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日本における交通機関の神対応

元日の北陸地方で発生した地震に続き、またも痛ましい事故が発生してしまいました・・・。

1月2日の夕方頃に発生したJAL516便(新千歳→羽田、エアバスA350-900、機体記号:JA13XJ)と海上保安庁の飛行機(MA722みずなぎ号、デ・ハビランドカナダDHC-8-300、機体記号:JA722A)が衝突し、JAL機・海保機両方が炎上大破してしまった案件です。
私もTVでこの状況を見て、あまりにも衝撃を受けました。

事故の詳細に関しては管制ミスだの海保機がミスだの色々飛び交っていますが、誤情報を生む可能性があるためここは俯瞰で見ていきたいと思います。
一刻も早い事件の原因究明をして頂きたく思います。


事故の影響を受けて羽田着陸予定機はダイバート

上記の事故の影響を受けて、羽田に着陸予定だった航空便は全て他の空港へ代替着陸(ダイバート)か出発空港へ引き返すなどの措置が取られました。
羽田空港着陸予定の航空便については成田空港・茨城空港(※1)・中部国際空港(セントレア)・大阪国際空港(伊丹空港)・関西国際空港へ代替着陸となったようです。
また、出発便についても滑走路全面閉鎖に伴い欠航が相次ぎました。

成田空港

この事故におけるダイバートを受けて、航空業界を始めとし各公共交通機関では色々な「神対応」が垣間見えました。その神対応を見て行きましょう。


それぞれの「神対応」

神対応1:JALの客室乗務員の対応

まずはこちらのニュースをご覧ください。

羽田空港で日航機と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、炎上した日航機から乗客乗員379人全員が無事に脱出したことについて、欧米各紙は「奇跡を目撃した」「客室乗務員(CA)たちは素晴らしい仕事した」などと称賛の声を伝えた。

欧米各紙が事故を伝える記事の見出しには「ミラクル」という言葉が並んだ。英ガーディアン紙は「まず第一に、私たちは奇跡を目撃したと言わなければならない。あの飛行機から乗客全員を降ろした方法は、ほとんど信じられないほどだ」との元民間パイロットの談話を伝えた。

米ニューヨーク・タイムズ紙は旅客機の安全教育の専門家の話として「驚くべきだ。CAたちの反応速度は目を見張るものがあった。本当に奇跡だった」。

またロイター通信は「CAたちは素晴らしい仕事をしたに違いない。乗客全員が降りられたのは奇跡的だった」との航空分析会社の専門家の話を伝えた。

引用:産経新聞

あれほど大きな事故であったにも関わらず、全員が無事脱出しました。
何故、この様な奇跡を生んだのでしょうか?

それは、JALやANAなど日本の航空会社の客室乗務員には、必ず緊急時の対応まで研修にあると言うのが1つの理由のようです。

【参考動画】

この動画ではパイロット・客室乗務員が年1回緊急時の研修を受けているとの事でしたが、こう言った行いが今回のような奇跡を生んだと言っても良いでしょう。

神対応2:足を用意

今般の羽田空港の事故を受けてダイバート先に選ばれたうちの1つ、茨城空港。しかし、そこは周囲に殆どお店もなく、足もない状態。
そこで行き詰った乗客の足を用意するべく立ち上がったのが、茨城県を本拠地として鉄道・バスの交通網を広げている関東鉄道でした。
(一応茨城空港には少し離れたところにコンビニ{セイコーマート}がある程度)

関東鉄道のXへの投稿によると、同社グループ会社は事故を受けて茨城空港にバスを「派遣」。新千歳発羽田着の旅客機2便分の乗客全員をJR石岡駅まで「ご案内」し、2日午後9時10分ごろに完了したという。

 茨城空港は鉄道が通じておらず、石岡駅まで約14キロの移動手段はバスやタクシーなどに限られ「陸の孤島」と言われる。だが、空港から石岡駅まで車で約20分、同駅から東京駅までは特急なら約1時間。計1時間半前後で都内にアクセスできる。

 こうした状況も踏まえ、X上には「関鉄さんが臨時バスを出している。都内に帰れるよ」などと知らせる投稿が目立った。また、乗客とみられる人からは「迅速な対応をありがとうございました。無事に帰れそうです」などと感謝の言葉も並んだ。

 さらに、「かっこよすぎる」「年始に交通機関が頑張っている」といった称賛の声も相次いだ。

引用:Yahoo! JAPANニュース

ちなみに該当のX投稿はこちら。

茨城県は県内を横に這う鉄道網が少なく、殆どがバスや自家用車に頼っている状況です。
(あってもJR水戸線や関東鉄道常総線、竜ケ崎線、ひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道のみ)
茨城空港からも旧鹿島鉄道の線路だった場所を走行する「茨城空港連絡バス」として石岡駅まで繋がっています(運行は関鉄グリーンバス)。

しかしダイバート客があまりにも多いと、バスも満員となってしまうため乗り切れなくなる可能性まで出てしまいます。そこで関東鉄道は多客輸送に備えて臨時便を出したのではないかと思われます。

関東鉄道は毎年10月頃に行われる土浦花火大会でも、多客輸送に備え多くのバスをグループ子会社含めて行いますが、今回の場合は茨城空港からこれ以上飛行機が動かない事を想定し、航空会社や茨城空港と連携して対応に出た流れとなるようです。

神対応3:成田でも

神対応は茨城空港だけではありません。成田空港でも起こりました。

こちらは普段設定されない1時台のアクセス特急です。
成田空港も今般の羽田空港の事故を受けてダイバート先に選ばれたうちの1つであり、そこからの足として緊急で用意したと思われます。
成田空港からの京成成田スカイアクセス線について、最終電車は23時08分のアクセス特急(高砂行き)が出発すると運転を終了。あとは京成本線の宗吾参道行きに乗り成田まで移動するしかありません。

しかし、今回は緊急対応と言う事もあり、急遽1時台の設定がなされました。行先は京成上野行き。東京までとりあえず出す使命で設定されたのでしょうか。

臨時アクセス特急に使用された車両
(2019/10/31、北総線新鎌ヶ谷駅にて撮影)

なお、1時台は北総線も動いてなく、この緊急設定によりアクセス特急停車駅では駅務対応なども緊急で行われた可能性があります。
また、JRでは終電の繰り下げ対応が行われたようです。


最後に

今回の羽田空港の事故の影響を受けて、日本の公共交通機関に与えられた使命と言うのが改めて知ることが出来ました。
やはり人の命を預かっている以上、どうにかして人の動きを途絶えたくないかつ命を守ると言う事から動いたのが今回のような神対応と言えるでしょう。
改めて夜遅くまで対応してくださった公共交通機関には頭が下がる思いです。

※スカイマーク便のみ

今回の見出し写真に使用したJALのA350-900は、事故機とは別の機体です。

【お詫び】
神対応2の欄で茨城空港~石岡駅を繋ぐバスを「かしてつバス」と表記していましたが、正しくは「茨城空港連絡バス」でした。
「かしてつバス」は石岡駅~鉾田駅・新鉾田駅または玉里学園間を玉里駅、小川駅、玉造駅を経由して結ぶバスとなります。お詫びして訂正いたします。

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