていう運にも頼りたかった」といった
何度も上がって一度も乗らなかった裏ドラ、2着という結果を受けて「裏が1枚あれば…」って誰でも思う
でも「運がなかった」とか「乗ってれば違った」とか、簡単に口にしてしまいそうなところ、本田はその2着を自分の実力とした上で、それでも「頼りたかった」という言葉を選んだ

背筋を伸ばし少し迷いながら話す姿を見て、雷電に入ってくれたのがこの人で良かったと改めて思った
そしてどうかもう一度、二度、本田を出して欲しいと願ってしまった
その願いの結果も、その麻雀の結果も知るところだと思う
冒頭言った通り、その全ては胸を打つもので、それは雷電の麻雀だった

四暗刻5m単騎を見守るメンバー


テセウスの船のパラドックス…漫画で有名になった命題を思い出す
最初の船を作った部品がすべてなくなったとして、その船を同じ名前で呼べるのかという問いかけ
いつか、どのチームもすべての部品が入れ替わる時が来てしまうだろう
わたしは萩原瀬戸熊黒沢のいない雷電は雷電と呼べないと思っていた
そして、その新しい雷電を今のように応援はできないだろうと思っていた

でも今年度の終わり、いま「本田のいる雷電は雷電と呼べる」と思う
もし最後に本田だけが残ったとしても、いやそんなの絶対嫌なんだけど…それでも、その新しい雷電をわたしはいま同じ熱量で応援できる
去年成績がよかったからとかじゃなく、本当変な言い方だけど、本田はこの3年で雷電になったと今期感じた
雷電のこれからを、ひいては雷電の本田という選手のことを、これからも見続けたい




レギュラーシーズン残り2試合、
今年の雷電の旅はおそらくここで終わってしまうだろう
最終日の闘牌、雷電というチームの麻雀
控え室配信で瀬戸熊が「この日はじめてMリーグを見る人がいる」と言った
こういう姿勢が本当に好きだ
確固たる世界があるから打ち出される選択のひとつひとつを、そしてこれからの雷電を、いまはもうただ楽しみに待っている

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