4歳と生きる日記

2/15は涅槃会といって、お釈迦さまがお亡くなりになった日だ
息子の通っている幼稚園は仏教系なので、涅槃会の日は園長であるご住職から法話がある
今年の涅槃会は昨日だった
そこでご住職が子どもたちにどう噛み砕いてお話をされたかはわからないが、息子は帰り道歩きながら「お釈迦さまはスジャータの牛乳に毒が入ってたから亡くなったんでしょ?」とか言っていて、明らかにちゃんときいてないことはわかった

息子は人が死ぬことを「亡くなる」という
それは去年、私にとっての祖母、息子にとってのひいばあちゃんが亡くなったこと、
そして息子の幼稚園バスの年配のドライバーさんが亡くなったことの二つが大きかったと思う
この悲しみを「死んじゃった」と言うのは違うと、初めて経験した別れと共に4歳の脳に強く記憶されたようだった

帰ってきていつもと同じように遊んでいた息子が夕飯を食べながら突然「人は亡くなったらどうなるの」と聞いてきた
家は仏教だし、幼稚園も仏教だから、「仏さまのいるお浄土に行くんだよ」と言った
「お釈迦さまもあのエレベーターで骨になったの?」というから、火葬炉のことか…とすこし驚いた
「そのころまだなかったから使っていないけど、お釈迦さまも同じように骨になった、魂はもう浄土に向かっているから、痛かったり辛かったりはしない」と言った
ふ〜んとかいって「ぼくは生まれ変わったら赤い虫になりたいって言う」「てんとう虫だよ」とかエビフライ食べながら笑っていた

夕飯を食べて歯を磨く
寝る前には、毎日布団で3冊本を読む
息子は寝つきがとてつもなくいいので、本を読んだら10分もたたずに眠る
今日もパンどろぼうを読んでケタケタ笑っていたんだが、読み終わって寝る段になったら突然「ちょっとこわい…」と言い出した

そんなことを言うのは初めてなので、「なにがこわいの?」と少し焦った
そうしたら「ぼくはいつになったら行かなくてよくなる?」と言った
「幼稚園に行って、小学校行って、中学校行って、大学行って、お仕事に行って、いつになったら行かなくてよくなる? どうしてままは行かなくてよくなったの?」と少し声が震えていた
「ままは一応、息子を育てるっていう仕事してるんだけど…」といったらそのまま「怖い….怖い…」といいながら大声で泣き出した

抱き上げながら、息子が死というもの、死は毎日近づいてくるというのに学校や会社へ行くことを強いられるこれからの人生に恐怖して泣いている…と動揺した

ひいばあちゃんやドライバーさんとの別れ、住職が絵本にして聞かせてくれたお話、わたしや主人の生活、すべてが自分の人生と繋がっているということに気付いた息子は、
その洪水のような不安に襲われて涙が止まらないというのに、自分を抱っこしている喘息の母親が一つ咳き込んだだけで「もういいよ大丈夫…」とかいって、スッと泣き止んで布団に転がり、すぐ眠ってしまった
わたしが死を意識したのはいつだろう、とか、この繊細で優しい子をどのように育てたらいいんだろうか…とか息子の手を握りながらぐるぐる考えてしまった
同時に、もうすでに学校に行きたくないし働きたくないし家にいたい…と思ってるのか….めちゃくちゃ私たちの子どもじゃん…と呆れもした

息子のいろんな初めては日常に流されていて、記録しているものはあまり多くないけれど、生きることや死ぬことを意識した4歳3ヶ月の日のこと覚えておこうと思った
今日の日記はここまで

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