6・ゲームのリアル、現実のうそ
A:で、こちらのお宅にラジコンで不法侵入して何をするかといえば、スマートカーの鍵となる音声データを取ります。スマート家電が家主である会社重役の声を取っているので、それを頂戴します。
伊東:これ無線操縦ですね?
A:ですね。
伊東:ジャミングされちゃいません?僕ジャマー持ってますよ?
A:使わないでくださいね?w 一応ジャマー持ってる敵が出たりもします。
伊東:以前試したことがあるんです。周りの人に無線機器全部持って来させてジャマーのスイッチ入れたら、携帯はもちろん繋がらないし、Bluetoothのマウスも動かない。
A:ひーえー。あ、素人考えなんですが、携帯とかBluetoothって、周波数帯を割り振ってるじゃないですか?ジャマーっていうのは、それを各々の周波数帯で逆位相かけたりするんじゃなく、もうデッカい波でどばぁっと覆うイメージなんですか?
伊東:そうです。例えばこうして話をしている時、隣で大音量でロックとかかけられたら聞こえないでしょ。音の中身は関係ないんです。
A:へぇー。
伊東:もちろんそれに対抗する通信技術もありますが、コストが上がるので、まだまだああいったラジコンみたいな機器には積めませんね。
A:積まれないよう祈りますw
さて鍵も手に入ったので、スマートカーを頂戴しに参りましょう。放送局でお披露目生放送するらしいですね。なーんでかずいぶん物騒なものを持った警備員が固めておりますので、裏から失礼しましょう。おやこんなところに偶然リフトが。こいつも操作できるのでこれを使って屋上からお邪魔します。
ってゆーかIoTだからって、こんな工事機械までオンライン化しますかね?
伊東:そうですねぇ、作業員がいれば済むものを遠隔操作するメリットは……微妙ですねw
A:ですかw さあ屋上にもずいぶん着膨れした警備員がいます。ここでctOSの本領、彼のスマホをハックして偽のアラームを鳴らします。すると意識がそっちに向かいますんで、その隙に背後から……どーん!
伊東:やったー
A:そうしましたらまたラジコンの出番です。会議室までお邪魔しまして……
さあ会議室にちょいと盗聴器を仕掛けました。あ、そういえばこのゲームって、こうしてカメラに映ったデバイスをハックするんですが、逆にいえば映ってないデバイスは真横にあってもハックできない。壁の向こうのデバイスも、カメラに映ればハックできる。これってどう思います?
伊東:ちょっと変ですね。そこまでできる電波強度なら、壁があろうがハックできるはずです。
A:まあそこはゲームルールの兼ね合いでしょうか。って、あー警備員に見つかってラジコン壊されちゃった。仕方ない直接乗り込みますか。
伊東:今ゲーム中で彼はどうやってラジコンを操作してたんでしょう?
A:ラップトップですね。
伊東:んんんーそこはやっぱりHMDかけてVRでやった方が……
A:気になってますねそこw
伊東:はいw
A:さてサーバーにバックドアをしかけましょう。入り口の警備員邪魔なんで眠ってもらいましょうバキューン
伊東:えー鉄砲持ってるの?!
A:スタンガンですね。あー見つかったチクショ
伊東:ハッカーとは思えない荒っぽさw ってゆーか警備員も撃ってきてます?
A:アメリカですから、疑わしくはKill Youです。
伊東:機械壊れるだろーもーw
(7へ続く)
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