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名古屋銀映の思い出

おしゃべりが長くなってしまったので写真を先に載せる


人生で初めて行ったストリップ劇場は名古屋にあったライブシアター銀映で、そのときわたしは16歳だった
劇場には女の子ばっかり300人近く集まっていた
その日の銀映は貸切営業、ビジュアル系に分類されるバンドのライブをやっていたのだった

はじめてのストリップ劇場は息を呑む雰囲気だったし、ライブも面白かった
mixiにその日の日記を書いたら、サングラスのアイコンから「銀映に来てくれてありがとうございました!(^^)v」みたいなメッセージが来て、そのままマイミクになった
送り主は銀映の社長だった、いやそれも色々あるみたいなんだけど、ここでは社長とします
周りでそんなメッセージがきたのはわたしだけで、社長がどういう気まぐれでわたしにそれを送ったのか結局わからないままだったが、たまに日記にコメントしたりされたりする間柄のまま3年くらい経った

2010年に友人から銀映が閉館することを聞いた
社長は釣りやら競馬の日記ばっかり書いてたもんだから驚いて、「閉館するんですか!?」って聞いたら「そうなんですよ〜(^^)v」と呑気な返事が返ってきた
その頃わたしは写真を撮っていて、次の課題はこれにしようと「銀映の写真を撮りたいです」とかなり丁寧にメールを書いた
そうしたらまた「いいですよ〜(^^)v」みたいな呑気な返事が返ってきて、すぐ新幹線に乗った、閉館1ヶ月前の9月のことだった

当日のことはよく覚えていない
ただ、社長に「この踊り子さんは撮っていい」と言われたのをよくわかってなくて、許可を得ていない踊り子さんの写真を撮り、ボロボロの楽屋で裸のまま煙草吸ってる彼女から「勝手に写真撮るな」って当たり前のガチ説教をこんこんと受け、その10年単位で変えてなさそうな畳の目を見つめていたことだけ鮮明に覚えている
土下座しながら、なんで今日ここにきたのか話していると、傍で寝転がっていた別のお姉さんが「あたしは撮っていいよ〜」と言ってきた
そうしたらガチ説教してきたお姉さんも「わかったら、私も撮っていいからさ…」と言ってくれて、安堵でよろよろしながら客席に戻った
社長に話したら「みんないいやつで助かったね」と呆れられた
本当みんないい人だった、その時の写真はちいさな賞も貰った
その後、その日のお姉さんたちを東京で見かけるたび「あの時は….」と申し訳なさで小さくなってしまった

帰りしな社長が言った
「閉館の最終週は、人気の踊り子ばっかり5人乗るんだ、大騒ぎだよ、リボンがびゃんびゃん飛んでさ、熱狂的な、あれはほとんど信者だな、そんなのを抱えた踊り子たちが来るよ」
それを聞いて、次の月も新幹線に乗った
そして、その日見た踊り子にまんまと入信してしまって、各地ストリップを見ることになったんだった

わたしの好きなバンドが銀映でライブをやって、それをわざわざ東京から見に行って、社長がなぜかマイミクになって、友だちが閉館を教えてくれて、最終週行くことになって、そこに居た彼女が「またわたしを撮る?」と言ってくれて、偶然の連続で不思議だな
銀映の写真、どれも懐かしい
同じバンドが好きだったかつての女の子たち誰にとっても銀映という場所は忘れられないものだと思うし、
追いかけていた彼女の引退記念の写真集を作ったときは「銀映が写っているのがうれしい」といろんなお客さんに言われた
社長、元気かな?
今日の日記はここまで

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