RezINFINITY体験会に行って来た・1

CGやVRの歴史を学べば必ず現れる伝説的人物、アイバン・サザランドは遥か昔に予言した。
 コンピュータグラフィクスの未来は二極化する。とてもリアルに現実世界を描くものと、見たこともない空想世界を描くものだ。(大意・出典求む)
 現実の世界を描くため、光源処理や物理演算、フィルタリングに磨きをかけるものと、現実にはないものを描き出すための表現能力に磨きをかけるもの。絵画の歴史から写実から抽象、印象から前衛へと遷移していくように、CGは確かに二つの道を突き進み続けている。

 90年代から何度となく立ち上っては消えた、VR時代開闢の狼煙。民生用VRディスプレイが誕生し、大本命と名高きPSVRの発売が目前に迫った今、その真価を改めて垣間見た気がしている。

 渋谷にあるイベントスペースで行われた『Rez INFINITY』の体験イベントに行って来た。水口哲也氏の代表作Rezが、15年の時を経てVRで昇華される。
 まず『AreaX』と銘打たれた新バージョンのRezを体験。何度か旧版(という表現が正しいかはわからないが)をVRで体験していたので、似たような体験だろうとタカをくくっていた私は、開始数十秒で圧倒されることになる。
 別物だった。誤解を恐れず言えば、既存の3DゲームをVR対応させたものと、ゼロからVRにすべく組み上げられたゲームの歴然たる差を見せつけられた思いだった。光が、動きが、音が、八方から降って来るのだ。HMDをかぶる前に壁や椅子の位置を覚えておいたので、事故を起こすほどにはならなかったが、家でプレイしたら立ち上って歩き回っていたかもしれない。
 精緻に組み立てられた色彩や演出が、そこに自分が入り込んだような錯覚を覚えさせ、浴びるほどの音と光がそれを逃がさない。
 ゲームという枠組みで見ていると容易に足元をすくわれる。これは水口哲也の仕掛けた世界。時間と空間を使った芸術なのだ。
 クリエイターでもなんでもない私がこんなことを言うのは口幅ったいが、これがRezの正体だ。と言ってしまおうこの際。

 実はコレを執筆している時点で、次の体験の整理券を取ってある。話題のシナスタジアスーツでのRezをプレイするつもりだ。
 体験次第レポートさせていただきます。

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