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人生最後の「ゴールデンバット」を買いました。

 どうもみなさんこんにちは、喫煙者のああああです。もはやこう名乗ることにほとんどメリットと呼べるものはないご時世ですが、今日はタバコを買いました。

 ゴールデンバット。くすんだ若草色という矛盾した色のパッケージが目印の安タバコです。

 このタバコ、普段は滅多に買いません。ずっと吸ってるショートピースがコンビニに無い時に、ずらっと並ぶタバコの棚にちょこんと置いてあるのを見かけた時だけ買うタバコです。

 ショートピースと同じ両切り、知らない人にぎょっとされますがフィルターのないタバコがこれしかないというしょうもない理由でしたが、数年前からフィルターがついてから買うことも無くなりました。

 でも買いました。深夜のコンビニにちょこんと置いてあったから買いました。なんでって、無くなるからです。詳細はグーグル先生にお任せします。

 薄いフィルムを剥がすと、見慣れないフィルターがついております。でもスカスカなのは相変わらずで、火をつけても別に美味しいなと僕は思わない。

 一本吸い終わってからポケットのショートピースを出した吸えば、やっぱこれだねなんてCMみたいな台詞がつい頭をよぎってしまう。

 けれど無くなるんだよなぁという一抹の寂しさは残ったまま。昔大学でゴールデンバットを取り出したら、文学が好きな友人に芥川読んでかぶれたのかと言われたしょうもない思い出が反芻されます。

 ゴールデンバットが無くなります。店頭から消えた商品なんて星の数ほどありますが、ゴールデンバットもその仲間に入ります。

 安くて味のばらつきがあってトントンしてもスカスカのゴールデンバットが無くなります。著名人が愛した以上に、どこかの誰かがスパスパ吸ってたタバコの歴史が幕を閉じます。

 タバコがかなり嫌いな人なんかは、ざまぁみろ喫煙者どもついでにタバコごと消えちまえ! なんて心の中でまっすぐ中指を立てているかも知れません。

 僕はその人の人生とかよく知らないので、そんなこと言わないでと宣う権利はありませんし、その感情の是非を論ずる気もございません。

 けれどこれだけは言わせていただきたいのです。ゴールデンバットを好きだった人が有名無名関わらず沢山いた事と、これがなかったら生まれなかった……とまでは言いませんが、僕らが過ごす土台の土台、抜いてもいいけどあった方がいいジェンガの一つに、あのくすんだ若草色のパッケージがあったという事をです。

 だからどうした、という話でした。さらばゴールデンバット。

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ああああ

投稿サイト小説家になろうにて『聖剣はケツに刺す ~勇者だけど世界救ったら暇になった~』『パンツクエスト ~うちのメイドのパンツが勇者に盗まれたと思ったら、パンツを食べてスキルゲットしていました~』執筆してます。http://mypage.syosetu.com/545647/
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