見出し画像

雑感・アポロ11号

 世界が西と東に分かれていた頃。宇宙開発競争で旧ソ連に一歩遅れていたアメリカは、人類を月に送ることを明言。若き大統領ジョン・F・ケネディの元、250億ドル(約9兆円)の予算と40万人(ピーク時)のスタッフ。2万以上のサポート組織を動員し、人類史上未曾有の計画はスタートした。

 歴史的事象の再体験は、その時その場にいるような感覚を持たせる、というVRの骨頂芸が最も発揮される分野の一つだろう。今回題にとられたのは、史上最も有名な友人宇宙飛行計画「アポロ計画」の中でも、初めて人類を月に着陸させたアポロ11号である。
 ゲームというより教育ソフトとしての趣が強い。月着陸船とのドッキングや、月面着陸など、実際操作して体験できる場面もあるが、すべてオートにして眺めるだけのモードもある。
 宇宙船は細部に渡り忠実に再現され、流れる無線はすべて当時のもの。あなたの座る席は司令船の左。ニール・アームストロングのそれだ。

 さて困った、内容は史実なのでストーリー的なネタバレもないが、今更語ることもない。ゲーム要素も少ないので、のめり込めるポイントも少ない。これ以上何を語ったものか。
 誓っていうが、価格に見合わぬ薄いソフトではない。むしろ安いんじゃないかと感じたほどだ。PSVRを持っている人は、まずこれを体験してほしいと言える。
 打ち上げ、ドッキング、着陸、ムーンウォーク、そして帰還。誰も達したことのない、セオリーも説明書もない世界に足を踏み入れ、無事帰るということの難しさと、そこに行った男たちの記憶を追体験できる。
 そこからあなたが何を感じ、何を思うかを、私はここで定義したくないのだ。
 額に飾られた映画を見るようなモニターではない。周囲を囲まれ、隣にオルドリンを感じながら体験できるVRだからこそ、あなたの中に浮かびあがってくるものが必ずあるはずだ。

****************************
お気に召しましたら投げ銭を願います。


続きをみるには

残り 19字

¥ 100

サポートお願いします。励みになります!