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「静かなのが好きなヘムレンさん」再読:ホムサはお願いしていない

私の性格上、急ぐと適当になってしまいます。適当に対処したくなくて、放り出して目を背けてしまうことがこの2年くらい頻発しています。本当によくない。どうにか自分をだましてしぶしぶ向き合って、まあまあ一つ一つ時間がかかって、またいやになって放り出そうとして自分が嫌になり、ひと呼吸。放り出しっぱなしもそれはそれで気分が悪くてもうひと踏ん張りし、結局毎回きちんと向き合てよかったと思います。

そういう波の繰り返しのなかで『ムーミン谷の仲間たち』を読んでいます。

短編「静かなのが好きなヘムレンさん」で、急ぎすぎて思い込んでいたことがひとつ。

雨で流されてしまった遊園地の再建をホムサがヘムレンさんに頼んだと思っていましたが間違いでした。(あらすじは割愛)

ホムサはヘムレンさんの親類たちから、ヘムレンさんに食事を運ぶこと頼まれていて、ヘムレンさんと会話をする機会があり、かつて遊園地で遊んでいた子どもたちからの手紙をヘムレンさんに渡す役目も担いました。

それじゃあ子どもたちがヘムレンさんに遊園地の再建を頼んだのか?といえば、それも違って、手紙には、「(救い出した遊園地の遊具を)そっくりぜんぶあげます」「たぶんぼくたちがいって、いっしょにあそんでもいいよね」というもので、遊園地を作りなおすと決めたのはヘムレンさんでした子どもたちに「手を貸してくれ」と言ったのも、ヘムレンさんのほうからです

トーベ・ヤンソンは、登場人物の気持ちやその動きだったり、台詞や行動の意図だったりをはっきり書かないことがあるのに、すんなり読めてしまって、あとで読み直すと、理解がちょっとずれていたり間違って覚えていたり、一部忘れていたりすることがしばしばあります。今回はまさにそれでした。

何回も読んでいるからこそ自分の間違いに気づかないこともあります。そうして最初の話に戻るのですが、結論を急がず根気強くじっくり本を読もうと改めて思ったのでした。でも、できないときに思い切って他のことをするのは私には必要なことではあるので(言い訳っぽい…)、逃げてもできるだけすぐに立ち直れるように気持ちのバランスを取らなくては。


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