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鯨鯨の帯域世界




まるでゲームか絵本のように

折り畳まれた次元が展開する

みえなかった線がみえてきて

新しいポケットが生み出され

そこに入りながら入れられる

分かりやすく宇宙線みたいな

地平線からこの系列の太陽が

顔を覗かせて挨拶をするさあ

鯨鯨の帯域世界が始舞ってる

風の音が潮騒に
人の声は水疱に 帰して私は

鯨の声を聴きました ホエール
ホエールが吠えてる 静かに
とても静かで丁寧な 重なりの
中で ホエールが吠えてて 私
それを聞いてて 背を立てて聞いてる

ここは鯨鯨の帯域世界
海豚より広く鯱より高い
または深いかもしれない大きい

遠い遠くまで行くから表裏ない
あちらがこちらに乗り行ってる
あちらもこちらとそうだろうという祈り

分かりやすい天界のファンファーレ鳴り
人間の分かりにくさを柔らかに告げながら

僕はあそこに帰れるだろう か
気のない朧げな疑問が浮かんでは消えていく

本当はね 本当の意味で背を
背骨を立てれば いつでもここに
もどることができるよ

ありがとう鯨 さんくす海
お前らの帯域は気持ちいい 心地いい
ありがとう鯨 お前の声は遠く大きい
今にここまでを届いた

ラピスラズリの水晶が咲く
私みたいに展開される 優しく
鮮やかな幾何学が開示される

ターコイズの宴 もう少し右
知らない味 を思い出す動き
深呼吸より深い咳 思えばため息
膨らんでお腹 伝わってくる興り

くじら くじらが鳴いてる
右から 左から 後ろ 前から
上はまだあと少し
ここに来た時から知ってる

まだまだ上があるみたいだ
どうせはいってなるだろう
いつかそうきめたのだから

うん

















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